2024年3月12日火曜日

百貨店の質流れ品バザールに疑問


「質流れ」って何のこと? 若者は知っているのだろうか

大阪の阪神百貨店が3月に恒例の質流れ品大バザールを開催するというニュースが昨日テレビで流されていた。

これを見て疑問に思ったことが2点ある。ひとつは質流れっていう言葉、はたしてz世代とも呼ばれる今の若者は知っているのだろうか。

二つ目は今どき質屋でお金を借りる人が多くいるとは思えず、質流れ品はほとんど発生しないのではないだろうか、ということだ。

それなのになぜ質流れ品大バザールとと銘打った特売会が大々的に開催されるのだろうか。

 

若いころはよく質屋に通ったものだが

今から数十年前の若いころ、金がないと決まって通ったのが質屋だった

質屋とは品物を担保にお金を貸してくれるところである。質に入れる品物を質草といい、その頃よく持って行ったのは腕時計、カメラ、背広などの衣類であった。

こうした質草がその後どうなったかというと、半分ぐらいは期限までに返すお金を用意して取り戻したが、残り半分ぐらいは金策がつかずそのままにした。

お金を返さず放っておけばどうなるかというと、質草を質屋に没収されてしまうのだ。これを質流れと呼び、所有権が入質者から質屋の方に移動することになる。

 

質流れ品とは

質流れ品」とは、質屋がお客様の品物をお預かりしそれに見合った金額を融資し大切に蔵で保管するが、契約期間の3ヶ月を過ぎてもお客様が受出しに来ない場合、そのお品物の所有権が質屋側へ移行することをいいます。

これを「質流れ」といい、この質流れした物を「質流れ品」といいます。

でも、質流れ品バザーなどで販売されているものはすべて質流れ品ではなく買取り品も含まれている。それも含めて一般的には質流れ品と呼んでいる。

 

いまどき質流れってあるのだろうか?

 

それにしても上で疑問点として挙げたように、疑わしく思うのは「今どき質屋でお金を借りる人が多くいるとは思えず、それ故に質流れ品はほとんど発生しないのではないだろうか」という点である。


昨今は昔と比べて質屋の数は大幅に減少していて、かろうじて残っている店舗でも、昔のように品物を持ってきて融資を求める客はほとんどいないのではないだろうか。


たとえ訪れたとしても持参した品物は質草にするのではなく、中古品としての売却目的であるに違いない。


したがって質屋に集まるのは質流れ品ではなく、買取した品物がほとんどを占めるのではあるまいか。。

 

買取した中古品を質流れ品として販売するのは問題なのでは

 


夕方のテレビ番組で阪神百貨店の質流れ大バザールの商品の買い付けに回っているバイヤーの活動を追う番組を放送していた。


商品の調達先は確かに質屋が多かった。しかしたいていの店は「質屋」だけでなく「中古品買取」という看板も掲げており、今ではメイン業務は中古品買取の方になっているようだ。


したがって店のストックのほとんどは買取で集めた品物なのだ。


ということはバイヤーが買い取る品物のほとんどは客から買い取った中古品で、質流れのものではないのだ。


にもかかわらずなぜ百貨店でのセールの名前が「質流れ品大バザール」なのであるのだろうか。


もっとも上述の質流れ品の説明では、買取したものも質流れ品と呼んでいるというが


考えるに、これは質流れと言った方が品物が安いという印象を与え、販売に有利になるからではないだろうか。


でも買い取った品物まで質流れ品と呼ぶのはバザーにおとずれる客に安いと思わせるためなので、これって問題なのではないのだろうか。


そもそも有名な老舗百貨店がいまだにこうした疑わしい商法を続けていること自体おかしいと思うのだが。


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