気がついてみると、このところもう随分長い間、いわゆる「ペーパー辞書」なるものをひいた記憶が無い。
国語辞典、漢字辞典、英和辞典、四字熟語辞典など、これらすべてをこのところずっとネットのgoogle 検索で済ましている。
私の本棚にはもう長いこと手にとられたことがない、部厚い国語中辞典、英和中辞典、現代英英辞典、実用六法全書などが少し埃をかぶったまま鎮座している。
ネットのせいでほとんど出番のなくなっているこれらの「紙の辞書類」も考えてみれば哀れである。
購入するときの一冊づつの価格を考えてみても、決して安いものではなく、上記4冊だけでも2万円をゆうに超てえいるのである。
それらすべてが、今や無用の長物になりかけているのである。
「google検索」ならずとも今やネットに載ってない辞書は無く、膨大な量を誇るあの六法全書でさえ完璧に近い形で掲載されているのである。
しかもそれらは好きなときにすべて無料で簡単なクリック操作一つで利用できるのである。
ネット利用者のほとんどが今こういう状況にあるとすれば、これは辞典出版社にとっては存亡にもかかわる一大事である。
おそらく今、生き残る為の大きな経営戦略の変更を余儀なくされていることであろう。
でも当方としても、これら紙の辞書にまったく愛着がなくなったわけではなく、目にする度に「使わなくては」という一抹の愛惜の念は涌くのだが、でもクリック一つですばやく活用できるネット辞典の利便性には勝つことはできず、その思いが実行に及ぶことは今のところ無いようだ。
以前のブログ、「インターネットは物の価値を奪うのか」でも触れたが、そのときは対象が音楽CDや文学全集などの本についてであったが、この辞書については直接触れてはいなかった。
だが、考えてみるとこの紙の事典類こそ、ネットに価値を奪われる大きなの対象のひとつなのではなかろうか。
人々がこれまで長い間手にしてきた紙の辞書が、まず第一段階でポータブル電子辞書にその座を脅かされ、そして今、第二段階でインターネットに、今度は完璧に近い形でその存在を危うくされているのである。
でももうここまでくれば、時代の流れゆえの致し方ないことで、この「ペーバー辞書」が脚光を浴びることは二度と無いと思わざるを得ないような、いまや決定的な変革期を迎えようとしているのではないだろうか。
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