今の世の中確かに言葉は乱れている。でもこの年代の人が言葉づかいに文句をつけるのなら、NHKに対してではなく、日本語の使い方を間違えている人たちをターゲットにしたほうがよいのではないだろうか。
例えば最近何かといえば人々が口にする「~させていただいたおかげで」というふうな、TPOを考えずに必要以上にへりくだった言い方をする傾向があるではないか。
つまり何かにつけて「~させていただく」というふうな受身の表現になるのだ。
これなどなぜ「何々する、します」と能動態で言えないのだろうか。
また若い人がよく言っているのだが、「基本は何々」という代わりに、助詞のはをはずして「基本何々」という言い方もおかしいのではないだろうか。
こうした言葉づかいに比べればNHKのアナウンサーが使う言葉はまだマナーにかなった言い方をしていると思うのだが、いったい訴えた人はどういう意味で言っているのだろうが。
下に挙げたようなカタカナ英語を使うことが外国語の乱用とはまったく思わない。
言葉は生きているのだから、時代とともに変わていくものだ。
この人が挙げている「リスク」「トラブル」「ケア」などのl言葉は、もうしっかり日本の社会に根付いたカタカナ英語である。
それゆえに人々にとってはずいぶん馴染深い言葉になっているのではないだろうか。
したがってこうした言葉を無理に日本語に置き換えて言うより、そのまま使うほうがよほど自然に聞こえるのではないだろうか。
日本語であれ、カタカナ英語であれ、言葉はというものは、その場で物事をもっとも効果的に相手に伝えることが大切なのだ。
つまり相手の共感を呼ぶ言葉づかいが良いのではなかろうか。
また日本語の良さを引き立てるためにも、適当に外来語を散りばめることは、言葉の対比やセンテンスのバランスを考える上でも、それなりに意味があるのではないだろうか。
要はいつ、どこで使うにしても大事なのはセンスのある言葉づかいである。と思うのだが皆さんはどうお考えでしょうか。
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「NHKは番組で外国語使いすぎ」精神的苦痛受けたと提訴
NHKの放送番組で外国語が乱用され、内容を理解できずに精神的苦痛を受けたとして「日本語を大切にする会」の世話人高橋鵬二さん(71)=岐阜県可児市=が26日までに、NHKに141万円の慰謝料を求める訴えを名古屋地裁に起こした。提訴は25日付。
訴状によると、NHKでは報道、娯楽番組を問わず、番組内で「リスク」「トラブル」「ケア」などの外国語が多用されているだけでなく「BSコンシェルジュ」などと番組名にも用いられていると指摘。
日本語で容易に表現できる場合でも使われているとし、公共性が強いNHKが日本語を軽視するような姿勢に強い疑問があるとしている。
NHKは「訴状の内容を確認していないのでコメントを差し控える」としている。
高橋さんは取材に「質問状を提出したのに回答がなかったので、訴訟に踏み切った。
NHKだけの問題ではないが、公共放送は特に影響力が強い。年配者にも分かるような放送をしてほしい」と話している。
請求額は、地裁で扱える額が140万円を超える額と民事訴訟法で規定されていることに基づき決めたという。
共同 2013年6月26日
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