2020年2月13日木曜日

「させていただきます」が口癖になっている人は危うい


 ランチにはうどんを食べさせていただきました
 散歩中に公園のベンチに座らせていただきました
 仕事帰りに居酒屋に行かせていただきました


「させていただきます」をよく使うのはどんな人たち?

テレビを見ていていやに思うのは出演者の言葉遣いに違和感を感じるときです。

出演者と言っても言葉の教育をよく受けているアナウンサーにはあまりないのですが、多いのはバラエティ番組の出演者です。

彼らがよく発する「~させていただく」という表現がとても嫌いなのです。

普通に能動態で「~します」と言えばいいのに、何かにつけて受け身(受動態)の形の「させていただく」を使うのです。


「させていただく」が口癖になっている人とは

テレビのバラエティ番組の出演者には「させていただく」が口癖になっている人が少なくないようです。

そうした人たちの心の内を考えてみると、だいたい以下のように分類できるのではないでしょうか。


・自信のない人
物事に自信がない人は言葉にもそれが出てしまいます。物事に対してきっぱり「~します」と言い切る自信がないので、つい受身形の「させていただく」になってしまうのです。
こう言っておけば自分の意志だけでなく、他の力が働いて行動したようにも取れ、責任逃れができると思うのです。
こうした人が「させていただく」を使い続けると、いつまでたっても自信はつきません。

・人におもねる人
おもねる(阿る)とは、機嫌をとってその人の気に入るようにするへつらう追従(ついしょう)する、などのことをいいます。どれも良いこととは言えません。
「させていただく」という表現にはその姿が丸見えなのです。人に対してこうおもねっておけば、自分に良い結果を招く、と考えているのです。
こうした人の姿は傍で見る心ある第三者にはとても醜く映るものです。

・下心のある人
おもねるを別の言葉で言えば「下心」です。下心は言葉の裏にある「良からぬ考え」のことです。
「させていただく」という言葉にはこの下心が感じられて仕方がありません。

・国語力が弱い人
上でアナウンサーは「させていただく」を使わない、と書きました。言葉のプロであるアナウンサーは言葉についてよく教育を受けており、正しい言葉遣いを知っているからです。
とすれば「させていただく」をよく使う人は、言葉の教育が足りない国語力の弱い人と言えるかも知れません。


「させていただく」という言葉を蔓延させたのはいったい誰だ

これはもう言うまでもありません。「させていただく」という言葉を今のように広めたのは、バラエティ番組を主としたテレビ出演者です。

バラエティ番組は今や人々に飽きられてしまっていますが、正しい言葉遣いを取り戻す意味からも、早くなくなってくれればと願っています。


「させていただく」は芸能人の営業用の言葉?なのか

実はかねてより、「させていただく」はバラエティ番組など、テレビによく出演する芸能人の営業用の言葉だと思っています。

つまり「させていただきます」と言っておけば、角が立たず謙虚に聞こえ、営業に役立つと考えているのです。要は次々と仕事を貰いたいがために、こう言っているのです。

したがって正しい言葉遣いなどは考えもせず、ひたすら営業用トークの便利な言葉として使っているだけなのです。


アナウンサーは「させていただく」は使わない

同じテレビ出演者とはいえ、アナウンサーに限っては「させていただく」を使う人を見たことがありません。

さすが言語のプロだけあって正しい言葉遣いの教育をよく受けているからに違いありません。

バラエティ番組を筆頭に最近のテレビ番組には失望を感じることが多いのですが、そんな中にあってアナウンサーの正しい言葉遣いは唯一の慰めです。

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