シャープの今期の赤字は4000億円以上だという。
しかし、いかに不振だとはいえ、よくもこれだけの赤字ができたものだ。いったいどんな経営を続けたのだろうか。
こうした経営不振を何とか脱却しようと、昨年は台湾の大手電機企業に支援を仰いだ。だが体よく断られている。
そして今度が韓国サムスンである。これまで散々痛めつけられてきたお隣の国のライバル企業である。
いかに絶好調の企業だとはいえ、できたらこの会社にだけは支援を仰いでほしくなかった。
それもたったの100億円である。4000億円以上の赤字に比べたら微々たるものではないか。
たかがこれくらいの支援で、今後サムスンに大きな顔をされたら、たまったものではないだろう。
しかしこのところのシャープのなりふり構わぬ経営姿勢は見るに忍びない。
本当に再建が可能なのだろうか。今ではそれさえ疑わしく思えてくる。
以下は今回のサムスン支援について伝える朝日新聞の記事である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サムスン、シャープに100億円出資へ 業務提携も打診
経営再建に取り組むシャープが、韓国・サムスン電子から100億円規模の出資を受ける方向で最終調整に入った。
出資比率は約3%となる見通しだ。シャープは出資を受けて財務体質を強化するほか、テレビやスマートフォン向けなど、得意とする液晶パネルを優先的にサムスンに供給するといった業務提携も打診している模様だ。
シャープは台湾・鴻海精密工業との出資交渉が暗礁に乗り上げるなか、長年のライバルとの提携を深めて経営危機を乗り切る方針を模索することになる。
現在、米アップル向けの中小型液晶パネルを生産している亀山工場(三重県)などの稼働率が低迷しており、サムスン向けに製品を生産することで、懸案の液晶パネル事業の収益改善を図ることも可能になる。サムスンにとっても、パネルを安定調達できるメリットがある。
経営難のシャープの自己資本比率は2012年12月末時点で9・6%に低下。今秋には2千億円の社債の償還も迫っており、資本の積み増しが急務だ。
このため、シャープは昨年3月、鴻海が1株550円の第三者割当増資で約670億円を出資し、筆頭株主となる契約を結んだ。しかし、シャープ株が急落したことから条件の見直し交渉を続けてきた。
払込期限の今月26日を過ぎれば契約はいったん白紙となる。鴻海との交渉は暗礁に乗り上げており、実現の可能性は低いとみられる。
こうしたことから、シャープは長年のライバルだったサムスンと組むことにかじを切る判断をしたとみられる。
シャープはテレビや液晶パネルの販売不振などで、2013年3月期の純損益が4500億円の赤字になると予想。2期連続の巨額赤字に陥る見通し。
人員削減などのリストラを進めながら自己資本増強策を模索。米半導体大手クアルコムと100億円の資本提携で合意していた。
朝日新聞 2013/3/7
0 件のコメント:
コメントを投稿