夜のゴールデンタイムにテレビを見ていたら2時間ぐらいの間に一つのチャンネルで消費者ローンのCMが3度も流れていた。
そのうち一つは大手都市銀行のカードローン、後の二つは大手消費者金融のものであった。
でもこれら2つ消費者金融にしても今ではそのいずれもが大手銀行の系列になっている。
ということはこの夜CMを流していた3つの会社はすべて銀行関係ということになる。
これで分かるように消費者金融業界も貸出金利が低くなっている今では、安い金利で大量に資金を調達できる銀行系列しか経営が成り立たなくなっているのに違いない。
その証拠に以前は大手と呼ばれるところも数社が姿を消してしまい、今ではその名前も聞くことはない。
要するにいま残っているのは銀行の傘下に入って経営基盤を固めたところだけのようである。
盛んになってきた消費者金融の海外進出
ところでこうした銀行傘下の消費者金融の会社も、今後の国内での成長は限界が見えたのだろうか、このところ各社とも海外進出に対する戦略を強化しているようである。
海外に進出する企業は今では製造業だけではなく、流通、保険などのサービス業にも広く及んできているが消費者金融も例外ではないのだ。
いまこの分野で最も積極的に海外展開をはかっているのは、三井住友銀行グループのプロミスではないだろうか。
週刊ダイヤモンドの記事によれば、同社は先に進出している「プロミス香港」を拠点にして、2010年に中国南部の深せんに子会社を設立し、その後北部の瀋陽にも拠点を作っており、2011年度までに貸付残高を200億円近くまで伸ばしている。
海外での経営のメリットはなんと言っても貸出金利が高いことである。いまの中国での金利は26%ぐらいで、返済期間である1年間の粗利は実に50%にも及ぶという。
顧客の獲得もすこぶる順調で、深せんの店舗では一時は行列ができるほどの人気だったという。
プロミスだけではない。今では三菱東京UFJ銀行系列になっているアコムは、1990年代という随分早くからタイに進出をして金融事業の展開をはかっている。
今ではタイだけでなくインドネシアにも進出して消費者金融のをさらなる拡大に努めている。
また新しく新生銀行傘下になったレイクも東南アジアなどへの海外進出の準備に取りかかっている。
同社が東南アジアを進出先のターゲットにしたのは、このところ各国が人口が増え国内総生産も拡大中で消費ブームが起っており、消費者金融の大幅な伸びが期待できるからだという。
このように国内では成長が一段落した消費者金融業界としては、今後は海外での積極的な拡大戦略が重要な課題になっていくのではないだろうか。
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