高校野球 昨年のヒーローはなんと言っても三振奪取で新記録を打ち立てた桐光学園の松井投手であった。
では今年はどうだろう。あの松井選手に匹敵するような球児は果たしているだろうか。
ズバリ、今年もすばらしいヒーローがいるのだ。それは花巻東高の千葉選手である。
彼こそがあの松井投手にも勝るとも劣らないほどのすばらしい才能を持った選手なのだ。
8月19日の試合のテレビ中継を見た人は多いと思うが、あのファウルを打つ巧みな技術は見ていて舌を巻いてしまうほどである。
よくもあれだけ巧みにファウルを打ち続けられるものだ。
ファウルを打つためだけの特別な練習を繰り返してきたそうだが、練習すれば誰もがああいう風になれるものでもないだろう。
千葉選手の場合は練習以前に鋭い選球眼とバットにボールを当てる卓越した技術を備えていたに違いない。
それに人一倍の練習で神業とも言ってもいいほどのあれほど優れて技術を完成させたのだろう。
昨日の試合を見ていて、「早くこないかなあ」と、2番バッターである彼の打順がめぐってくるのを待ち遠しく思っていた人は多いのではないだろうか。
きっと明日も彼の勇姿を見るためにテレビの前に座る人は多いだろう。
以下は読売新聞の記事である。
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1m56の花巻東・千葉、5打席で1安打4四球
花巻東5―4鳴門(準々決勝=19日)
相手にとって嫌な存在は、味方を勇気づけるヒーローになる。花巻東の2番千葉は、投手にダメージを与えることに小さな体の活路を見いだした。
相手にとって嫌な存在は、味方を勇気づけるヒーローになる。花巻東の2番千葉は、投手にダメージを与えることに小さな体の活路を見いだした。
一回、1メートル56の体をさらに小さく折りたたんだ。鳴門のエース板東に追い込まれながらも、そこから7球続けて執拗しつようにカット。13球目の高めのボール球を見送った。次打者への投球が甘くなることを狙った作戦だ。
「出塁して中軸につなげることだけ考えた」と千葉。八回、ここでもフルカウントから2球粘った末に四球を選んだ。
捕手の日下がマウンドに駆け寄るのを見て、してやったりとばかりにガッツポーズ。その勢いが、多々野、山下、茂木の3連続適時打を呼び込み、鳴門をのみ込んだ。
小さな体でチームに貢献する方法として、三塁側にカットする技術を磨きあげてきた。5打席で1安打4四球と全打席出塁。板東が投げた163球のうち、1人で約4分の1にあたる41球を費やさせた。
「本塁打が打てる打者がうらやましいけど、小さいなりに相手にダメージは与えられるんです」。
六回の四球出塁後には岸里が先制2ランを放っている。花巻東が演じる〈ドラマ〉には、役者がそろっている。(上田真央)
(2013年8月20日08時45分 読売新聞)
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