(Part3)
読書が好きな人でも、何らかの理由でしばらく本から遠ざかることがある。そんなとき再び本に近づくためには何かきっかけが欲しい。
その一つがおもしろい本に出合うことである。せっかくリスタートする読書がスムーズに進むには、おもしろい本が必要なのだ。
そうでなく、どうでもいいような本に当たったら、再び中断を余儀なくされるかもしれないからだ。
そうならないために読む本は本は慎重に選ばなければならない。
問題は面白い本の探し方である。いろいろあるだろうが、私が特におすすめしたいのはネットの《新書マップ》という新書紹介アプリである。
以下は人気のアプリ〈新書マップ〉から項目別に厳選した面白そうな本5点である。
新書マップ・項目25「日本と日本人」より
(その1)超空気支配社会 文春新書
(内容)
SNS、コロナ、オリンピック……「空気」の圧力が覆う現代日本を読み解く令和版「空気の研究」 SNSの炎上、コロナ、オリンピック……
現代日本を動かしていたのは、やはり「空気」だった。SNS時代を鋭く活写した初の評論集。
(目次)
第1章 ふたつの同調圧力に抗って―五輪とコロナ自粛(暴走する東京五輪/コロナ自粛という空気 ほか)
第2章 虚構の戦前回帰―歴史の教訓をアップデートする(愛国教育と忖度のゆくえ/愛国とエンタメの再結合 ほか)
第3章 プロパガンダの最前線へ―音楽から観光まで(軍歌はナショナリズムをどう表現してきたか/エンタメ国防論 ほか)
第4章 総合知を復興せよ―健全な中間をめざして(それでもわれわれが「右でも左でもない」をめざすべき理由/ひとは正義と一体化できない ほか)
著者・辻田 真佐憲
1984年、大阪府生まれ。評論家・近現代史研究者。慶應義塾大学文学部卒業。政治と文化芸術の関係を主なテーマに、著述、調査、評論、レビュー、インタビューなどを幅広く手がけている。単著に『「戦前」の正体』(講談社現代新書)、『防衛省の研究』(朝日新書)、『超空気支配社会』(文春新書)、『大本営発表』(幻冬舎新書)、共著に『教養としての歴史問題』(東洋経済新報社)、『新プロパガンダ論』(ゲンロン)、監修書に『満洲帝国ビジュアル大全』(洋泉社)、共編書に『文藝春秋が見た戦争と日本人』(文藝春秋)などがある。
出典:Amazon
(その2) 世間体国家・日本 : その構造と呪縛 光文社新書
(内容)
「世間体が気になる」「世間体が悪い」といった言葉に象徴されるように、私たちは常に「他人の目」を気にしながら生きている。人は人間関係の中で生きざるを得ない以上、世間体からも逃れることはできない。だが、世間体が健全に機能すれば社会の安定や秩序に貢献するが、それが「負」の働きをすれば、個人の疎外や孤立、組織の硬直化や国としての活力の減退につながることになる。 家庭で、学校で、社会で、人の心の中で世間体はどう作用しているのか。その構造を分析するとともに、私たち現代人は、日本社会を空気のように覆う世間体とどう向き合っていけばいいのか、その指針を提示する。
(目次)
はじめに
第1章 世間体とは何か
第2章 世間体に押しつぶされる日本人
第3章 日本社会の「不協和音」
第4章 コロナ禍と世間体
第5章 ネットの中に形成される世間体
第6章 世間体と企業・家庭・学校
第7章 世間体と国家・民主主義
終 章 世間体との付き合い方
おわりに
著者等紹介
犬飼裕一[イヌカイユウイチ]
1968年、愛知県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。社会学者、歴史社会学者。日本大学文理学部教授。マックス・ウェーバー、ゲオルク・ジンメル、和辻哲郎の研究に出発し、歴史社会学、社会学理論、日本人論、日本文化論に研究領域を拡大。近年は「社会」をめぐる語りの問題に着目して言葉の持つ力から日本社会を見つめる取り組みにも注力している。またインターネットやAIの発達に伴うデジタル化と社会の関係、人間の在り方にも焦点を当てている。『マックス・ウェーバーにおける歴史科学の展開』(ミネルヴァ書房)で2008年度日本社会学史学会奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。 出典:紀伊国屋書店
(その3)人間嫌いの言い分 光文社新書
(内容)
「人間嫌い」というのは、いくらか偽悪的な言い方だが、仲間に甘い顔をせず、自分の信念を押し通す人間は、日本社会ではこう呼ばれる。 それが現実である。 それなら、人間嫌いでいいではないかというのが、まず私の出発点だった。 そうやって「人間嫌い」を標榜してみると、意外とこれがけっこう楽しい。 少なくとも楽である。 友達がいないと不便かもしれないが、別に恥ずかしくはない。 恥ずべきは自分がいないことである。 自分がいてこそ、はじめて本当に他者とかかわれる。 変わり者の多かったあまたの文士の生き方などを引きながら、煩わしい人間関係や世間との距離の取り方を説く。
(目次)
第1章 人間嫌いの世界観
第2章 人間嫌いVS.つるみ系
第3章 人間嫌いの考えるモラル
第4章 友達がこわい
第5章 怒る理由、不機嫌の矛先
第6章 人間嫌いの喧嘩作法
第7章 縁遠くなる人々ーかぐや姫症候群と「人間嫌い」
第8章 結婚しても孤独
第9章 わがままの達人は美人になる
第10章 晩年に強い人間嫌い
著者・長山靖男
1962年茨城県生まれ。鶴見大学大学院歯学研究科修了。評論家、アンソロジスト。近代文学、SF、ミステリー、映画、アニメなど幅広い領域を新たな視点で読み解く。日本SF大賞、日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞(いずれも評論・研究部門)を受賞。著書多数。
(その4)警察の腐敗 講談社+a新書
(内容)
23年間の実体験が語らせる堕落と腐敗の構造!!
事件もみ消しのカラクリから、キャリア絶対のシステム、
警察官へのマインドコントロールまで、内部を知りつくした著者の裸の証言。
(目次)
第1章 キャリア天国
第2章 「罰俸」転勤
第3章 内部からの告発
第4章 洗脳と監視のシステム
第5章 ノルマ主義、点数主義の内幕
第6章 堕落と腐敗
著者 黒木昭雄について
1957年、東京都に生まれる。親の代から警察官で、1976年、警視庁採用。警察学校を卒業後、23年間、警視庁に勤め、1999年、荏原警察署巡査部長を最後に退職。以後、ジャーナリストとして活躍している。著書には『警官は実弾を込め、撃鉄を起こした』『警官は狙いを定め、引き金を弾いた』(以上、草輝出版)がある。
自殺[
2010年11月2日、千葉県市原市で、駐車した車の中で死亡しているのが発見された。自殺とみられているが、不審死であるとの指摘もある。2011年4月3日、テレビ朝日系『ザ・スクープSP』「ジャーナリスト黒木昭雄さん死の真相」にて、その死に疑問を投げかける番組が放送された。
一方で生前親交のあった篠田博之によれば、遺書が見つかったことや自殺した11月1日の黒木の行動が判明していることから、「外形的には間違いなく自殺である」と述べている。黒木は11月1日午後4時頃ホームセンターで練炭コンロ2つや軍手、マッチなどをクレジットカードで購入した。この際のレシートも残されている。その後警察官だった父親の墓の前でワンカップの酒を飲み、妻の兄に携帯電話をかけていること、10月27日に医者に処方してもらった睡眠薬を飲み練炭自殺を図ったことも事実であるが、岩手17歳女性殺害事件の真相を取材する過程で黒木が物理的にも精神的にも追い詰められていたことが原因であるとしている。 ウィキペディア
(その5)自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング 宝島社新書
(内容)
自殺願望の正体を明らかにし、自殺が罪になる論理を示し、
タコのお母さんから子供が学ぶことを教え、
「キモイ」といじめられる子供の悩みに答える。
仏教本来の智慧が冴えわたる抜本的なカウンセリング。
(目次)
はじめに 自殺したいのは当たり前
第1章 なぜ死にたくなるのか
第2章 自殺と罪
第3章 事実による教育
第4章 いじめカウンセリング
おわりに 生きることを卒業する道
アルボムッレ・スマナサーラは、イギリス領セイロン出身の僧侶。スリランカ上座仏教長老であり、スリランカ上座仏教シャム派の日本大サンガ主任長老、日本テーラワーダ仏教協会長老、スリランカ・キリタラマヤ精舎住職。日本において仏教伝道、および瞑想指導を行う。『怒らない
出典・Amazon
次回掲載日
(part 4) 2月5日