最近「尊敬」という言葉をあまり耳にしなくなったが
たいていの人が「尊敬」イコール「リスペクト(respect)」だと思っているはずです。
つまり尊敬は日本語でリスペクトは英語だが、2つとも意味は同じだと思っているのです。
それなのに最近耳にするのはリスペクトばかりで尊敬という言葉はめったに聴かなくなっているのは、一体どうしたことなのでしょう。
例えば
・彼は上司としてリスペクトできない
・政治家は国民にリスペクトされなければいけない
・私の高校のクラス担任は真にリスペクトできる教師だった
というふうに、目にするのは尊敬でなくリスペクトばかりです。
こんな傾向に接していると尊敬という言葉の意味が疑わしくなってきます。
つまり、尊敬はリスペクトと同じような意味でも、リスペクトより少しランクが下なのではないか、というふうに思えてくるのです。
でも実際にそうなのでしょうか。それをはっきりさせるために2者の意味を辞書で調べてみました。
尊敬とリスペクトの意味を辞書で調べてみると
尊敬の意味
尊敬(そんけい)とは、(他人の)人格や行いの素晴らしさに感じ入り、頭を下げるような、仰ぎ見るような、見習いたく思うような気持ちになること。および、そのような気持ちのこと。
「尊敬」の「尊」と「敬」は、類義語である。「尊」の字は「とうと-ぶ」「たっと-ぶ」とも読み、「貴いもの・価値があるものとして重んじる」という意味合いがある。
尊敬の「敬」の字は「うやま-う」とよみ、相手を尊ぶ気持ちを態度で示すという意味合いがある。 weblio辞書
リスペクト(Rispect)の意味
1〈物・事を〉尊重する
大切にする,〈願望・権利などを〉妨げない,〈規則・法律などを〉守る,…に従う
· respect other people's property
· 他人のものを大事にする
2〈人を〉尊敬する
敬う,(…として)賞賛する≪as≫,〈人に〉(…に対して/…したことに対して)敬意を表する≪for/for doing≫
出典:goo辞書
rispectと尊敬 意味の微妙な違いとは
尊敬は相手を自分よりも上の立場に持ち上げる表現なのに対し、リスペクトは対等な立場でありながら相手を認め、大切にするというニュアンスが強い言葉です。
リスペクトは、日本では「尊敬」とほぼ同じ意味で使用されることがありますが、英語での会話で使う際には、この違いに注意しましょう。
人々がリスペクトばかり使うのは単に響きがかっこいいから?
上でりスペクトと尊敬の意味の微妙な違いについて説明しましたが、人々が果たしてその違いを認識した上で2つの言葉を使い分けているのか、と言えば、その答えはノーです。
人々は皆、リスペクトと尊敬は同じ意味だと思っています。でもリスペクトばかり使うのはリスペクトのほうが聴いて響きが良いからなのです。
要は、単に「カタカナ英語かぶれ」であるけのことで、深い意味などまったくないのです。
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