2017年11月27日月曜日

高級ホテルのロビ-にたむろする怪しい人たち(その4) ・ ホテルのスタッフを見事に騙すスキッパーとは?



高級ホテルのロビー
スキッパーとは高級ホテル専門の無銭宿泊者のこと

どんな業界にも一般の人には理解できない業界用語があります。ホテル業界にもそうしたものがあって、特に高級なホテルになるほどその数が多いようです。


なぜなら都市の高級ホテルは、もともと欧米で生まれて発達してきたものが後に日本に入ってきたものだからです。

したがって建物の仕様から、サービスのシステムまで欧米を真似たもので、それらに伴って専門用語も伴って入ってきたのです。

ホテル用語に圧倒的に横文字が多いのもそのためです。

専門用語のほとんどが英語のまま使われています。例えば次のような言葉がありますが、ご存知のものはありましたか?

・ノーショウ(no show)⇒予約客が連絡なしで来ないこと
・ウォークイン(walk in)⇒予約のない飛び込み客
・デイユース(day use)⇒宿泊を伴わない日中だけの利用
・ペイドインアドバンス(paid in advance)⇒料金前払い
・スキッパー(skipper)⇒説明は本文に

想像するところ、これらの用語でお分かりになるとすれば、文字通りの意味のデイユースぐらいではないでしょうか。

いうまでもなく、これらの用語はすべて英語がそのまま入ってきた専門用語です。

さて本題にはいりますが、5つ用語のうち上の4つはさておき、最後のひとつであるスキッパーが今回の記事のテーマです。

スキッパーとは、ホテルを舞台にする詐欺師のことです。

とはいえホテルの客を騙すのではなく、ホテルで働いているスタッフをだますのです。

このブログの過去の記事に「みごとに騙された京都のホテル」という記事がありますが、これを読んでいただければスキッパーがどのようなものか、その全貌がわかります。


高級ホテルこそスキッパーの絶好の活躍場所

スキッパーを簡単に言えば、ホテルの無銭宿泊・飲食サギのことです。つまり何日間もホテルに逗留し、その間の宿泊費や飲食費をまったく支払わらわずに姿を消してしまう人のことです。

街の食堂などの無銭飲食に比べて、金額のスケールが大きいのがスキッパーの特徴です。

それをよく表しているのが前回の記事にある京都のホテルですが、その被害額は実に100万円にも達しているのです。

これだけ大きい金額を騙されるのも、スキッパーの詐欺師としての腕が良いからに違いありません。

彼らはホテル滞在中はスタッフに対しては徹底して紳士的かつフレンドリーに接します。

例えば外出から戻った時はフロントや客室のスタッフにおみやげとしてお菓子屋キャンディなどを買ってくることをわすれません。

それにとても話し好きで、あれこれと話題を見つけては気さくにスタッフにはなしかけます。

それゆえにスタッフとしては親しみを感じ、つい気を許してしまうのです。

しかし、それがスキッパーの思うつぼなので、後でうまく利用されるのです。


ホテルの支払いは後払いが原則

話変わりますが、ホテルの料金の支払いは、一般的には予約客に対しては後払いが原則で、チャックアウト時にまとめて支払うことになります。

とはいえ滞在が長く、通常より支払額が嵩んでいる客に対してはこの限りではなく、途中で支払いを求めることもあります。

ということは、滞在期間の長いスキッパー氏も料金が嵩んで中途請求の対象になることもあります。

なにしろ高級ホテルのことですから、たとえ1週間の滞在でも部屋代だけで10万円近くなり、それに飲食費などを加えると15万円~20万円程度になることは珍しくありません。

こうなるとチェックアウトのまでの中間時点で中途請求の対象になるのです。

でも普段からフロントスタッフとコミニュケーションを良好に保っているスキッパー氏ともなれば、強く請求できるとは限らず

「チェックアウトの時クレジットカードで一括払いにしてください」などと言われると、「了解しました」と二つ返事で請求を即座に引き下げてしまうのです。


かくしてスキッパー氏の勘定はその後も増え続け、スタッフが気がついたときは、スキッパー氏は姿を消してしまっているのです。

これで分かるように、ホテルを狙うスキッパーは、スタッフより一枚も二枚も上手なのです。



併せてお読みください

・高級ホテルにたむろする怪しい人たち(その2)・魅力的なコールガール

・高級ホテルにたむろする怪しい人たち(その3)・詐欺師は舞台を選ぶ

https://tuneoo.blogspot.jp/2017/08/blog-post_10.html

・高級ホテルのロビーは怪しい人たちでいっぱい
http://tuneoo.blogspot.jp/2012/02/blog-post_01.html


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