米国がついに大英断を下した
【NQNニューヨーク=岩切清司】米ドラッグストアチェーン大手のCVSケアマークは5日、10月1日までに米国内の全店舗でたばこや関連製品の販売を停止すると発表した。対象店舗数は7600超。
喫煙率の低下に対応するほか、医薬品や健康関連製品を扱う企業としてたばこ販売は適切ではないと判断した。大手チェーンの取り扱い停止は初めてで、米国の喫煙動向に影響が出るかが注目されている。
CVSのラリー・メルロ最高経営責任者(CEO)は声明で「たばこの販売は(健康推進という)我々の目的と矛盾する」と述べた。同社の発表資料によると、1965年に42%だった全米の成人喫煙率は直近で18%にまで下がった。
大都市を中心にたばこ規制も強まっている。ニューヨーク市では昨年秋、たばこを購入できる最低年齢を18歳から21歳に引き上げたうえ、1箱の最低販売価格を10.5ドル(約1060円)とする条例が成立した。需要の先細り見通しも販売撤退の一因とみられる。
販売取りやめでCVSの年間売上高は約20億ドル減少。2014年12月期の1株利益を0.06~0.09ドル押し下げる要因になるという。
5日の米株式市場ではCVS株が業績悪化懸念から前日に比べ1%下落。有力販路を失うとの見方から、大手たばこメーカーのアルトリア・グループやレイノルズ・アメリカンの株価も各1%前後下げた。
アルトリアの広報担当者は「CVSの決断を尊重する。成人向けに責任ある方法でたばこを販売する25万店近い小売店との関係に注力し続ける」と語った。
たばこ業界への影響は軽微とみる専門家もいる。米モルガン・スタンレーのアナリストは投資家向けリポートで「喫煙者はほかの店でたばこを買おうとするため、たばこの消費が減るわけではない」などと指摘した。
日本系座新聞 2014 2月6日
0 件のコメント:
コメントを投稿