先日民放のあるテレビ番組が実に興味ある話題を取り上げていました。
洗濯物の話なのですが、アメリカ人は洗濯物を外に干すことを非常に嫌っているというのです。
郊外の高級住宅街ほどその傾向が強く、そうした地域でもし外に洗濯物を干す人があると、近所の住民から吊るし上げを食うというのです。
理由は外に洗濯物があると貧乏臭く見えて、高級住宅街の雰囲気が壊れるからだそうです。
そうした地域の住民はすべて自宅に乾燥機を備えていて、洗濯物を外に干すことなど一切ないというのです。
したがって周りの美観を損ねてまで、洗濯物を外に干すなどということは考えれないというのです。
つまり洗濯物は乾燥機で乾かすのが常識で、外に干すものではないと断定しているのです。
さらに洗濯物を外に干す人はは乾燥機も買えない貧乏人だとも言っているのです。
これを聞いたときは大変驚きました。なぜなら私たち日本人は洗濯物は外に干してこそ清潔感が保てると思っているからです。
それゆえに、良い天気の日ことを”洗濯日和”などと言っているのです。
また洗濯物だけでなく、ふとんなども虫干しという名のもとによく外に干します。
それほど日本人は物をを外で干すことを好んでいるのです。
でもアメリカ人は違っていて、外に干すことを非常に嫌がるのです。
とは言え、そうしたアメリカ人の心情がまったく分からないことはありません。
確かに狭くて立て込んだ家々の軒先に洗濯物がずらっと並んでいるような光景を目にすると、庶民の生活臭ばかりを感じて、なんとなく貧乏臭く思えるのは事実です。
それ故に外に洗濯物を干すことに反対のアメリカ人は、高級住宅地にそうした貧乏臭さがあっては断じてならないと思っているのではないでしょうか。
そういえば私がニューヨークに住んでいた1980年ごろでも、外で洗濯物を干している光景はほとんど見ませんでした。
私が下宿していたごく普通の庶民用のマンションでも、地下に大きな乾燥機を備えていて、それで完璧に乾かしていましたから外に干すなどということはまったくありませんでした。
洗濯物を外に干すのが貧乏臭い、と考える以前に、アメリカでは古くから乾燥機が広く普及していたのです。
ちなみにいま私が住んでいるマンションでも、ベランダに洗濯物を干す際は、囲いより低い位置に外から見えないように干さなければならないという規則があります。
0 件のコメント:
コメントを投稿