2018年5月7日月曜日

だから振り込め詐欺に狙われる!・高齢者がお金を貯めこむのは良くないことなのでは?


高齢者が持つ大金・二つの疑問


つい少し前の4月にも東京の90代の女性が振り込め詐欺に5千万円以上という驚くほどの大金をだまし取られたことが読売新聞電子版で大きく報道されていました。

高齢者が振り込め詐欺に騙されお金を取られるこうしたニュースに触れるたびに思うことは次の2点です。

・高齢者がよくもこれほどの大金を持っているものだ
・高齢者が大金の取り扱いを自分一人でできることは問題だ

この2点こそが、高齢者が振り込め詐欺に狙われる原因なのです。振り込め詐欺を無くすには、まずこの2点を解消することです。

高齢者はお金を使わない


よくファイナンシャルプランナーと称する人が情報サイトなどの記事に「老後資金に1億円必要」などと書いているのを目にします。

こんなことを書く人は高齢者の本当の実情を知らない人ではないでしょうか。

およそいろいろな年代の人で高齢者ほどお金を使わない人種はいません。使わないというより、使いたいと思わない、と言った方が適当かもしれません。

要するにたいていの高齢者は、お金を使うことに積極的ではないのです。

これは、これまでに散々お金使ってきたため、もう飽きてしまったのかもしれません。

今時の高齢者の多くは、「生活できればそれでいい」と考えており、必要最低限のお金しか必要ないと思っているのです。

そんな人たちの老後に、どうして1億円ものお金が必要と言うのでしょうか。


高齢者が大金を持たない方が良い理由とは


上でも書きましたが、高齢者が大金を持つことのデメリットは次の3点です。

・振り込まサギに狙われる
そもそも振り込め詐欺がここまで横行するようになったのは、高齢者がお金持ちになったからです。昔のように高齢者が貧乏であればこんな犯罪は起こりません。
高齢者が大金を持っている以上振り込め詐欺はなくなりません。


・お金が世の中に回らない
高齢者は他の年代の人に比べるとうんとお金を使いません。欲望が少ない上にお金を使うことに飽きているからです。したがっていくらお金を持っていても、銀行預金や、タンス預金のままで、お金は世の中に回らず経済のために何の役にも立ちません。


・やらなくても良いお金を子供や孫にやってしまう
いま相続対策で子供や孫にお金を譲る高齢者が増えています。しかし貰う方は、当然の事と捉え、それほど感謝の気持ちをもちません。それどころか、あぶく銭の感覚で無駄遣いしてしまい、結局金銭感覚を狂わせる原因になるだけで終わってしまうかもしれません。


老後資金には1億円必要!などと蓄財を煽るのは誰か


上でも書きましたが、ファイナンシャルプランナーなどと称する人による高齢者のお金に関する記事には、「これからの老後には1億円必要」というような、驚くべきタイトルを掲げたものを見ることがあります。

こうした記事をよく見ると、バックに保険会社や、信託銀行などが付いていて、そこに煽られていることがわかります。

要は老後には1億円必要だから、保険や信託で資産形成にはげめ、と宣伝するための記事なのです。

しかしどう考えても老後に1億円必要という発想はバカげています。いったいなぜ高齢者にそれほどのお金が必要だと言うのでしょうか。

病気の備えるということもありますが、たとえガンなどの大病にかかったとしても、病院の費用はおおかた健康保険でまかなえ、大金が必要ななることはますありません。

また介護の世話になったとしても、介護保険があれば自己負担はそれほどかかりません。

したがってどう考えても億がつくようなお金が必要になることはないのです。

ましてやたいていの高齢者には年金があります。それが15万~20万円程度の平均的な額であれば老後生活のお金に困ることはないはずです。


高齢者はどれくらいお金を貯めこんでいるのか


高齢者はお金を使わないから、多額のお金を貯めこむ必要がない、ことについては上にも書きました。

でも実際には、必要のない多額のお金を身の回りに置いている人は少なくありません。

振り込め詐欺に多額のお金を騙し取られている例を見てもそれがよくわかります。

では、高齢者はいったいどれくらいのお金を持っているのでしょうか。

高齢者世帯の平均貯蓄額は2千万円以上?

総務省統計局による最近の家計調査によりますと、高齢者世帯の平均貯蓄額は2千万円以上となっています。

人々の実感としては、本当にそんなに持っているのか、と思う人も多いかもしれませんがこのデータは総務省統計局の家計調査によるもので、政府が政策を決めるための基本データの1ですから確かなものです。

貯金だけではありません。これにプラスして、平均月額145千円の厚生年金を受け取っています。

これは現在、厚生年金を貰っている約1,568万人の平均で間違いない数字です。

いかがでしょうか。はたしてお金を使わない高齢者にこれだけのお金が必要でしょうか。

これだと貯金はますます増えていくように思われますが。


振り込め詐欺がなくならないのは高齢者が必要のないお金を持っているから


警察の厳しい取り締まりにもかかわらず、高齢者から多額のお金を巻き上げる悪質犯罪である振り込め詐欺が一向になくならないのは何故なのでしょうか。

その最大の理由に挙げられるのが、犯人たちによる≪振り込め詐欺の正当化≫です。

振り込め詐欺の正当化とは、振り込め詐欺をやっても良いこと、と考えることです。

こう考えることによって、犯人たちに罪の意識は芽生えず、良心も傷まないのです。

詐欺師がこう考えて犯罪に走るのも、つまるところ高齢者が必要のないお金を身の回りに置いているからです。

なお、この問題については当ブログの先月(4月)の記事に詳しく書いていますから、そちらをご覧ください。

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