アウトになるのになぜヘッドスライディングをするのだろうか
毎年のことだが、8月の楽しみはなんと言っても高校野球である。
40度を越えるところも出たというとてつもない今年の猛暑の中、甲子園球場では連日熱戦が繰り広げられている。
こんな暑さなのに観客数は去年よりうんと多いのだという。
球児たちの”暑さ何するものぞ”という気持ちに、応援する人々も決して負けていないのだ。
そんな中、今年の試合で特に目につくことがある。それはホームランの多さだろうか、それとも1点も許さない好投手の多さだろうか?
もちろんそのどちらもよく目につく。それだけに今年の試合はおもしろい。
だが本日のテーマはそれではない。本日書くことは、もうひとつ別によく目につくことで、どちらかと言うとあまり感心できないことについてである。
それは走者の1塁でのヘッドスライディングである。今年はやけにこれがよく目につくのだ。
地方予選の時からその多さが気にかかっていた。でも甲子園へ出場するようなレベルの高いチームは1塁でヘッドスライディングはあまりしないだろうと思っていた。
でもその予想は当たらなかった。次々に出てくるどのチームも1塁でのヘッドスライディングを繰り返しているのである。
中にはやらないチームもあるだろうと思って見ていても、なかなかそういうチームが出てこない。
いったい今年のヘッドスライディングの多いのはどうしたことだろう。
頭から滑り込んで、ユニフォームの前面を真っ黒に汚した選手をどれだけ沢山見ただろうか。
それにしても雨の降った後でもないのに、どうしてユニホームがあんなに真っ黒になるのだろうか。
甲子園の土の種類のせいなのだろうか。
甲子園の土の種類のせいなのだろうか。
黒く染まったユニフォームは実に見苦しい。ユニフォームは真っ白で胸のマークや文字がはっきりわかるのがいい。
泥んこになってしまったのでは見苦しいだけでなくそれさえ見えなくなる。
おまけにヘッドスライディングした選手でセーフになった選手はほとんどなく、ことごとくがアウトの宣告を受けている。これではなにもいいことはないではないか。
いったい何のためのヘッドスライディングなのだ。
頭から滑り込むヘッドスライディングは危険な行為だ。
いつ怪我をしてもおかしくない。おまけに効果はほとんどない。でも多くの選手がこれを止めないのはいったいなぜなのだろうか。
ヘッドスライディング アメリカのアンパイヤーは必ずアウトにする
アメリカの野球ではヘッドスライディングは少ない。それは危険な上に、やってもアウトになることを選手がよく知っているからである。
アンパイヤーがヘッドスライディングを嫌っていて、判定する前からアウトと決めているからである。
したがって勇気を出して頭から滑り込んでも決してセーフにならないのである。
アメリカでは多くのアンパイヤーがヘッドスライディングを危険行為と考えているからなのだ。
聞くところによると日本でもプロ野球チームの日本ハムはヘッドスライディングを禁止しているという。
それは以前このチームを指揮していたヒルマン監督が過去の事故を教訓にして決めたことだという。
理由は事故だけでなく、ヘッドスライディングは駆け抜けるよりアウトになる確率が高いからだという。
したがって意味のない行為であると認めたのである。
ヒルマン監督といえば2003年に日本ハムの監督になり、3年後の2006年にはチームを日本一に導いた名監督である。
そのヒルマン監督が決めたとするともう10年ぐらい前のことになる。
でも日本の高校野球にはいまだにこれが伝わっていないのはいったいなぜなのだろうか。
いまだに監督も選手も、ヘッドスライディングをファイティングスピリッツの表れと考え、”良いこと”と認めているからなのだろうか。
こう考えてみてもよく分からない。
最後にもう1度言いたい。1塁でのヘッドスライディングは駆け抜けるよりスピードが遅くなるだけでなく、危険な上に極端にユニフォームを汚して見苦しさを与える行為である。ゆえに即刻禁止にすべきである。
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