新刊コーナー |
借入れ冊数限度は六冊なのでいつもほぼ「限度いっぱい」の5〜6冊を借りて手元においている。
何故そうするかと言えば、当面読む1〜2冊程度だけの借入れだと、よく吟味して借りたつもりでも内容的にこちらの思惑と違っている、いわゆる「ハズレ作品」に当たることがあるからなのである。
当然そうした作品は読まない。
仮に2冊借りたとして、2冊ともがそうであったら、すぐまた借りにいかねばならない。
そうした手間を防ぐ意味もあって多めに借りておくのである。
そしてそういう時には手元にあるその他の作品の中から次に読むものを決めるのである。
これだと、読みたくない本を無理して読まなくていい。
最近では読む本の8割ぐらいが図書館利用なのだが実は過去においてはほとんどを書店で購入して読んでいたのだ。
でも購入した本にも時々「思惑ハズレ」の作品があり、読まずにそのまま放っているものが少なからずあるのだ。
そうした苦い経験から、図書館で借りる場合も「思惑ハズレ」を見込んでの限度いっぱいの借り入れなのである。
最近こそ休みの日にはほとんど図書館へ通っているのだが、60歳になるまではほとんど言っていいほど利用していなかった。
なぜなら、その頃まではなぜだか「新刊書」ばかりにこだわっていて、古い本が多いというイメージ(今は必ずしもそうでないのだが)をもっている図書館はなんとなく敬遠していたのである。
ところが60歳を越え、仕事も正規雇用にかわって「パートタイマー」的なものが多くなり収入も少なくなってきて、それまでのように書籍代もままならなくなり、致し方なく図書館利用に切り替えたのである。
でも結果的にはそれがよかったのである。
第一「古い本ばかりしかない」という考えは大きな思い違いで、私が通っている「姫路市立城内図書館」には特設の「新刊コーナー」も設置されており、そこには少なく見積もっても常時100冊以上の幅広いジャンルから取り揃えられた新刊書が並べられているのである。
そのコーナーは入り口に近いところにあるせいか、私は入るとまずいちばんにそこに並べてある新刊書に目を通すことにしているのである。
その時によっては特に興味を引く本がないこともあるが、たいていは「読んでみたい」と思うものが2〜3冊はあり、そうした本は見つけ次第すぐ借りることにしているのである。
そのせいか、今手元にある五冊の中の3冊は発行日がここ1〜2ヶ月以内という新しい本なのである。
先日借りたものなど発行日が11月28日とあり貸出し初日の本であったのである。
私が一番の借り手で、まだ誰も手にとったことのない新らしい紙の香りがプンプン漂ってくる真新し本であったのだ。
これだとまるで書店で新刊書を買ったようなもので、何だか随分得をしたような気分になる。
このように最近の図書館では新刊書も沢山借りることのできるメリットもあるのだ。
でもこうしたことはさておき、何をおいても図書館利用の最大の利点は、私たちに「本が読みやすい環境」を提供してくれているということである。
それは「家」とか「電車の中」などに比べて、読書に際して「雑念が入りにくい」場所の提供ということなのである。
私はいつも着くやいなや、この図書館の一番奥まったところに儲けられている一人用の簡易机のついたパイプ椅子が置いてある場所へ行き、そこに座って読むことにしている。
何故だかそこが一番好きなのである。
その場所は他にも多くある閲覧場所のひとつなのだが、真ん中の大きな柱を挟み窓を背にして両側に6脚づづ計12脚の椅子があるのだが、そこにはいつも熱心に本に目を通している人たちの姿がある。
もちろんそれら利用者のマナーもよく、携帯電話など鳴ることもまったくなく静寂そのものだ。
そうした周りの人の熱心な読書姿と、あたりの静寂さこそが最高の読書環境なのである。
それ故に集中できて雑念などが入り込む余地があまりないのである。
したがって他の場所での読書と同じ時間をかけたとしても、吸収力という点では相当な差が出てくるように思えるのである。
何はともあれ公的機関がが市民に提供しているあらゆるサービスの中で、私にとって図書館ほどあり難いものは他にないのである。
こうしたものを何の制限もなくいつでも好きな時に無料で利用できることに対しては感謝の気持でいっぱいで、こころから「ありがとう」とお礼を言いたい。
余談だが、この図書館では隔週の日曜日に「名画鑑賞会」と銘打った映画の上映会も開催されており、選りすぐった作品ばかりが上映されている。
これもまたすばらしいものなのである。
紙面の都合でこれについてはまた別の機会に紹介することにしよう。
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