2021年3月22日月曜日

コロナ禍の居酒屋・3話

 


《その1》サシミ380円均一は安いが、出てきた鯵の刺身はなんと3切れだけ


コロナ禍だが
JR駅近くの地下街に新しい居酒屋がオープンした。カウンターがコの字型になっていて居心地が良さそうなので。オープン3日目ぐらいになってさっそく行ってみた。

初めての店だけに何を注文したら良いか迷ったが、看板に大きく書いてあった目玉商品らしい380円というサシミを注文してみることにした。

魚一品によるサシミだが、380円はいかにも安い。どんな物が出てくるかと期待いっぱいで待っていたのだが出てきたものを見た瞬間に期待は失望に変わった。一見してボリュームがあまりにも貧弱だったからだ。

コストの高いサシミのことだからそれほどの量は期待しないのだが、どう贔屓目に見ても少なすぎの感は否めない。

それでも内容をよく吟味してみようという気になった。

少なそうに見えたものの、ツマの大根の細切り上に乗せられているのではっきりした量はわからない。

それで箸でサシミを1枚づつ剥がしてみたのだが、なんと3切れだけで終わってしまい、残ったのはツマの大根の山だけだ。

しかしこの店何を考えているのだろうか、コロナ禍で客足が離れた今こそ、サービスに力を入れておくべきときだろうに。

 

《その2》8時の閉店1時間前で客は2人だけ、でもスルメの天ぷらがうまくて満足

コロナ禍の緊急事態宣言下の駅前の居酒屋、20時閉店は知っていたが、1時間もあればじゅうぶんと、閉店間近い19時ごろ店に入った。

案のじょう店は空いていた。いや空いていたは曖昧な表現で、ズバリ言えば客は他に2名だけで、長いカウンターはポツンポツンのガラガラ状態。

でもコロナ禍の真っ只中では当たり前のことで別に不思議ではなく、不満や不都合は感じなかった。

それどころかかえって満足したぐらいだ。なぜなら、静かな落ち着いた雰囲気で飲めるだけでなく、注文した350円のスルメの天ぷらがボリューム満点の上、味がすこぶる良かったからだ。

ジョキに並々と注がれた酎ハイと美味しいスルメの天ぷらで、コロナ禍真っ只中の居酒屋ではあったが、安上がりにすんでじゅうぶん満足することができた。 


《その3》夜の居酒屋、前に座っている女の人、早く出てくれないかなあ、でないと○○○が出せない

このところ腸の調子が悪いのか、それとも良すぎるからか、やたらとオナラが出そうになるので困っている。

その日も例外でなく、外出しても所々で人目をはばかりながら、間隔をとって立ち止まってはプッと出さざるを得なかった。

まあ外ならニオイの方は心配しなくてもいい。でもこれから行こうとしている居酒屋の中でのことが心配だ。

いつも座るロの字型のカウンター席は空いていて、2メートルぐらい離れた前の席に、若い女性カップルがいるだけだった。

お腹の調子は相変わらず不安定でいつおならが出てもおかしくなかった。

トイレに行けばよいのだがあいにく屋内になくいったん店外に出なければいけないので面倒だ。

前の女性には距離からして音は聞こえないだろうとは思ったが、店の中でで出すのは憚れる。

なんとか店を出るまで我慢できればよいのだが、それとも前の女性カップルが早く店を出てくれるといいのだが。などと勝手なことを考えていた。

すると幸いにもその後5分も立たないうちに二人連れは退出してくれたのだ。

それを見て、つい安心して神経が緩んだのか、お尻の方でプッという軽い音が響いた。

食べ物屋の店内で大変失礼なことをしてしまい、我ながら大いに反省。

恥ずかしい思いで、むなしく反省しただけの夜だった。


 

 

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