連載でお伝えした「国民健康保険滞納、差し押さえ急増」(3月7日配信)に多くのご意見が寄せられました。
これらをもとに取材した結果、自治体による厳しい差し押さえの動きがあることが分かりました。
その封筒は、生活が繰りしい人たちから「赤紙」と呼ばれ、おそられる。
3月、静岡県掛川市で一人暮らしをするノブオさん(58)にそれは届いた
朝日新聞電子版 2014 年 4月21日
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退職者や非正規労働者が8割を占める国民健康保険(市町村国保)。同保険料(税)の滞納者に対し、預貯金や給与を差し押さえて徴収した2012年度の件数が、京都府では4257件に上り、5年前(1035件)の4倍を超えることがわかりました。
(京都府・稲次かなめ)
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厚生労働省の調査結果に基づくもの。全国では約24万3000件で、5年前の2倍に増えていますが、京都府の4倍超は、神奈川県に次ぐ増加率です。
京都府では、現山田啓二知事が全国初と旗振りをして、住民税や国保税(料)などの滞納税の徴収業務をすすめる広域連合「京都地方税機構」(初代広域連合長=山田府知事)を09年8月に設立(京都府と、京都市を除く府内25市町村)しました。
国保税の徴収を移管する市町村は、このうち18。移管が本格化した11年度と前年の10年度の比較でも、差し押さえは652件から1353件に倍増しました。中でも、城陽市が130件で14倍に、久御山町で6倍、京田辺市や木津川市で3倍に増えました。一方、移管をしていない7市は、155件から147件に減っています。
日本共産党の加味根史朗府議は、京都地方税機構広域連合議会の議員として同議会で、生活を無視した「滞納処分」「差し押さえ」を行わないよう求めてきました。
2月の議会では、30歳の女性=京田辺市=が給与を差し押さえられた事例を挙げて「最低生活費まで差し押さえるのは人権侵害だ」と追及した際、同地域を担当する事務所が職員1人につき1カ月15件の差し押さえをノルマとして課している実態が明らかになりました。
加味根議員は、差し押さえの京都での異常な急増の要因に、全国で京都府にしかない税機構での機械的な徴収の実態があると指摘。「府民の生活実態を無視し、徴税効率を優先する冷たい対応です。税機構のあり方、知事の姿勢が問われる問題だ」と話しています。
1週間後の20日告示の京都府知事選(4月6日投票)に立候補を予定する「世直し府民ネット」の尾崎望候補は、国保料(税)の引き下げ、資格証明書発行の中止などを国や自治体に求める政策を提案し、「いのち・くらしを守る」府政への転換を訴えています。
しんぶん赤旗 2014年3月13日
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