何かにつけて差が大きい日本とアメリカだが、中でも驚くのは両国の医療費の違いである。
わが国も高額医療費制度があるぐらいだから、他国と比べて決して医療費は安いほうではない。
でもそうした日本の医療費を知っている人でも、アメリカの高い医療費を知って驚かない人はいないだろう。
その額たるや、まさに桁が違うのである。
その額たるや、まさに桁が違うのである。
ではどれぐらい高いのか、治療費の一例を挙げてみよう。
●盲腸の手術 日帰り 240万円(〔ニューヨーク)
●子宮筋腫の治療費 日帰り外来手術 100万円以上
●虫歯の治療 2本で12万円
●出産費用 15、000ドル (内訳):産婦人科医・7000ドル、麻酔科医・2000ドル、小児科医・2000ドル、入院費3000ドル、計15、000ドル(約140万円)
こうした例に比べ、日本の盲腸手術の費用は、たとえ4〜5日入院したとしても合計でも30万円を超えることはない。
だがアメリカの場合は入院なしの日帰りでこの値段なのだから、日本と同条件の4〜5日入院だと間違いなく10倍近くになるだろう。
もちろん米国にも民間の医療保険はあるが、医療費の全額をカバーできるものは少なく、部分的にしかカバーできない保険が多いという。
例えば上の出産費用のように、請求が担当医師や内容によって分けられており、これらのうち何が保険でカバーでき、何がカバーできないかは事前には不明確である場合が多いのである。
そのため人々は治療を受ける前に保険会社に問い合わせなければならないのだという。
高い医療費負担耐えかねて、自己破産に走る人も多い
日本では考えられないことなのだが、アメリカは高額医療費が原因で破産する人が非常に多いと言われている。
現在のアメリカには日本のような国民健康保険制度はない。あるのは65歳以上の老人医療のメディケア制度と生活保護のメディケイド制度だけである。
したがって医療費用の高いアメリカでは、国民の多くは医療費をカバーする民間の医療保険に加入している。でもすべての保険が高い医療費を全額カバーできるところまでいっていない。
そのため高い医療費の負担に耐えかねて自己破産に走る人が多くなるわけなのだ。
アメリカの破産者は日本の10倍以上で、年間でも優に100万件は越えている。
なぜこんなに破産する人が多いのかと常々疑問に思っていたのだが、その中には高い医療費が原因になったものがかなり多く含まれているのである。
年間100万件を越えるという異常に多い破産者の数だが、この高い医療費の金額を目の当たりにすれば、なんとなく納得できるような気がしてくる。
ではアメリカの医療費はなぜこんなに高いのであろうか。その原因は次のようなことだと言われている。
まず第一の原因は人件費の高さである。特に医師や看護師の費用がべらぼうに高いのである。
それは1人の患者に付く医師と看護師の数が多いことが原因である。ちなみに日本では一般病院のベッド100床に対して医師数は13人、看護師は44人以上が施設基準だが、
アメリカでは医師は72人、看護師は221人にもなり、じつに日本の5.5倍の医師と、5倍の看護師がいるのである。
アメリカでは医師は72人、看護師は221人にもなり、じつに日本の5.5倍の医師と、5倍の看護師がいるのである。
この医師と看護師の多さが医療費の高さの主たる原因になっているのである。
また、もう一つの原因としては日本の大学病院では、研修医や無給医局員という若い医師たちが多数存在し、職員数不足を補っているが、薄給或いは無給なので、これも医療費は高騰しないひとつの原因になっている。
だがアメリカにはこういうシステムはなくすべての要員に対して普通の報酬の支払いが必要なのである。
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