2024年10月15日火曜日

エンタメ小説新人賞応募を考えている皆さんへ 《小説新人賞応募者に是非とも伝えたいこと・第2弾》Part 2


確実に小説家になるにはこの道しかない  !

・シリーズ Part 1~Part 5


(Part 2)

エンタメ系と純文学系は分けて考えなければいけない

この記事はあくまでエンタメ小説家を目指している方々を対象にしたものですが、そうした方々に是非ともお伝えしたいことがあります。

それは小説新人賞にはジャンルによって区分があり、いくつもの種類があることです。

これを知っておかないと、間違ったジャンルの新人賞に応募してしまう恐れがあります。

もしそうだと、いかに優れた作品でも、正しい評価を受けることなく、落選という烙印を押されてしまうのです。


ジャンルの異なる新人賞への応募だと優れた作品でも予選で落ちる

上述のように、小説新人賞応募者はジャンルごとの種別を知っておかなければいけないのです。

メジャーなものに限って大別すると、純文学(芥川賞系)の新人賞を主催する雑誌が、文学界(文藝春秋)、群像(講談社)、新潮(新潮社)、スバル(集英社)など。

エンタメ小説の方が、オール読物(文藝春秋)、小説現代(講談社)、小説すばる(集英社)です。

これを知らずジャンルを間違えて、例えば純文学の新人賞にエンタメ小説の原稿を送ったらどうなるのでしょうか。

この場合、はたして受け取った出版社は、応募先のまちがいを理由に原稿を送り返してくれるでしょうか。

いいえ、残念ですが決してそんなことはありません。正式応募作品として受理して審査され、内容がそぐわないとして、あえなく予選落ち扱いにされるだけです。

それがいかに優れた作品であったとしても、ジャンル違いとあれば、致し方ないのです。


マイナーな新人賞では小説家になれない

では小説家になれるのはメジャーな新人賞を目指すのがベストということを知らずに、マイナーな新人賞で入賞した場合はどうでしょうか。

いまは一昔前と比べてインターネットが普及したこともあり、ネット小説なども生まれて、そうしたものを対象にした新人賞も生まれたせいで、小説新人賞の数は驚くほど増えています。

でも勘違いしてはいけません。賞の数が増えたと言っても、作家への道が増えたのではないのです

。part1でも述べたように、今も昔も小説家へのベストな方法はメジャーな小説新人賞応募をおいて他にはないのです。

仮にマイナーな新人賞を取って小説家デビューを果たしたとしても、それは弱小出版社から、一回のみ少部数で作品が出版されて終りになることが多いのです。

はたしてこれで小説家になれたと言えるでしょうか。



エンタメ小説家になるには、まず三つの新人賞で予選突破を目指す

メジャーな小説新人賞三つの応募で、すべて予選突破した筆者だから云えること

このシリーズPart1でも書いたように、エンタメ小説家への道はメジャーな三つの新人賞(オール読物新人賞、小説現代長編新人賞、小説すばる新人賞)に挑戦する以外、他に道はありません。

こう断言できるのは筆者がその三つの賞に応募して、一回目の応募ですべて予選を通過できたからなのです。

これが何を意味するかといえば、ターゲットにした新人賞がすべて私の作品をエンタメ小説と認めてくれたことになるのです。これはエンタメ小説新人賞として応募先が間違っていなかったからです。

これがなぜ大事なことかというと、せっかく作家を目指して応募した新人賞でも、応募先の選択を間違うと、作品がいかに優れていても正しい評価を受けることなく、一次予選であえなく落選という憂き目を見ることになってしまうのです。


自分の作品はエンタメ小説と認識していた

小説の種類は大きく分けて、純文学系とエンタメ系に分けられますが、大事なことは応募前に自分の小説がこのうちのどちらに属するかをはっきり認識しておくことです。

この認識があいまいだと、応募先選定に間違いが生じる恐れがあるからです。

せっかく長い日時をかけて書き上げた小説が、単なる応募先選定ミスで失敗(予選敗退)ということで終わってしまうことになれば泣くに泣けません。


新人賞突破には目標と戦略が欠かせない

《目標》メジャーな出版社の応募が多い新人賞だけを狙い、直木賞につながるような作品を書く。直木賞こそがエンタメ小説が目指す最終ゴールであることをしっかり認識しておかなければなりません。


メジャー新人賞3つにすべて応募する

(Part1)でエンタメ小説新人賞の応募先としてオール読物新人賞(文藝春秋)、長編新人賞(講談社)小説すばる新人賞(集英社)を挙げましたが、では、この三つのうちどれか一つを選んで応募すればいいのでしょうか。

もちろんそれでも間違ってはいません。でも小説新人賞の道は非常に険しくて、ずぶの素人が一発勝負で臨んで望みが叶うというような易しいものではありません。

それをよく表すのが応募者の数です。過去のデータを見ればそれがよくわかりますが、だいたい三つの新人賞とも、1回の応募は1000件前後あります。

でもこれに対して第一次予選通過は応募数の10%程度です。つまり応募数が1000件だと、通過するのは100件です。

つまり10人のうち、通過するのは僅か1名だけなのです。ということは残り9名の応募者は、第一次予選の段階で脱落してしまうのです。

この厳しさを知れば、三つの応募先のうち一つだけ応募して、安閑と結果を待つ、と言うのは暴挙と言えるのではないでしょうか。

お勧めするのは、最初の応募はできるだけ多くすることです。



《戦略1》応募者数と予選通過率を熟知しておく

エンタメ小説新人賞の応募件数は年次によって差がありますが、筆者が応募したときはいずれも1回の応募が1000件以上ありました。

応募を決める前にこの応募件数をしっかり把握しておくことは極めて大事です。なぜならこの応募件数が難易度を測る尺度になるからです。

応募件数と合格件数を知り、難易度を予測することが、戦略を立てる上での大切な要素になるのです。

例えば応募件数500件の新人賞と応募件数1000件の新人賞では、難易度は倍近く異なるのです。

この違いを知っておかなければ、応募の腹積もりも含めて、良い戦略を立てることはできません。


《戦略2》審査員と作品傾向を知っておく

作品をできるだけ多くのターゲットに応募することの次に大事な戦略は応募前に審査員と作品傾向を知っておく、ということです。これは審査員である作者の作品傾向を知るためです。

大学などの入試に際しても「問題の傾向」が重視されるように、文学賞においても審査員の作家としての作品傾向を知っておくことは極めて大事なことです。


《戦略3》予選に落選したときの対策を立てておく

誰でも一回の応募で作品が予選を通過することを望みます。しかし、前述のように作家へ直結するようなメジャーな新人賞ともなれば応募者が多く、合格者は応募者数の10%程度でしかない狭き門です。

この数字をしっかり認識しておくことが極めて大事です。でないと落選したときのショックが大きいからです。

落選で受けた大きな失望で戦意喪失して、次の挑戦意欲を失ってしまう可能性があるのです。でも事前に厳しさを認識して戦略を立てて臨めば、次なる挑戦への意欲は失われません。

その戦略も安易なものでなく、練りに練って、綿密で隙のないものでなければなりません。


(このシリーズ 今後の掲載予定日)

(Part3) 10月25日

(Part4) 11月 5日

(Part5) 11月15日


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