拡大を続ける世界の軍事費
アフガニスタンをはじめ、世界の一部の地域では依然として紛争が続いているとはいえ、総じて言えば、今は米ロのいがみあいもなく比較的平和な時代である。
しかし、そうした世界の状況に反して、各国の軍事費だけは一向に減ることなく、むしろ増える傾向にあるのはどういうわけであろうか。
この10年の間だけでも、世界の軍事費は50%近く増加しているという。
一時は米ロで競って軍縮を叫んでいたものの、その割には一向に数字に表れてこないないではないか。
2008年度の世界の軍事費は実に1兆5310億ドル(約140兆円)に達しているという。その中で米国が桁違いに多く、全体の43%で約60兆4000億円だという。
この額は、このところ急激な伸びで軍事大国2位にのし上がってきた中国の9兆1000億円の7倍近くもあるのである。
また注目すべきことは、永世中立国で名高いあのスイスでさえ驚くべき額(年4000億円ほど)の軍事費をもとに強大な軍事力を保有しているのである。
参考までにその軍事力に関する数字を下に挙げておくことにする。
スイスの軍事力
人口 745万人
兵力 約3400人
+予備役兵39万6300人
主力戦車 レオパルト2
380輛
戦車総数 750輌
装甲車 1800輛
各種火砲 14650門
ヘリコプター 60機
作戦機総数 153機
一見、平和を標榜するかのような今の世界ではあるが、こうした軍事費の膨れ上がった様子からは、将来的にも安泰で、平和を維持できるという保証は何もない。
望むべくはやはり世界各国の軍縮競争でしかない。
■世界各国の軍事費ランキング(2008年)
1位(6070億ドル) アメリカ
2位( 849億ドル) 中国
3位( 657億ドル) フランス
4位( 653億ドル) 英国
5位( 586億ドル) ロシア
6位( 468億ドル) ドイツ
7位( 463億ドル) 日本
8位( 406億ドル) イタリア
9位( 382億ドル) サウジアラビア
10位(300億ドル) インド
※ストックホルム国際平和研究所SIPRI調べ
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