米紙ニューヨーク・タイムズが最近、アジア系米国人たちの高齢化に伴うジレンマについて報じた。アジア系の高齢女性の自殺率は、ほかの地域の出身者の2倍近くに達するという。
また、アジア系米国人の高齢者の貧困率も12.3%に達し、ほかの地域の出身者に比べて多い。言葉の壁や、子どもが年老いた親を養うという伝統が、アジア系の高齢者人口の急増に伴い、大きな課題として浮上している。
数日前、ニューヨークのマクドナルドで、韓国系の高齢者6人が長時間席を占領し、営業の妨げになるとして、店側から警察に通報され、店外に追い出される事件が起こった。
彼らは韓国人の海外移住が本格化した1960-70年代に米国に渡った移民1世だ。生計を立てるため、クリーニング店や青果店を営んだり、飲食店で働いたりするなど、金になることなら何でもやってきた。
子どもたちだけは米国社会の主流に仲間入りさせようと、積極的な教育を施した。だが、自分たちは米国社会への同化を果たせず、孤立してしまった。
英語を話す子どもたちに胸の内を打ち明けることができず、恋愛や結婚に関する価値観も異なり、深い溝が生じるようになった。唯一の楽しみは、似たような立場にある高齢者たちと一緒に過ごすことだった。
1ドル39セント(1ドル=約100円)のフライドポテトとコーヒーのセットを注文するだけで、あまりにも長い間店にいるとの理由で、警察まで動員して追い出したマクドナルド側の仕打ちはひどすぎる。
一方、ファストフード店で席を占領し、暇をつぶす高齢者たちにも問題があるとの意見もある。メリーランド州のあるインターネットユーザーは、マクドナルドの店内で1週間に2-3回、高齢者たちがビンゴゲームやマージャンを楽しめるようにするという解決法を示した。
異国の地で身を粉にして働いてきた人たちが、年老いてひどい仕打ちに遭うのは胸が痛む。そして、このようなことがそう遠くないうちに、韓国でも起こるのではないかとも思えてくる。
金潤徳(キム・ユンドク)論説委員・文化部次長
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2014年1月20日
0 件のコメント:
コメントを投稿