人気ビジネス書200冊のうち著者本人が書いたものはたったの20冊?
下にある○印のついたタイトルは、最近東洋経済オンラインに掲載された記事です。
でも今回はこの記事の内容を紹介するものではありません。
実は驚くべきことですが、こうしたビジネス書のうち90%は著者本人ではなく、ゴーストライターと呼ばれる無名の作者によって書かれているというのです。
これが事実だとすれば、この記事で取り上げられた200冊の本のうち、著者自身が書いたものはわずか20冊でしかないということになります。
信じられないようなことですが、これは事実なのです。
この恐るべき事実について、さらに詳しく知りたい方は、青弓社が出版した
ビジネス書の9割はゴーストライター(吉田典史著)
という本を読んでみてください。
この本にはビジネス書とゴーストライターをめぐる様々な事情が余すことなく書かれています。
〇アマゾン「ビジネス・経済書ランキング(東洋経済オンライン)201711/21
あの本もこの本もゴーストライターの手で世に出されている
現在日本で発行されているビジネス書は年間5000点以上に達しています。
つまり1年間にタイトルの異なる5000種類ものビジネス書が発行されているのです。
でもここで言いたいことは発行点数ではありません。
問題にしたいのは5000点のうち、9割にも及ぶ4500点が、著者本人ではなくゴーストライターによって書かれているという恐るべき事実です。
まさに「あの本もこの本もゴーストライターが書いている」と言っても良いような状態なのです。
言い換えれば今の出版界ではゴーストライターなしではビジネス書を世に出すことができないのです。
名前が有名なら、たとえ本が書けなくても著者になれる
でもなぜ9割ものビジネス書がゴーストライターによって書かれているのでしょうか。
これは誰もが抱くもっともな疑問です。
この疑問に一言で答えるとすれれば、それは本を執筆できる人が少ないからです。
ビジネス書は出版社の経営方針にそって計画的に出されています。
まず年間の売り上げ目標あり、それに沿って発行点数が決められます。
その後本のテーマが考えられ、それに合う著者が選択されます。
この場合、著者はなるべくよく知られたネームバリューのある人が選ばれます。
その方が本を販売するのに有利だからです。
なお著者として選ぶ人が、本が書けるかどうかは問題にしません。
なぜなら書けなければコースとライターが執筆するという前提があるからです。
かくして、特定の分野で名前が売れてさえいれば、たとえ本が書けなくても、簡単にビジネス書の著者になることが可能になるのです。
本を書かない人が著者になっても良いのか?
上で述べたように書く力がない人でもビジネス書の著者になれます。
こういうと、何も書いていない人が著者になるのはおかしいではないか、と誰もが思います。
これはもっともなことで、そう思うのが普通の人間です。
でも出版界では長い間こんなおかしなことがまかり通っているのです。
つまり何も書かない人が著者になることが、おかしなことではなく常識になっているのです。
要するにこのことに関しては出版界の常識は世間の非常識なのです。
かくして「ビジネス書の9割はゴーストライター」という構図が成立するのです。
出版されるビジネス書の9割は何も書かない著者によって
ビジネス書は1日に50冊売れれば採算ペースに乗る、と言われています。
スタート時から1日に50冊づつ売れれば、合計3万冊~5万冊の販売ラインに到達でき採算ぺースに乗せることができるのです。
そのために大事なのが出版する本の企画と著者選びです。
企画には「紀伊国屋パブライン」と呼ばれるビジネス書の売れ筋商品と、個々の売れ行きデータが載っている便利なツールなどを利用します。
著者選びでは前述したように、その分野で実績と知名度がありさえすれば、書く能力は問いません。
大事なのは本の販売につながる著者の知名度と人気です。
こうした観点で著者を選ぶからこそ、経営計画から算出した出版予定点数の数だけ人数をそろえることができるのです。
つまり書くのはゴーストライター頼み、だからこそ成し得ることなのです。
参考文献 : ビジネス書の9割はゴーストライター 吉田典史著 青弓社
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