2010年9月23日木曜日

ビートルズ余聞

少し古いが、1991年発行の「講談社英語文庫」の中のボブ・グリーン著「チーズバーガーズ」という文庫本に「ビートルズ」にまつわるおもしろい話が載っている。

英語文庫だから、もちろん英語で書かれているのだが、比較的平易な英文なのでそれほど高い英語力がなくても読める文庫である。

全部で27の作品が載っているのだが、その最後の27番目がこの作品である。

タイトルは

「The Strange Case Of The Beatles’Bedsheets」というもので、訳せば「ビートルズの使ったベッドのシーツをめぐる不思議な話」というような意味である。

話の内容はこうである。

ビートルズが1964年に最初のアメリカ公演をした時のことである。

その頃のビートルズの人気と言えば実にすさましいもので、「彼らの触れたモノはすべて金になる」と言われるほど、人を超えてまさに神ともあがめられるほどのスーパーヒーローであったのだ。

その人気に乗じて一儲けしようと企んだのはシカゴのテレビ局に勤める2人の若いディレクターであった。

そこで彼ら、リッキーとラリーは一策を講じた。

そしてまずビートルズの泊ったデトロイト、カンサスシティの、2ヶ所のホテルのマネージャーと交渉して、彼らが宿泊した部屋のベッドのシーツとピローケースを支配人の証明書付きで、いくばくかのお金を払って譲り受けた。 

その後そのシーツとピローケースを一インチ四方の大きさに切ってその数164,000枚の布切れを作り、それを証明書つきで、一枚一ドルで売ることにしたのである。

うまくいけば一挙に164,000ドルの大金を得ることができると、彼らは試算していた。

まずそこまではアイデアとしても悪くなかった。

しかし彼らの期待をよそに、それらの価値ある?「布キレ」はまったく売れなかったのである。

二人は「こんなにすばらしいアイデアがなぜ駄目だったのだろう」と、その原因について考えてみた。

世の中にビートルズのニセモノのキャラクター商品があふれすぎていて、これが本当にビートルズが使ったシーツの布切れだと信じてもらえなかったのだろうか、

彼らはそんなことも理由として考えていた。

さらに悪いことには、ビートルズの弁護士から「断りもなくビートルズを商売に利用した」と違反を通告する書面が送られてきたのだ。

二人はせっかくの金儲けのアイデアが実らなかったばかりでなく、物心両面で大きな損失を被ったのである。



(内容は抜粋)

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