灯篭は水溶性のものも多く、川下で回収作業を行うとはいうけれど
もうずいぶん前から気になっていた。
でもこれだけ自然保護が叫ばれている時代なので、いずれはやめるだろうと思ってこれまでは静観していた。
しかし昨日のニュースを見て驚いた。
広島では原爆記念日の夜、いまだにこの灯篭流しが堂々と行われているではないか。
平和祈願にこころを込めて"などという使い古されたキャッチフレーズのテーマのもとに。
何も考えずにただ見ているだけだとこの灯篭流し、夏の風物詩とも思え、風情があってなかなかいいものだ。
しかし我に返って考えてみると、これら灯篭は火が消えてしまったら単なる水に浮かぶゴミになってしまうのである。
その大量のゴミは流れ着く先ではいったいどうなっていくのだろうか。そう考えるのは私だけではないだろう。
不思議なのは自然保護団体がいまだにこうしたことを許していることである。
それに今の灯篭流しに使われている容器の素材は水溶性の紙で作られているものが多く、例え放っておいても、水に溶けてしまい残骸は残らないのだという。
しかし溶けるといっても、溶けカスは残り、やがてそれは川の水に混ざりあっていくのであるから水を汚すことに変わりない。
平和祈願の為とはいえ、いまや単なる気休めにしか過ぎないとも思える"川の水を汚す"だけの灯篭流しなど、もういいかげんにやめてほしいものである。