尖閣”一触即発” 中国の圧力を跳ね返すことが出来るのか
タイトルやサブタイトルは尖閣をめぐる緊迫した最近の日中関係の様子をよく表していて非常にセンセーショナルである。
だがこの本は内容のある非常に真面目な読み物に仕上がっている。
あまりの内容の充実ぶりに、私個人としては中学や高校の社会科の副読本にしたらどうかとさえと思っている。
これほど尖閣列島についてよく取材して書かれた書物も他にはあまりないのではあるまいか。
尖閣の歴史、日本へ帰属になった時期や経緯、それに現在の島の様子などが実によく書かれている。
日中が尖閣にこだわる理由についてもよく書かれているが、特に中国の尖閣に対する執拗とも思える執念についてが実によく書かれている。
そのひとつが潜水艦基地建設の野望である。
次にご紹介する一節は尖閣の島の内部や海岸の様子などについて書かれた箇所である。
次にご紹介する一節は尖閣の島の内部や海岸の様子などについて書かれた箇所である。
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海上からの調査では限界があったのですが、小型作業船に乗り30分ほど経過したときに、山の斜面から流れる一条の滝を見ることができました。
滝の落差は約3メートルと推測されましたが、小さな渓流を伝い海へと流れ落ちていました。このような水場を合計6ヵ所確認したことで、人が居住することがじゅうぶん可能であることが判明したのです。
そして島の海岸線には巨大な洞窟や奇岩が点在し、サンゴが豊富に存在し、ウミガメが数匹海面に漂うなど、自然の宝庫ということが分かり、観光資源としても有望な島でした。
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どちらかといえばこの種の本は硬い文章で書かれたものが多く、中には読みにくいものがあるのだが、この本に限っては上の文章にように平易で非常に分かりやすい記述になっている。
その点も好感が持てる理由である。
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他の書評より
サブタイトルが示す通り、日本固有の領土である尖閣諸島(沖縄県石垣市)の侵略をたくらむ中国にどう対抗すべきかを説く。
日本政府の「大人の対応」「事なかれ主義」では多くのものを失うと警鐘を鳴らし、一刻も早く中長期的な戦略を立てる必要性を主張する。
漁師の格好をした中国の武装民兵が尖閣に上陸したらどうするのか? 迫り来る尖閣の危機を、どう解決に導くか、などを分かりやすく解説している。
海洋政策の第一人者(山田)と軍事ジャーナリスト(井上)の対談も収録。それぞれの視点から中国を大いにたたく。
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「尖閣一触即発」
山田吉彦、井上和彦 共著
実業之日本社
1260円
(も く じ)
プロローグ 次のステップは漁民による尖閣諸島上陸
第1章 尖閣諸島を巡る駆け引きの真実
第2章 浮足立つ中国首脳部
第3章 尖閣諸島を諦めたら、日本人すべての生活が奪われる
第4章 したたかな中国の侵略計画
第5章 領土、領海を守らなければ、日本の未来はない
第1章 尖閣諸島を巡る駆け引きの真実
第2章 浮足立つ中国首脳部
第3章 尖閣諸島を諦めたら、日本人すべての生活が奪われる
第4章 したたかな中国の侵略計画
第5章 領土、領海を守らなければ、日本の未来はない
著者について
山田吉彦
1962年千葉県生まれ。東海大学海洋学部教授、博士(経済学)。海洋政策研究財団客員研究員。学習院大学経済学部を卒業後、金融機関を経て、日本財団に勤務。多摩大学大学院修士課程、埼玉大学大学院経済科学研究科博士課程修了。専門は海洋政策、海洋安全保障、現代海賊問題、国境問題、離島問題
井上和彦
1963年滋賀県生まれ。ジャーナリスト。法政大学社会学部卒業。軍事・安全保障・国際政治問題を中心に月刊誌などで執筆活動を行なうほか、『日本文化チャンネル桜』(スカパー!)の「防人の道今日の自衛隊」でキャスターを務める。『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)などのテレビ番組でも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1962年千葉県生まれ。東海大学海洋学部教授、博士(経済学)。海洋政策研究財団客員研究員。学習院大学経済学部を卒業後、金融機関を経て、日本財団に勤務。多摩大学大学院修士課程、埼玉大学大学院経済科学研究科博士課程修了。専門は海洋政策、海洋安全保障、現代海賊問題、国境問題、離島問題
井上和彦
1963年滋賀県生まれ。ジャーナリスト。法政大学社会学部卒業。軍事・安全保障・国際政治問題を中心に月刊誌などで執筆活動を行なうほか、『日本文化チャンネル桜』(スカパー!)の「防人の道今日の自衛隊」でキャスターを務める。『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)などのテレビ番組でも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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