2025年2月1日土曜日

書評「オタク女子が4人で暮らしてみたら」藤谷千明 幻冬舎



オタク女子はユニークで面白い!

どこからか「おぬし血迷ったか、これって若い子が読む本じゃないか」という声でも聞こえてきそうだが

本のタイトルや派手な装丁だけ見て「若い人の読み物だ」と決めつけてはいけない。80代のおじんが読んでも面白いものは面白いのだ。

それに意外に(著者に失礼か)勉強になることが多かった。

たとえば著者たちが暮らしているルームシャア物件を探すのは至難の業だと書いているが、理由は賃貸人が他人同士なので意見の衝突などで同居が困難になる可能性が少なくなく、その場合は家賃の支払いに支障をきたすから、家主が敬遠するのだという。

筆者によると「ルームシェア可」の物件は、「犬猫可」より少ないという説さえあるそうだ。

この他にもマイクロソフト「TODOリスト」のアプリをはじめ、知らないことをいくつも教えてくれ、大いに勉強になったのだ。

そうそう、最後にもう一つ付け加えておきたいのは、この作者は、今人気抜群のお笑いタレント《やす子》と同じく、元・自衛隊女子であるのだ。

 

(作品紹介)

我が家こそ、沼でした!
お金がない、推しのグッズは増える、孤独死は嫌だ!   
そんなわけでアラフォー女子がはじめた快適ルームシェアの日々。
一生を約束したくはないけれど、淋しいから誰かと暮らしたい、
推しのグッズは増える一方なので広い部屋に住みたい、
節約して将来への不安に備えたい……
意見の一致したオタク女子4人がルームシェアをすることに!    
本名すら知らなかった仲間との生活は、
オタクならではの出来事や会話が飛び交う毎日で、全然キラキラしてないけど、すごく楽しい。
そんな4人が同居に至るまでと、春夏秋冬の暮らしを綴った、ゆるっと日常エッセイ。


〈目次〉
第1章 私は如何にして心配するのを止めてオタクと暮らすことにしたのか
第2章 【メン募】同居人募集・当方オタク、完全ゆるふわ志向。
第3章 春夏秋冬ルームシェアリング!   
第4章 ガチャも回すし人生も回す

出典:幻冬舎



著者・藤谷千明

1981年生まれ。工業高校を卒業後、自衛隊に入隊。その後職を転々とし、フリーランスのライターに。主に趣味と実益を兼ねたサブカルチャー分野で執筆を行なう。著者に『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』、共著に『すべての道はV系へ通ず。』『水玉自伝 アーバンギャルド・クロニクル』など。