既に少なくとも6州が、酒場に銃を持ち込むことを認めているが、どう考えても常軌を逸した考えだ
天下の悪法 見ただけで危ない酒と銃の取り合わせだが
共和党州議員が多い米ノースカロライナ州で先月末、とんでもない法律が可決された。バーの経営者が禁止しなければ、護身のために銃をバーに持ち込める法律だ。
どう見ても悪い考えのようにしか思えない。常識的に考えても、また科学的な研究が証明するように、アルコールは銃使用時の精度と判断力を損なう。酔っぱらいがひしめく環境は危険でしかない。
カリフォルニア大学デービス校の調査では、大酒飲みは銃所有率が高く、銃による死亡事件の約3分の1がアルコール絡みだ。
学術誌「刑事司法と犯罪行動」に最近掲載された報告でも、衝動殺人を犯した93%に薬物やアルコール乱用の経歴がある。
バーへの銃持ち込みを許可する州は、ノースカロライナが初めてではない。09年にテネシー州が、以降、少なくとも6州が後に続いている。
とはいえ悲観的なニュースばかりでもない。バージニア州では銃を許可する法律を導入してから1年で、バーでの発砲事件が約5%減少したことが地元紙の調べで分かった。
この調査対象範囲は狭いが、ノースカロライナの酒場でも必ずしも「血の海」にはならないかもしれない。
それでも酒がある場所で銃の携帯を許可するのはいただけない。
ノースカロライナのマクロリー州知事は同法案に署名するだろうが、同州ウィンストン・セーラムのジョインズ市長の言葉を心に留めておくべきだ。「銃とアルコールは相性がよくない」
ニューズウィーク日本語版 2013年8月21日
キアラ・マッカーシー
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