ニューヨークのホテルで働いていた頃のことです。ある日フロントオフィスで夜勤をしているとき、チーフクラークのフレディが紙に線を引いて数をカウントしていました。
私はそのカウントの仕方を見て驚いてしまいました。なぜなら見たことのないような方法で数を数えていたからです。
フレディはその日のフロアーごとの宿泊者数を線を引いてカウントしていたのです、
私たち日本人が数のカウントでよくやるのは正の字を描く方法です。線を1本づつ描いて正の字を作っていき、その一つを5として数える方法です。
ところがフレディのやり方を見ていると、それとはまったく異なった方法を使っているのです。
それは線を縦に4本引き、最後に横の線を1本を串刺しのように引く上の図のような形のものでした。
これで立派に5をあらわす形になるのです。
そのときは、「ふーん、国が違えばこんなことにも違いがあるのだ」といたく感心したものです。
もちろんフレディには日本の正じるしでのやり方を教えてあげました。
でも正が漢字の文字になるということについては、何のことかよく理解できないようでした。
線を描いて数を数えるのを画線法と言う
このように1本づつ線を描いて数を数える方法を画線法というそうです。
上でも書いたように日本とアメリカでは描き方が違いますが、線を5本描く点は同じです。
でも種類は上の二つだけではありません。これらの他に〼の形で数える方法もあります。
これは□になるように線を一本づつ四本引き5番目に斜めの線を一本引き、これを5と数えるのです。
5本単位の線を使うのは各国共通
線画法にはいろいろな種類があるのは分かりました。
でも形は違うとはいえ、線を5本描くことは共通しています。
つまりどの国でも5本の線以外を使った数え方はないのです。ということは世界共通です。
線画法は世界どこでも5本の線で描かれるという共通の決まりがある。と言ってもいいのではないでしょうか。
線画法の日米対決では日本の勝ち
では日米二つの線画法を正確性の点で比較してみるとどうでしょうか。
まず日本の正の字ですが、これは漢字の正の字を作ればいいのですから、出来上がりに間違いが起こりません。
なぜなら線を1本でも間違えれば正の字にならないからですから一目瞭然です。
ところがアメリカの方はどうでしょうか。横の一本の線は良いとしても、縦の線四本は見間違えることはないでしょうか。
つまり3本しかなかったり、一本多い5本あっても見まちがえることがあるような気がします。
したがって二者の対決では、目があまりよくない人でも見まちがえる危険性の少ない日本の正じるしによる線画法に軍配を上げたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿