2018年5月29日火曜日

学校に行かなくても本を読めば勉強はできるが、学校へ行っても本を読まなければ勉強はできない


日本の大学生は圧倒的に読書量が少ない!

米国の大学生の10分の1しか読まない日本の大学生



最近の信頼できる調査(第52回学生生活実態調査)によれば、日本の大学生のうち、1日まったく本を読まない人の割合が49.1%、と報告されています。

これは恐ろしいことです。なぜなら全国民層の中で最も本を読んでしかるべきなのが高等教育を受けている大学生だからです。

にもかかわらず、その半数が1日中、まったく本を読んでいないというのですから、これを恐ろしいと言わずになんと言えばよいでしょうか。

日本の大学生の読書量は米国の大学生の10分の1程度と言われています。つまり米国の大学生が4年間の在学中に400冊読むのに対して、日本の大学生は40冊に過ぎないのです。

google,apple,facebook,amazon,など名だたるIT企業が育ってきた米国に対して、そうした企業をまったく生み出すことができない日本ですが、こうした日米の違いは、まさにこの大学生の読書量の差にあるのです。


日本の大学生が本を読まないのは何故なのか


日本の大学生が本を読まないのは、ズバリ、本を読む力がないからです。つまり能力としての本を読む力を持ち合わせていないのです。

なにごとをするにも能力が要ります。本を読むのも然りで、継続的に本を読むためにはこれがなければできません。

継続して本を読むということは、毎日数時間を読書に充てることです。これを特になすべきなのが高等教育を受けている大学生なのです

大学生にとって、読書はいわば義務と言っても良いのです。しかし能力がないゆえに、この義務はまったくはたされていないのです。

でも日本の大学生にはなぜ本を読む能力がないのでしょうか。

この答えを一言でいえば、大学生になるまでに本を読む習慣が養われなかったからです。


本をよく読むようになるためには 


本をよく読むことようになるためには、まず読書が簡単なことではない、と知ることです。

それを知れば継続的な読書ためには訓練が必要なことが理解できます。



読書の訓練には次の5項の実践から始めることをおすすめ



・読書を義務と考える

本をよく読むかそうでないかは読書に対する考え方によっても違ってきます。

読書を趣味と考える人がいますが、こうした人の読書傾向には偏りがあります。つまり気分次第で読んだり読まなかったりするのです。

こうなるのも趣味だからやりたい時だけやればよい、と考えるからです。

でもこれでは計画的かつ継続的な読書はできません。読書は継続的に行ってこそ価値があるのです。読書を間断なく継続させるために必要なのは読書に対する考え方です。

つまり、気が向いた時だけすればいい、と言うような趣味とするのでなく、何が何でもやらなければいけない、という義務としてとらえるのです。


・本を読む習慣をつける

習慣は第二の天性と言われるように、人は習慣になっていることは自然に行動に移します。

したがって読書が習慣になれば本を読むことが途切れることはありません。

とはいえ、こうなるまでには訓練が必要です。本を読むのを義務と考え、毎日間断なくやっていけば自然に読書が習慣になってきます。


・読書を日課にする

読書を習慣にして継続するためには、毎日やっていかなければなりません。つまり1日たりとも間を置いてはいけないのです。

日課にすればたとえどんな理由があろうとも読書を怠らないのです。

スポーツに筋力トレーニングが必要であるように、頭脳のてトレーニングには読書が欠かせない、考えるのです。


・本をよく読む友人をつくる

人間は周りに影響を受けやすい動物です。したがって読書に関してに良い影響を受けることが必要です。

読書のための良い影響を受けるためには、本をよく読む友人をつくることです。


・読書記録をつける

授業を受けるときはノートをとりますが、読書も勉強ですから読みっぱなしにしてはいけません。読み終えたら読書記録を書くことを習慣にしましょう。

これが貯まっていくと後に読み返すのが楽しいものです。

また読書日記などとして、ブログに書くのも良いでしょう。

2018年5月26日土曜日

愛校心がない人は不幸、というのは何故なのか?

同窓会やっていますか?


街角で時々同窓会帰りらしい年配の人たちの群れを見ることがありますが

そうした時いつも思うことがあります。

それは、この人たち、どうしてこんな歳になっても学生時代の友達とこれほど睦ましく付き合えるのか、という疑問です。

愛校心はいつ、どのように育まれるのか


仮に愛国心、愛社精神、愛校心、この三つのうちで、あなたはどれが一番強いですか?と尋ねられたら、最も多くの答えが集まるのは愛国心でも愛社精神でもなく、最後の愛校心ではないでしょうか。

でも人としては三つのいずれも大切なものですが、なぜ愛校心が一番になるのでしょうか。

その最大の理由は愛校心は育まれる年齢が早いからです。なぜなら愛校心は学校に対して抱く愛情だからです。

学校は誰もが幼少時から通い始め、青年期を経て成人になるまで長い期間所属します。この長い期間に育まれるのが愛校心だからです。

一方愛国心はどうでしょう。こちらの方は学校より長く、生まれてすぐに所属します。

と言うことは愛校心以上に強いのが当たり前のように思えますが、国民が国を愛するのは当たり前のこととも考えられ、あえて言うまでもないことですから、ことさら取沙汰されないのではないでしょうか。

それにナショナリズムと言う言葉があるように、愛国心を強調すれば偏っているともとられかねない風潮があるからかもしれません。

もう一つの愛社精神はどうなのでしょう。こちらは、仕事で所属する職場についての愛情です。

これについては仕事に関係することで愛情の有無には個人差があり、愛国心や愛校心と同列に論じることはできません。


愛校心の有無は同窓会サイト「ゆみとま」の会員登録数を見ればわかる



インターネットには「ゆびとまと」いう同窓会サイトがあります。知る人ぞ知る名の通った歴史のある人気サイトです。

このサイトには日本全国の小学校、大学までがすべて網羅され、各々の学校の会員登録数が明記されています。

このサイトの主な目的は同窓生のネット上での交歓です。つまり、同窓生がネットを通じて近況などを語りあうのです。

このサイトで注目すべきは学校による会員登録数の違いです。

卒業生の数は学校の歴史、学校の規模によって異なります。つまり歴史が長く規模の大きい学校ほど卒業生の累計は多くなると考えられます。

と言うことは、歴史の古い卒業生の多い学校ほど登録数は多いはずです。でも実際はそうとばかり言えないのです。


「ゆびとま」の会員数は学校の偏差値で決まる


仮に高等学校を例に挙げてみましょう。今の高等学校で創立から100年を超えるところはそれほど珍しくなく、全国を見渡せば数えきれないほど多くあります。

言うまでもなくそうした歴史の古い学校ほど卒業生の数が多いのは当然のことです。

この事実を前提にして上述の同窓会サイト「ゆびとま」を見てみましょう。

前述したようにゆびとまはネット上での同窓生の交換サイトです。これに登録すれば自分が卒業した学校の同窓生(卒業生)と交換できる便利で有り難いサイトです。

同窓生と交換するには、できるだけ多くの卒業生がサイトに登録していることが望まれます。

したがって当然のことながら、創立100年以上の歴史の古い学校ほど有利になるはずです。なぜなら卒業生の数に比例して登録者の数も多いと予想されるからです。

しかしそれは甘い考えで、残念ながらゆびとまの登録者数は卒業生の数に比例しないのです。

比例するのは卒業生の数ではなく、偏差値なのです。それを証明するために並べたのが下のデータです。

これは私が住んでいる姫路市の公立高等学校のリストですが、学校名の右側に二つの数字を並べています。初めの数字が偏差値で次がゆびとまの登録数です。

これを見て歴然と分かることはゆびとまの登録数が偏差値の順になっていることです。

偏差値が(70・72)で一番高い姫路西高等学校はゆびとまの登録者が892でトップです。逆にそれが(43)と最も低い姫路別所高等学校の登録者は144名にしかすぎません。

兵庫県姫路市の公立高等学校


学校名           偏差値   ゆびとま登録者数               

網干高等学校           (51)      200
香寺高等学校           (50)      143
飾磨工業高等学校         (46)       72
姫路工業高等学校         (48・55)    207
飾西高等学校           (59・62)   354
姫路商業高等学校         (51・55)    188
琴丘高等学校           (57)      281
飾磨高等学校           (51)      193
姫路高等学校           (64.66)   424
姫路西高等学校           (70・72)   892
姫路東高等学校           (67)      616
姫路別所高等学校          (43)      144
姫路南高等学校           (59)      392

(注)家島高等学校は離島にあり、条件が異なるため除外しています。

何が愛校心を育むのか


愛校心を育むのは、通った学校の教師と友達です。すなわち通った学校での良い先生や良い友達が愛校心の源になるのです。

このことを基本にして考えれば上の高等学校のリストにある数字の意味がよく理解できます。

上のリストによれば、ゆびとまの登録者数は偏差値に比例しており、高い学校ほど多く、低いほど少なくなっています。

これは偏差値の高い学校ほど良い教師や友達に恵まれることを意味していることに他なりません。


愛校心がある人とない人の違いはどこにあるのか

愛校心のあるなしは人によって異なります。ではその違いがどうしてできたかと言うと、原因の多くは学校での良い先生や良い友達に恵まれたかどうかにかかっています。

と言うことは愛校心のある人は先生や友人に恵まれた人で、逆に愛校心のない人は、それらに恵まれなかった人たちなのです。

これを一言で言えば良い先生や友達に恵まれた人とそうでない人の違いです。


これは驚き!年に7回も同窓会に行く人がいる


これは余談かもしれませんが、作家・浅田次郎は多いときで年に7回も同窓会に出席したことがあるそうです。

氏は中高一貫の学校に通ったのですが、生徒同士の結びつきが非常に強く、卒業して30年以上たつ今でも頻繁に同窓会が開催されており、毎回必ず出席しているそうです。

それにしても同窓会が年に7回とは凄いことです。皆さんはいかがですか?








2018年5月23日水曜日

気象予報士やお天気キャスターに馴染めない!


気象予報士の資格者が1万人は多すぎる


テレビを観ていると必ずと言っていいほど天気予報があります。

今ではこの天気予報は多くの場合アナウンサーではなく、気象予報士やお天気キャスターが担当しているのが普通です。

気象予報士の多くはテレビやラジオなどの放送局に所属していますが、すべて合わせるとかなりの人数に達するようですが、いっのたいどれくらいいるのでしょうか。

いま日本には約1万人の気象予報士の資格者がいると言われています。

この数が多いか少ないかと言えば、むちゃくちゃ多いと言っていいのではないでしょうか。

聞くところによりますと、現在日本で必要な数は1000人程度とされています。と言うことは必要数の10倍もいることになります。

この人数の多さは競争を生みます。何の競争かと言えば、言わずと知れた就職のための競争です。

つまり気象予報士として仕事ができる職場への就職です。その就職先で最も人気があるのがテレビ局です。


気象予報士が天気予報をややこしくしている


皆さんは気象予報士の天気予報をどのように評価していますか?私個人としてはあまり良い評価はしていません。

上述のように多くの気象予報士が就職先として目指すのがテレビ局ですが、なかなかの狭き門で入るのは簡単ではありません。

何しろ資格保有者が1万人もいるのですから競争率はかなりのものです。

その厳しい競争を突破して無事就職できても、次には生き残りのための激しい競争が残っています。

この競争を生き残るためには独自性を出さなければいけません。それには目立つことが必要になります。

目立つには人と変わったことをしなければいけません。そのため従来の天気予報にはなかったことを取り入れようとします。

その結果、視聴者にとっては有難迷惑や要らぬおせっかいとも思える発言につながるのです。

この点が今の天気予報が視聴者にとってややこしく聴こえる原因なのです。

この問題ついては以下の項で説明します。


平気で専門用語を使う気象予報士


先日民放テレビの天気予報で、気象予報士が訳の分からない言葉を使っていました。それはダウンバーストというものです。

天気が悪いのはダウンバーストが発生したからだ、というような使いかたをしていました。

これまで長い間天気予報に接してきましたが初めて聞く言葉です。

その後この言葉について何か解説があるかと思っていましたが、まったくありません。したがって後でグーグル検索で意味を調べることになりました。

ダウンバーストは紛れもない専門用語です。これを何の解説もなく使うのは規則違反なのではないでしょうか。

どの業界でも一般の人に対するスコメント発信で専門用語を使うことを禁止しているはずです。


気象予報士は言わなくてもいい余分なことを言っている


人は他人に指示されることを嫌うものです。でも気象予報士は平気でその嫌われることをやっています。

たとえば先日の民放の天気予報ではこんなことを言っていました。

お天気キャスターが「明日は頑丈な傘を持参してください」と言っていたのです。

傘を持っていけ、と言うことだけでも余分なことに思えるのに、雨風が激しくなるので、なるべく頑丈なものを持っていけ、と言っているのです。

今の人は外出の際はなるべく持ち物を軽くしたいと考えています。したがって、少々の雨なら傘も持ちたくありません。

それなのに重たい頑丈なものを持って行け、と指示しているのです。これこそ極めつけの有難迷惑です。

またこんな指示も聞きました。「厚手の服を着てください」というものです。

季節外れの低い気温が予想されるから、だそうです。こんなこと言われなくても誰でも外出の際の服装を気候や気温に合わすことにはじゅうぶん気を付けています。

それに体感温度は人によって異なります。それを十把ひとからげで、「厚手の服を着よ」とは何事でしょうか。

そんなことは気象予報士が注意することではありません。シンプルに、ただ天気予報だけを流していればいいのです。


気象予報士もお天気キャスターも必要ない


上述のようにいま気象予報士の資格を持つ人は多すぎます。少なく見ても必要数の10倍もの人がいるのです。

それに資格を持たないお天気キャスターと呼ばれる人を併せると、テレビに出演するお天気関係の人は数えきれないほど多くなっています。

その数の多さがシンプルでいいはずの天気予報を複雑でややこしいものにしています。

出演者である気象予報士やお天気キャスターが目立とうとして必要のない余分なことまで喋るからです。

こんな天気予報は見たくありません。気象予報士が登場する前のシンプルな天気予報で十分です。

個人的には天気予報番組に気象予報士やお天気キャスターは必要ないように思います。

2018年5月19日土曜日

蔓延するグルメ情報 ! ・うまいものの話はもう聞き飽きた ・ たまにはマズい料理の話でも聞きたい!


これでもか、これでもか、と蔓延するグルメ情報にはうんざり

このところのグルメブームの過熱ぶりはひどいもので、テレビでは連日のように常連のタレントが出演するグルメ関連のバラエティー番組オンパレードです。

うした番組では、出演者たちは出てくる料理に対して、決まったように  うまい!うまい!と、一つ覚えのセリフを連呼しています。

こうした番組が、ひっきりなしにお茶の間に流されていますが、これを見て「バカみたい」と、うんざりしているのは私だけではないでしょう。


グルメやうまい食べ物のテレビ番組はもう見飽きた


しかしテレビはどうしてこれほど食べ物の番組を流すのでしょうか。

ネタ切れで他に番組の良いアイデアがないからでしょうか。それとも食べ物番組は制作費が安くつくからでしょうか。

いずれにしても出演者が「うまい、うまい」と連呼するだけのグルメ番組はもう見飽きました。いい加減に止めてもらえませんか。


たまにはまずい料理の話でも聞きたいと思っているあなたへ


たいていの人はもうおいしいグルメの料理番組は見飽きています。したがってテレビ局はこの辺でそうした番組を減らして、逆に今時珍しいマズい食べ物とか料理を紹介する番組をつくってはどうでしょうか。

今の時代どこへ行ってもうまいものだらけですから、おいしい料理は珍しくありません。

でも今時あまり見られないマズい料理だと珍しさもあって注目されるのではないでしょうか。

それが証拠に、最近読んだ作家・浅田次郎のエッセイ集に、これまで食べた料理の中で最もマズかったものを紹介する記事がとても面白く、かつ印象深く読めました。

ここではそれをご紹介することにします。


作家・浅田次郎が食べた 世にもマズい料理 とは


これは氏の代表作品「鉄道員」がカナダの映画祭にエントリーした時のことです。

映画祭に出席した氏は、関係者にカナダモントリオールの一流フレンチレストランに招待されました。

そのレストランは、モントリオールで最もおいしいディナーを出す店、という触れ込みでした。

その店で同伴者が薦めてくれたものはなんと豚肉のステーキで、しかも焼き方はレア(豚肉のレアなど想像しただけでもマズそう)でした。

出たきたものは500グラムぐらいの豚肉ステーキの上に、なんとてんこ盛りのジャムが乗っていました。

ひとくち口にしただけで、ものすごくマズいことがわかりました。

レアの豚肉は血と消毒液が混じったようなひどい味で、しかもソースは卒倒するほど甘いラズベリージャムなのです。

吐き出しそうになりましたが、なんとか我慢して半分程食べました。でも最後は我慢できず、お手洗いに行って全部吐いてしまいました。


二番目にのまずい料理はオーストリアのチロルで食べた牛モツの煮込みです。

とっておきのチロル料理と紹介されましたが、モツの嫌いの筆者は食べる前から恐れおののいていました。

あんのじょう出てきたものは最悪で、ひも状のものや、紙状のものなど、内臓のどの部分か分からないようなものがいっぱい入っており、誰が食べても不味いとしか言いようのない最悪の料理でした。

ここでも最後にベリージャムのこってり乗ったステーキが出てきました(肉をジャムで食べる習慣は世界のあちこにあるというが)。

氏はこの他にも不味い料理の代表として塩気がまったく感じられないエジプト料理を上げています。







2018年5月15日火曜日

東大生はこんな本を読んでいる・東大教師が新入生に薦める100冊とは?



東大生はどんな本を読んでいるのか?

電車などの乗り物の中で本を読んでいる人を見ると、「この人どんな本を読んでいるのだろう?」と、本のタイトルが気になることがありませんか?

私はよくあるのですが、特に美人女性が読んでいる本となると、よけい気になります。

女性の美人でなくても、もし読んでいる人が東大生なら、これはもう、どんなことをしても本のタイトルが知りたい。こう思うのは私だけではないでしょう。

本を読まない大学生が多い昨今ですが、この人たちだけは別、と言われるほど読書をよくする東大生ですが、いったい彼らはどんな本を読んでいるのでしょうか。

東大教師が新入生に薦める100冊はこれ

  1. カラマーゾフの兄弟(フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー)
  2. 量子力学(レフ・ダヴィドヴィッチ・ランダウ)
  3. 線型代数入門(斎藤正彦)
  4. The Universe of English/The Expanding Universe of English(東京大学出版会)
  5. オリエンタリズム(エドワード・W.サイード)
  6. プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(マックス・ヴェーバー)
  7. 解析入門(セルジュ・ラング)
  8. 邪宗門(高橋和巳)
  9. 物と心(大森荘蔵)
  10. ゲーデル、エッシャー、バッハ(ダグラス・R.ホフスタッター)
  11. チベット旅行記(河口慧海)
  12. ホーキング、宇宙を語る(スティーヴン・ウィリアム・ホーキング)
  13. ワンダフル・ライフ(スティーヴン・ジェー・グールド)
  14. 解析概論(高木貞治)
  15. 緊急時の情報処理(池田謙一)
  16. 現代政治の思想と行動(丸山真男)
  17. 根拠よりの挑戦(井上忠)
  18. 視点(宮崎清孝)
  19. 自由からの逃走(エーリッヒ・フロム)
  20. 心の科学は可能か(土屋俊)
  21. 人間を幸福にしない日本というシステム(カレル・ファン・ヴォルフレン)
  22. 世界の名著(中央公論新社)
  23. 想像の共同体(ベネディクト・アンダーソン)
  24. 歎異抄(金子大栄)
  25. 知るということ(渡辺慧)
  26. 中島敦全集(中島敦)
  27. 読むということ(御領謙)
  28. 日常言語の推論(坂原茂)
  29. 認知とパフォーマンス(梅本尭夫)
  30. 夜と霧(ヴィクトル・エミール・フランクル)
  31. 利己的な遺伝子(リチャード・ドーキンス)
  32. 理科系の作文技術(木下是雄)
  33. 理解とは何か(佐伯胖)
  34. コンピュータのパターン認識(長尾真)
  35. ヨーロッパ文明批判序説(工藤庸子)
  36. 「きめ方」の論理(佐伯胖)
  37. 20世紀システム(東京大学社会科学研究所)
  38. サーカスが来た!(亀井俊介)
  39. フィールドワーク(佐藤郁哉)
  40. 仮面の解釈学(坂部恵)
  41. 危機の二十年(エドワード・ハレット・カー)
  42. 貴族の徳、商業の精神(川出良枝)
  43. 吉田秀和全集(吉田秀和)
  44. 魂のライフサイクル(西平直)
  45. 栽培植物と農耕の起源(中尾佐助)
  46. 罪と罰(フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー)
  47. 三四郎(夏目漱石)
  48. 史的システムとしての資本主義(イマニュエル・ウォーラーステイン)
  49. 職業としての政治(マックス・ヴェーバー)
  50. 信頼の構造(山岸俊男)
  51. 新しい世界史(東京大学出版会)
  52. 神谷美恵子著作集(神谷美恵子)
  53. 図集日本都市史(高橋康夫)
  54. 生命とは何か(エルヴィン・シュレーディンガー)
  55. 戦争と平和(レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ)
  56. 荘子(荘子)
  57. 損害賠償法の理論(平井宜雄)
  58. 大衆教育社会のゆくえ(苅谷剛彦)
  59. 知的複眼思考法(苅谷剛彦)
  60. 徒然草抜書(小松英雄)
  61. 南方熊楠(鶴見和子)
  62. 日本人の英語(マーク・ピーターセン)
  63. 認知科学選書(佐伯胖)
  64. 認知心理学(東京大学出版会)
  65. 脳のなかの幽霊(V.S.ラマチャンドラン)
  66. 悲の器(高橋和巳)
  67. 碧巌録(克勤)
  68. 保全生物学(樋口広芳)
  69. 方法序説(ルネ・デカルト)
  70. 夢みる権利(桑野隆)
  71. 夢判断(ジークムント・フロイト)
  72. 明治憲法体制の確立(坂野潤治)
  73. 論理哲学論考(ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン)
  74. 侏儒の言葉(芥川龍之介)
  75. 知の技法(小林康夫)
  76. 美しきもの見し人は(堀田善衛)
  77. ご冗談でしょう、ファインマンさん(リチャード・フィリップス・ファインマン)
  78. トムは真夜中の庭で(アン・フィリッパ・ピアス)
  79. はてしない物語(ミヒャエル・エンデ)
  80. ぼくを探しに(シェル・シルヴァスタイン)
  81. モモ(ミヒャエル・エンデ)
  82. 完全な真空(スタニスワフ・レム)
  83. 吉里吉里人(井上ひさし)
  84. 君たちはどう生きるか(吉野源三郎)
  85. 朱子学と陽明学(島田虔次)
  86. 春の戴冠(辻邦生)
  87. 新幹線をつくった男島秀雄物語(高橋団吉)
  88. 親鸞(丹羽文雄)
  89. 人間臨終図巻(山田風太郎)
  90. 星の王子さま(アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ)
  91. 蝉しぐれ(藤沢周平)
  92. 大聖堂(ケン・フォレット)
  93. 誰のためのデザイン?(ドナルド・A.ノーマン)
  94. 不滅(ミラン・クンデラ)
  95. 棒がいっぽん(高野文子)
  96. 竜馬がゆく(司馬遼太郎)
  97. ゲド戦記(アーシュラ・K.ル・グイン)
  98. コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)
  99. ファウンデーション(アイザク・アシモフ)
  100. 論理トレーニング101題(野矢茂樹)


この中であなたが興味の湧く本は何冊?


いかがですか、このリストを見てあなたはどう思いましたか。また興味が湧く本はどれくらいありますか?

興味のある本が多いほど東大生の頭脳に近づく、と言うのは少し言い過ぎかもしれませんが、読む本の好みが少しでも東大生に近づくことは喜ばしいことに違いないはずです。

リストを眺めて思うのは、流石に東大生が読む本で、近づき難いタイトルが多く、本好きを標榜する身ながら食指の動くものはそれほど多くありません。

とはいえ中には一般的な小説も含まれているのは見逃せません。

例えば96の「竜馬が行く」をはじめ、98の「コインロッカーベイビーズ」、91の「蝉しぐれ」など人気小説もかなり含まれており、東大生と言えども、こと小説の嗜好に関しては一般人とそれ程違わないように思えます。

そんなこんなの感想ですが、個人的には全体の4分の1の25冊程度、読んでみたい本がありました。

このリストを見て東大生とオノレの頭脳の違いを思い知る


全体の4分の1に興味が湧いたとはいえ、残り4分の375冊あまりには興味がわかない事実を前にすると、東大生と己の頭脳の違いを思い知らされ、いささか悲しい気持ちがしないではありません。

でもその反面、なんとか25冊の興味が湧く本があったのは幸い、という気もします。

何はともあれ、東大生という日本の最高頭脳集団の読書傾向が知れたことは、今後の読書を進める上での一つの指針になります。

2018年5月12日土曜日

これで売れる小説の書き方が分かった!・書評「エンタテインメントの作り方」 貴志祐介 角川新書



著者は人気ベストセラー作家

著者・貴志祐介は京都大学卒業後、保険会社のサラリーマンを経て作家になった異色ですが

発表した作品は日本ホラー小説大賞、日本推理作家協会賞、山田風太郎賞などを次々に受賞し、多くの作品がはベストセラーになり読者に愛されています。

エンターテインメント小説で数々の賞を受賞したベストセラー作家だけに、この本に書かれていることには信憑性に裏打ちされた強い説得力があります。

小説の書き方というジャンルでは、これまで数えきれないほどの作品が出ていますが、実用性、即効性という点で、この本は間違いなくおすすめできる一冊です。



タイトルが「書き方」ではなく、「作り方」になっている点に注目


前述のように小説の書き方を指南する本は、これまで数えきれないぐらい沢山出ています。ちなみに私の本箱にも10冊ぐらいはあります。

こうした本で注目すべきは、ほとんどがそのタイトルの末尾が「書き方」になっている点です。

ちなみに私の本棚に並んだものを見ると

ベストセラー小説の書き方(朝日新聞社)

・ミステリーの書き方(講談社)

・ノンフィクションの書き方(講談社)

・ロマンス小説の書き方(講談社)


など、すべてタイトルの終わりは書き方になっています。

これで分かるとうり、この手のハウツー本は、タイトルの末尾が書き方で終わるのが普通です。

ところが今回ご紹介する本はそうではなく「エンターテインメントの作り方」というふうに末尾が「作り方」になっているのです。これを小さな違いですましてしまうわけにはいきません。

なぜならこの違いには大きな意味があるからです。

その意味は、前提として「エンターテインメント小説は面白くなくてはいけない」という至上命題にあります。

だからこそ、単に小説を書けばいいのではなく、その先に、まず面白いプロットをつくらなければいけないのです。

何度も言いますが、エンターテインメントにおいてプロットは命です。これがうまく作れてこそ、読者の支持を得た売れる作品ができるのです。

タイトルを作り方としているのは、プロットをはじめとした作品の重要な要素をいかにクリエイトしていくかという創造のプロセスの重要性を表すためなのです。


これは凄い!120枚にも及ぶプロットの下書


上述したように小説が面白いかどうかはプロット次第と言っても過言ではありません。したがってどの作家もプロット作りには最も時間をかけて真剣に取り組みます。

著者はプロットづくりには特に時間をかけ綿密に行っており、ある作品ではプロットの下書きが原稿用紙120枚ににも及んでいます。これは中編小説一冊の原稿の量です。

その内容の一部が本文中に載っていますが、その書き方を知ることは、これから作家を目指す人にとっては願ってもない手本になります。

プロットこそ小説の命です。この書き方を学ぶことが小説家への大切な大切な道のりなのです。


着想法、プロット、登場人物、背景など、書き方を項目別に並べて詳しく解説


面白いエンターテインメントの決め手はプロットです。でもこの本で指南されるのはそれだけではありません。

プロットとともに、アイデアの着想法、登場人物のキャラクター設定、物語の背景の書き方、文章作法、遂行の方法、小説の技巧など、小説を取り巻くあらゆる要素についてが細かく述べられています。

上記の点について、いずれのテーマも解説が説得力に満ちているのは、すべてがベストセラーになった著者の作品を元にして書かれているからです。

たとえば前述のの120枚に及ぶプロットの下書きは、氏の代表作の一つである「悪の教典」を元にしたものです。

説得力があるのは、この作品がベストセラーになり、さらに映像化されたエンターテインメントだからなのです。

この作品がどれくらい売れたかと言いますと、映像化された2012年当時は、1週間で5万部近くの売上を記録しています。

今回の「エンターテインメントの作り方」はこうした作品の執筆を元にしたものですから、説得力がないはずがありません。


エンターテインメントの作り方(もくじ)


第一章 アイデア
アイデアは降ってこない/「もし○○が××だったら」という発想を持て/アイデアの“消費期限”/想像力の限界に挑む/防犯探偵・榎本のモデルとの出会い/アイデアの磨き方/物語に没入した原体験/初めての小説執筆体験/デビュー作『ISOLA』を書いたときのこと/『黒い家』の発想はこうして生まれた/職場は最高の情報源

第二章 プロット
/冒頭、クライマックス、結末の三点を決める/ストーリーには複数の“エンジン”が必要/「どんでん返し」という構成のリスク/すべての判断基準は“面白いかどうか”/ベストの舞台を選べ/実在の地名を使うか、架空の地名を作るか/『新世界より』の舞台が一〇〇〇年後の日本だった理由/「主題」にとらわれるな/小説の題材にタブーはあるか?/タイトルのつけ方/本格ミステリを書く際の独特のセオリー/一二〇枚に達した『天使の囀り』のプロット/プロットにこだわりすぎるな/フィクションにも“論理”が必要だ/プロットが完成したら検証せよ/現場の空気を感じとれ/情報は精度が命/トリックに著作権はないが…/集めた情報の使い方

第三章 キャラクター
/登場人物の命名には気をつけろ/キャラクターの「声」をイメージする/「引き算」の手法で設計された蓮実聖司/キャラクターの弱点は魅力となる/主人公は作中でどう呼ばれるべきか?/「悪役」だから許されること/男性が女性を描くことの難しさ/名作に見るキャラクター設計の妙/“ワトソン役”のルール

第四章 文章作法
/自分の筆の“癖”を知ること/“一行目”をどう書き始めるべきか/エンタテインメントは読みやすさが命/漢字の乱用に注意せよ/改行の適切なタイミングは?/基本は三人称一視点/リーダビリティの正体/“一気読み”を狙った『悪の教典』/メリハリを利かせる工夫/セリフに頼りすぎるな/ジャンルによって文体は変えるべきか?/カッコいい文章を目指すな/長編小説を書き上げるために必要なこと/そのネタは長編向きか、短編向きか/筆を止めさせないコツ

第五章 推敲
/小説の手法は「水墨画」ではなく「油絵」/推敲時のチェックポイント/文章の贅肉を削ぎ落とす快感を知ろう/“ご都合主義”に陥らないための注意点/生みの苦しみ、死の苦しみ

第六章 技巧
/読者の感情移入を促す仕掛け/効果的な場面転換とは/「作中作」の活用法/「会話」のなかで気をつけたいこと/リアリティを演出するために/テクノロジーや文化をどこまで追いかけるか/象徴的モチーフの効果/トリックに頼りすぎてはいけない/映画や漫画から手法を盗め 等