2013年12月29日日曜日

週刊現代が報じる ・ 安倍総理、気分はもう戦争!



  ■オバマの忠告も無視する

  ■次は“国家総動員法”だ

  ■明治憲法への回帰を目指す

  ■安倍晋三と岸信介 タカ派の血と、格の違いについて

  ■総理執務室には岸の写真が

  ■祖父に肩を並べたい



気味が悪いほどの傲慢ぶり。その様はまるで日本を自在に操るシャーマンだ。株価は動かした。次は「戦争をできる国へ」と意気込む総理は、国の根幹に手を突っ込み始めた。何が起きてもおかしくない。


オバマの忠告も無視する

 あまり知られていないが、EU(欧州連合)28ヵ国の在日本大使館の政治担当参事官は毎月1回集まり、世界情勢について意見交換する昼食会をしている。その会合に先日、米国の政治参事官が呼ばれた。目的は一つ。日本の安倍晋三総理が「いま、なにを考えているのか」を聞き出すためだ。


「そこで米国の参事官が、安倍総理が中国と戦争するつもりではないかとの危惧を示したから会議が騒然としました。会合では今夏の麻生太郎財務相のナチス発言に触れて、いまの安倍政権の特定秘密保護法案への強行姿勢も、まるでナチスと同じ手口ではないかという声も上がりました。


 要するに、いま欧米先進各国の間では、安倍政権が戦争に突き進むのではないかとの不安が渦巻いている。それほどまでに、日本は世界から『気分はもう戦争』という危険状態にあると見られているのです」(欧州の大使館関係者)

 そんな評判を知ってか知らずか、12月6日、安倍政権は特定秘密保護法案可決を強行した。


 衝撃が走ったのは、5日後の同月11日。特定秘密保護法案で国民の大反発を受けたことで、安倍総理は「反省している」と述べていたのに、今度は「政府が共謀罪の新設検討」と朝日、日経新聞などが報じたのだ。

 共謀罪は殺人など重大犯罪の実行行為がなくても、謀議に加わっただけで処罰の対象とされるもの。「現代の治安維持法」として批判されてきた“悪法”が、ここへきて急浮上してきた形である。

 周知の通り、安倍政権は11月末に「国家安全保障会議(日本版NSC)」創設関連法も成立させている。NSCは総理大臣、官房長官、外相、防衛相をメンバーとする「4者会合」を中核とし、外交・安全保障政策の司令塔となる組織。巨大な権限を持つことから、「戦争司令部」になりうると批判されているものだ。


 こうした既成事実を列挙すれば、確かに安倍政権は「戦時モード」へ突き進んでいるようにしか映らない。


 これに危機感を募らせているのがほかでもない、同盟国の米国である。現役米大使館幹部が言う。


「誤解されていますが、米国は秘密保護法案に反対の立場です。東アジア情勢が安倍政権下で悪化する中で、なぜ戦時下の言論統制を連想させるような法案をあえて可決しようとするのかと、頭を抱えているほどです。


 オバマ大統領は、キャロライン・ケネディ駐日大使を通じて、安倍総理に『靖国だけには参拝するな』『これ以上中国を刺激して尖閣問題が再燃したら、米国は日本を助けない』とのメッセージも届けています。しかし安倍政権の言動を見ていると、忠告がまったく響いていないように見える」


 それだけではない

「去る10月3日、日米の外務防衛担当閣僚が集まる『2プラス2(安全保障協議委員会)』のためにジョン・ケリー米国務長官とチャック・ヘーゲル米国防長官が来日。その当日朝に、東京の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で献花しました。靖国ではなく千鳥ヶ淵に赴いたのは、中国・韓国との対話の道を探れという米国側から日本への忠告です」(同前)


 '00年にスタートした『2プラス2』を日本で開催するのは初めて。米国側は安倍総理に花を持たせるために日本開催にしたわけだが、安倍政権はあえて“鈍感力”を演じているのか、戦時気分を膨らませるばかりだ。


 12月4日には、日本版NSCの初会合を官邸でさっそく開催。来年には事務局となる国家安全保障局を設立し、NSCを本格始動させる。ちなみに国家安全保障局には外務・警察官僚以外に、数十名の自衛官が登用される見込みである。


 主要国大使を務めた外務省OBは、この「自衛官の登用」に危惧を示す。


「日本の自衛隊の能力は、世界レベルで見ても超一級です。“軍事力”はもちろんのこと、自衛隊の制服組(武官)の頭の良さは抜群だ。

一方で日本の政治家は『三流』というのが世界の常識。制服組が官邸に入ることで、政治家がいかに頭の悪い人種かがわかってしまうのが怖い。『こんなアホに使われるくらいなら、自分たちが指揮したほうがマシ』と考えた時に何が起こるか。それは想像もしたくない悲劇の幕開けです」 


週刊現代 1月4日・11日合併号

2013年12月28日土曜日

固定電話をなんとかしなければ! ・ かかってくる電話は”怪しげ”なものばかり



このところ固定電話にかかってくるものと言えば、振り込め詐欺まがいの怪しげなものばかりである。


したがってベルが鳴っても受話器をとるのが躊躇われるほどだ。


昨日も2度ぺルが鳴った。「どうせまたあの種の電話だろう」と思ったが、とりあえず受話器をとってみる。

するとあんのじょう予想した通りで、2度とも訳の分からない売り込み電話である。


12月に入ってからずっとこんな調子である。これだと固定電話というものが、まるで振り込め詐欺を筆頭に怪しげな売り込み業者のためにあるようなものではないか。


固定電話を無くしたら、おそらく振り込め詐欺の被害はなくなるのではないだろうか。


こうしたこともあってか、最近固定電話の必要性の有無がよく語られているが、はたしてどうなのだろうか。


電話機能だけの必要性から言えば、携帯だけでじゅうぶんだから、なくても困ることはない。

ファクスの問題が残るが、いまはメールさえあれば書類の送受信も問題はないだろう。


インターネットの問題もあるが、最近は電話加入権なしでいくらでもネットに接続できる。


また小さな児童のいる家庭では子供同士の連絡や、学校からの連絡に固定電話があったほうが良いのだと言われている。


あとは信用問題だろうか。固定電話がないと信用が疑われて、割賦販売などでの審査が通りにくいと言われている。


またクレジットカードを申し込んでも固定電話がないことが原因で審査で落とされることが多いのだそうだ。


今日こんなことを考えるたも、このところ怪しげな電話ばかりかかってくるからである。

2013年12月27日金曜日

靖国問題の前日にも韓国を刺激していた ・ 実弾提供:日本の態度に韓国政府の怒り収まらず 朝鮮日報


これで更に亀裂が深まった日韓関係
 
 国連軍の一員として、南スーダンに派遣された韓国軍の「ハンビッ部隊」が23日、国連を通じ、日本の陸上自衛隊から提供を受けた実弾1万発は、約330万ウォン(約32万5000円)相当、即席麺6箱分のサイズだ。そんな実弾1万発が韓日の軍事・外交関係を揺るがしている。


韓国政府は日本の反応に激しい不満を抱いている。日本政府が自衛隊の軍事的役割拡大のために今回の一件を活用していると受け止めているからだ。


 韓国国防部(省に相当)は24日、外交ルートを通じ、日本側に「強い警告」を送った。韓国政府高官は「日本は頂点に立つ国家とはいえない」と漏らした。


米国は弾薬提供事実を公表せず

 現在南スーダンには、韓国軍約280人、日本の自衛隊約320人が派遣されている。両国はいずれも国連の勧告に従い、実弾を携行した。


韓国国防部は、日本は相対的に安全な首都ジュバに駐留しているため、治安の不安定なボルに駐留している韓国軍に弾薬を提供する余裕があったとの見解だ。ハンビッ部隊には日本だけでなく、米国も小銃弾を提供した。


 韓国国防部関係者は「米軍は反政府軍を刺激する可能性があるとして、実弾提供の事実を公表しなかった。日本はそれを全く考慮せず、メディアに情報を流した」と批判した。


 韓国政府はハンビッ部隊の安全に配慮し、日本側に報道自粛を求めた。しかし、日本では23日午前からメディアが報道を開始した。


韓国国防部関係者は「日本政府は23日午後2時に閣議を開き、実弾提供の是非を最終決定することになっていた。


国防部はその段階で国内メディアに説明するつもりだったが、日本政府が事前に意図的にリークしたようだ」と語った。


日本政府の軽挙妄

 日本の小野寺五典防衛相が24日、南スーダンに派遣された自衛隊責任者からの映像報告の内容をそのまま公表したことについても、「あり得ないことだ」との反応が韓国側から出ている。


韓国政府筋は「映像の内容は事実と異なるばかりか、両国の軍の間でのやりとりを了解もなく公表するのは、友好国の行動とはいえない」と不満をあらわにした。


 日本政府内部では「戦後秩序が維持されてきた日本で実弾提供問題がどれほど重大なことなのかについて、韓国側の理解が全くない」との声が出ている。


日本メディアは「韓国側が必要だというから実弾を提供したのであり、日本は国内での手続きを踏んだだけだ。それに韓国がなぜ問題提起するのか理解できない」と報じている。


 日本政府は25日にも実弾提供の事実を宣伝し続けた。安倍晋三首相は「人道上、危機管理上、判断した。


現場(で韓国側)からは感謝の念をもらっている」と述べた。これについて、韓国政府関係者は「日本政府があまりに軽挙妄動に走っている。


韓国軍と日本の自衛隊はいずれも国連の南スーダン派遣団(UNMISS)の所属で、UNMISSの司令官(少将)の指揮を受けるため、所属部隊間で必要に応じて資源を再配分するのは日常的なことだ」と述べた。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2013年12月27日

2013年12月25日水曜日

いま一押しの本はこれだ! ・ 書評「人間パワースポット」鈴木光司著 角川書店


この本はどこから読んでも面白い
ご存知、「リング」や「らせん」などのベストラー作家鈴木光司氏が作家として大成功をおさめるまでの半生を綴った自伝である。


しかしこの自伝はじつにおもしろい。読み出したらやめられないほど、グングン惹きつけられて、どんどん先が読みたくなっていく。


全体は9つの章からなっていて、見出しタイトルは105もあるが、どのタイトルを読んでもおもしろい。


さすが稀代のエンターティンメント作家である。人がどんなことを書けばおもしろがるかを実によく心得ている。


この人は小学生の頃から、三つの夢を抱いていた。


その夢は、小説家になって成功すること、初恋の人と結婚すること、ヨットで太平洋を横断すること、である。


誰でも夢は持っているが、達成するのは難しい。でもこの人は人生半ばで三つの夢をすべて達成しているのである。


並外れた努力もあるが、これほど幸運に恵まれた人は稀ではないだろうか。この本を読んで少しでもこの作家の強運にあやかりたいものだ。
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人間パワースポット

成功と幸せを“引き寄せる”生き方
成功を引き寄せるテクニックを伝授

今まで歩んできた人生の中で、不幸だったことはないと自認する著者が、自らの半生を通し、日常から、自身に成功のエネルギーを導く生き方を伝授する、迷える現代人に贈る最高にポジティブな生き方指南書。


電子書籍配信日:2013年11月28日
定価(税込): 1575円 
売日:2013年11月26日
角川書店

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著者紹介

本名=鈴木晃司。静岡県浜松市生まれ。神奈川県横浜市出身。慶応義塾大学文学部仏文科卒。劇団を旗揚げし、脚本、演出を手掛ける。

『楽園』が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。『リング』は横溝正史賞最終候補まで残り、のち刊行され、ホラーブームの火付け役に。

『リング』『らせん』で超有名になり、今や長者番付作家部門にも名が挙がるほどになった。

直木賞候補作の『仄暗い海の底から』は、氏が有名になってからの作品で、なぜ最初に候補に挙がったのがこの作品なのか、鈴木光司ファンの誰も(?)知る者がいないまま、現在に至っている。


2013年12月23日月曜日

日本は世界で6番目に海岸線が長いというが ・ 海岸線が長ければ危険なのか?


作家の半藤一利氏が宮崎駿氏との対談で語っていたのですが、日本の海岸線の長さは世界で第6位だそうです。


米国のカリフォルニア州ぐらいしか面積しかない狭い国であるわが国の海岸線が、米国を上回るほどの長さがあり、しかも世界で第6位とは驚きですが

北海道から沖縄までの南北の長さを考えるとなんとなく納得できるような気もします。


でも半藤氏は問題はその長い海岸沿いに人々が集中して暮らしていることだと言っています。


またこの海岸線沿いに54基もの原発があるため、これが攻撃を受ければ、核爆弾なしでも日本の国は壊滅する、とも語っています。


それにこうした長い海岸線に軍隊を集中させることは不可能あり、それゆえに武力で守ることは地形的に困難なのです。


こんな話を耳にしますと、いま中国や韓国との間で、かつてないほど険悪なムードが流れているだけに日本海側の海岸線の長さが気になります。


半藤さんが強調しているのは、長い海岸線を守ることは不可能だから、大事になるのが外交力であり、それで紛争を招かないようにするしか方法がない、とも述べています。


この点から考えて、今の安倍内閣の歴史認識の甘さには大いに問題があり、それゆえに中国や韓国との外交に大きな亀裂が入ったのだと結論を述べています。


それはともかく、日本の海岸線の長さについてあらためて認識させられました。


2013年12月20日金曜日

わたしの読書記録を全部公開することにした ・ (その6)No.15~No.17(2009年2月)


                                                                                          ※表をクリックするとはっきり見えます





2013年12月17日火曜日

超不思議な大国インド ・ 世界の企業が欲しがる優秀な大学生が沢山いるのに、トイレのない家庭が4割もある

  

12月15日のNHKの「海外ネットワーク」という番組で注目すべきニュースが放映されていました。


それは世界で最も優秀な生徒が集まる大学のひとつである「国立インド工科大学」の来年の卒業生の獲得を目指して、世界各国からのスカウトマンが殺到した様子を報じたものです。


この大学の卒業生はアメリカの「ハーバード大学」や「スタンフォード大学」、あるいは「MIT」などにも劣らないほどの秀才ぞろいで、世界からIT分野を中心に人材獲得のスカウトマンが大挙して集まっているのです。


すでにこれまでも米国を中心にして多くの卒業生が海外の有名企業に就職していて、中には技術者の半分をこの大学の出身者が占めている有名企業もあるほどです。


さらに驚かされるのは、この大学の新卒の初任給が最高で2000万円にも及ぶ人がいるということです。

20代前半の若者が就職したばかりで年収2000万円も貰うほど、ずば抜けた秀才がこの大学にいるのです。


また日本からも関西の医療器関係の会社からスカウトマンがかけてつけており、多くの学生と交渉の末、3人の学生の内定を取り付けたと報道されていました。


話は変わりますが、インドとはまことに不思議な国です。つい1ヶ月ほど前も、同じ海外ネットワークの番組で、この国の”トイレット事情”を取り上げていましたが

インドではトイレがない家庭が4割近くもあり、いまだに外へ出て野原などで用をたす人々の光景を見るのは日常茶飯事だと報じていました。

また家にトイレがないためにお嫁さんがこず、結婚できない男性がたくさんいるのだということも付け加えられていました。


このように一方では世界の有名企業のスカウトマンが人材獲得に押し寄せる大学があると思えば、

いまだに国民の4割近くがトイレのない家に住んでいるというような大きなギャップを抱えている大国は世界の主要国の中でインドをおいては見当たりません。


まさに不思議な国インドです。

2013年12月14日土曜日

「風立ちぬ」の宮崎駿 大いに語る ・ 書評 対談集「腰抜け愛国談義」 宮崎駿&半藤一利著 文春ジブリ文庫


「風立ちぬ」を最後に、惜しくも引退を発表したアニメ界の巨匠、宮崎駿氏は今年72歳、また元文芸春秋編集長で作家の半藤一義氏は今年83歳であるから、二人合わせると155歳にもなる。


だがこんな歳になるまでお2人は面識がなく、今回が初顔合わせだという。


ご高齢とは言え、お2人ともじつに元気ハツラツとしており、会話は留まるところを知らず、対談は絶好調で進展していく。この対談に費やした時間はじつに7時間以上に及んだのだと言う。


まず冒頭では、お2人が共通して大ファンだという文豪「夏目漱石」について、人にあまり知られていないような多くの逸話が紹介されている。


何でも半藤一利氏の奥さんが漱石の家系であるため、珍しい情報をふんだんに知っているのである。


数ある漱石の作品の中で最高傑作は「草枕」であることについては2人の意見は一致した。


漱石の話の次は、今度はわが国の戦争に使われた戦闘機や戦艦の話に移るのだが、こちロらの方でも宮崎駿氏の祖父が飛行機製造会社の創業者であり

また父親がそこの工場長を勤めたということで、飛行機に関する知識はじゅうぶん過ぎるほど持っており、話は次々と進み留まるところを知らない。


その話が終わると、今度は「風立ちぬ」という今回のアニメのテーマについて、堀辰雄との関わりなどを昭和史を通しての話としてがどんどん展開されていくのだが、2人の専門分野を超えた博学ぶりには驚かされてしまう。


漱石論から始まった文学談義、戦前戦中を通した体験談、さらに風立ちぬの創作秘話など博学の老大家お2人による滅多に聞くことのできない貴重な対談である。

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書名 「腰抜け愛国k談義」
著者 半藤一利&宮崎駿
定価 570円
2013年8月発行
文春ジブリ文庫

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半藤一利
1930年、東京・向島生まれ。
東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。松本清張、司馬遼太郎らの担当編集者をつとめる。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、取締役などをへて作家。「歴史探偵」を名乗り、おもに近現代史に関する著作を発表。
著書は『日本の一番長い日』、『漱石先生ぞな、もし』(正続、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『幕末史』など多数。『昭和史 1926-1945』『昭和史 戦後篇 1945-1989』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。

宮崎駿はやお
生年月日 : 1941/01/05 出身地 : 東京都文京区
学習院大学卒業後の1963年、東映動画に入社。その後いくつかのプロダクションを経て、「未来少年コナン」で初の演出を手掛ける。「ルパン三世 カリオストロの城」(79)で劇場映画監督デビュー。84年には個人事務所、二馬力を設立した。また同年「風の谷のナウシカ」のヒットにより、アニメ作家として広く認知されることに。そして85年、その制作母体からスタジオジブリを設立。その後は「天空の城ラピュタ」をはじめ、「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「もののけ姫」など、子どもから大人まで幅広い支持を集める名作を次々と発表、日本アニメ界の第一人者として確固たる地位を築くとともに、海外でも高い評価を獲得、日本アニメの世界的な地位向上に大きく貢献する。01年の「千と千尋の神隠し」では、アカデミー賞長編アニメ賞やベルリン国際映画祭金熊賞、日本アカデミー賞作品賞など国内外の映画賞レースを総なめにした。



2013年12月12日木曜日

この本の内容を信じていいのだろうか? ・ 書評 「父親の知らない娘の真実」 黒羽幸宏著 双葉新書


図書館の新刊コーナーにあった本である。もしここで目にしなかったら、おそらく読もうとは思わない類の本だろう。


とにかく、タイトルに惹かれて読んでみることにした。別に年頃の娘を持つ父親でなくても、男性としては気になるタイトルである。


しかし読み続けていくと次第に空恐ろしくなってくる。もし書かれていることが真実だとすると、いったい世の親たちや教師たちは何をしているのだろう?と思えるような、今時の女子たちのすさましいほどの破廉恥ぶりが書かれている。


もしこれが本当なら心底恐ろしいことだとも思えてくる。でもさらに読み続けていくと、今度はこう思ってきた。


これは一般的なことでなく、特殊な層の女子だけを対象にして書いているのだと。いわゆるいつの時代でもいる不良少女(女子)の生態を書いているのである。


例えば今年広島で起った一人の専門学校の女性徒が、仲間からの集団リンチで殺された事件を取り上げていたが、あの事件などはどう見ても一般的な女子が起こすとは言えない特殊なものである。


そうしたことを、さもどこにでもある一般的な事件であるようなタッチで書いていることに疑問を感じた。


さらに疑問を深めたのが、この本の記事は、もとは「東スポ」という男性向け夕刊紙にシリーズとして載せられたものだということである。


ああした夕刊紙に載せられたものだけに、センセーショナルな記事のタッチに納得がいくのである。


したがってこれは男性読者の好奇心を煽るために書かれたエンターティンメント性の高い記事を集めた本なのである。


真面目に読んだのが馬鹿らしく思えたが、でも最近ではこういう本でも図書館に置くのだと、図書館の本の選定についての傾向の変化を知ることができた。


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(帯のキャッチコピー) マジか!と思っても目をそらしてはいけない。娘たちが生きる学校、SNS、恋愛…こんなに大変なことになっていた。

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目次 

第1章 娘たちのコミュニケーションツールSNS
第2章 いじめ問題を考える 
第3章 SNSとつながるリアルライフ 
第4章 娘たちの金銭事情 
第5章 恋愛&セックス  
第6章 娘とどう向き合うか/ 巻末座談会 娘たちの本音

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「父親の知らない娘の真実」
著者 黒羽幸宏
双葉新書 価格880円
2013年11月発行

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【著者紹介】

黒羽幸宏 : 1974年生まれ、神奈川県出身。テレビ番組制作会社を経て、94年から『週刊プレイボーイ』記者として15年以上活動。並行して各男性誌にも寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


2013年12月9日月曜日

小説は書き出しが決め手! ・ 私の小説2作品の書き出しの部分をご紹介します



次の小説2編は私が始めて書いた2作品で、小説現代新人賞(講談社)および小説すばる(集英社)新人賞へ応募したものです。


結果はいずれも1000件以上の応募作品の中で、「編む女」が予選2次まで通過、「ニューヨーク西97丁目」が予選1次のみ通過という結果でした。


とは言え初めての応募で2作品とも、約15%程度でしかない予選通過作品に選ばれたことは大満足でした。


我ながら力作だとは思ったのですが、後で誤字脱字の多さには驚いてしまいました。なんと双方の作品とも50箇所以上も誤字脱字があったのです。明らか校正が足らなかったのが原因です。


これが原因で賞を逃がしたのでは?と思ったのですが、後の祭りです。


この小説ではいずれも書き出しには相当気を配ったつもりです。


常日頃から「面白くなければ小説ではない」と考えている私ですから、書き出しで読者に「おもしろそうだ!」と思わせ、惹きつけることが何より大事だと考えたからです。


ではその2作品の書き出しの部分をご紹介することにします。


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「編む女」 (80枚 中編)

(書き出し部分2ページ)

「くそっ、あのカップルめ、うまくしけ込んだもんだ」
 前方わずか4~5メートル先を歩いていたすごく身なりのいい男女が、スッとラブホテルの入り口の高い植木の陰に隠れた時、亮介はさも羨ましそうにつぶやいて舌打ちした。

 「あーあ、こちらがこんなに苦労しているというのに、まったくいい気なもんだ」と、今度はずいぶん勝手な愚痴をこぼしながら、なおも辺りに目を凝らして歩き続けた。

 亮介は、これで三日間、この夜の十三(じゅうそう)の街を歩き続けていた。 はじめの日こそ、「あの女め、見てろ、その内に必ず見つけ出してやるから]」、と意気込んでいたものの、さすがに三日目ともなると、最初の決意もいささかぐらつき始めていた。 時計は既に十一時をさしており、辺りの人影も数えるほどまばらになっていた。 この夜だけでも、もう三時間近くも、この街のあちこちを歩きまわっていたのだ。

 少し疲れたし、どこかで少し休んで、それからまた始めようか、それとも今夜はこれで止めようか。 亮介は迷いながら一ブロック東へ折れて、すぐ側を流いる淀川の土手へ出た。 道路から三メートルほど階段を上がって、人気のないコクリートの堤防に立つと、川面から吹くひんやりとした夜風が汗ばんだ頬を心地なでた。

 「山岸恵美」といったな、あの女。城南デパートに勤めていると言ってたけど、あんなこと、どうせ嘘っぱちだろう。でも待てよ、それにしてはあの女デパートのことについて、いろいろ詳しく話していた。とすると、今はもういないとして、以前に勤めたことがあるのかもしれない。それとも、そこに知り合いがいるとか。ものは試し、無駄かもしれないけど、一度行ってみようか。そうだ、そうしてみよう。なにしろあの悔しさを晴らすためだ。これきしのことで諦めるわけにはいかないのだ。

 川風に吹かれて、少しだけ気を取り戻した亮介は、辺りの鮮やかなネオンサインを川面に映してゆったりと流れる淀川に背を向けると、また大通りの方へと歩いて行った。

 それにしてもあの女、いい女だったなあ。少なくともあの朝までは。 駅に向かって歩きながら、亮介は、またあの夜のことを思い出していた。
 とびきり美人とは言えないが、あれほど男好きのする顔の女も珍しい。それに、やや甘え口調のしっとりとしたあの声、しかもああいう場所では珍しいあの行動。あれだと、自分に限らず男だったら誰だって信じ込むに違いない。

 すでに十一時をまわっているというのに、北の繁華街から川ひとつ隔てただけの、この十三の盛り場には人影は多く、まだかなりの賑わいを見せている。それもそうだろう。六月の終わりと言えば、官公庁や大手企業ではすでに夏のボーナスが支給されていて、みな懐が暖かいのだ。 

「ボーナスか、あーあ、あの三十八万円があったらなあ」 大通りを右折して阪急電車の駅が目の前に見えてきた所で、亮介はそうつぶやくと、また大きなため息をついた。

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ニューヨーク ウェスト97ストリート (220枚 中長編)

(書き出し部分3ページ)

およそこの乗り物には似つかわしくないガタゴトという騒々しい音をたてながらドアの閉まるエレベーターを背後にして、修一はおもむろにズボンのポケットに手を突っ込み、ひやっとした感触を指先に感じながらジャラジャラと鳴るキーホルダーを取り出した。

エレベーターからほんの五~六歩も歩けばそこに入り口のドアがある。「エセルはまだ起きているだろうか」そう考えながら色あせたドアの上の鍵穴に太い方のキーを突っ込んでせっかちに回し、続いて下の穴へもう一本の細い方を差し込んだ。

下宿人としてこの家に初めて来たとき、通りに面した一階の正面玄関にも大きくて丈夫な鍵があるのに、どうしてこの六階の入り口のドアにもさらに二つのキーがついているのだろうかと、その念のいった用心深さをいささか怪訝に思ったものだが、後になって家主のエセルにその理由を聞かされ、なるほどと思った。

ここウエストサイド97丁目はマンハッタンでも比較的アップタウンにあたるウエストサイドの一画に位置している。この地域も今から約半世紀ほど前の一九三〇年くらいまでは、マンハッタンの住宅地の中でも比較的高級地に属していて、住む人々も、上流階級とまではいかないが、その少し下に位置するぐらいの、まずまずのレベルの人が多かった。

しかし年が経って建物が老朽化するに従い、どこからともなく押しかけてくるペルトリコ人が大挙して移り住むようになり、それにつれて前からの古い住人はまるで追われるかのように、次第にイーストサイドの方へ引っ越していった。

そして五十年たった今では、もはや上品で優雅であった昔の面影はほとんどなく、その佇まいは煤けたレンガ造りの建物が並ぶ灰色の街というイメージで、スラムとまではいかないが、喧騒と汚濁に満ちた、やたらと犯罪の多い下層階級の街と化してしまったのだ。
住人の多くをスペイン語を話すペルトリコ人が占めているということで、今ではこの地域にはスパニッシュハーレムという新しい名前さえついている。

今年七一歳になり、頭髪もほとんど白くなったエセルは、口の端にいっぱい唾をためながら、いかにも昔を懐かしむというふうに、こう話してくれた。

ここまで聞けばどうしてドアに鍵が多いのか修一にも分かった。つまりこの辺りは、犯罪多発地域で、泥棒とか強盗は日常茶飯事であり、ダブルロックはそれから身を守るための住人の自衛手段なのだ。そう言えば、つい三日前にも、ここから数ブロック先の一○三丁目のアパートで、白人の老女が三人組の黒人に襲われて、ナイフで腕を突き刺されたうえ金品を盗まれたのだ、と昨日の朝、いきつけのチャーリーのカフェで聞いたばかりだ。

 そんなことを思い出しながら、ドアを開け薄暗い通路を進み、正面右手の自分の部屋へと向かった。すぐ右手のエセルの部屋のドアからは明かりはもれていない。
 どうやら今夜はもう眠ったらしい。

今はマンハッタンのミッドナイト。昼間の喧騒が嘘みたいに、辺りは静寂に包まれている。部屋の隅にあるスチームストーブのシュルシュルという音だけが、やけに耳についた。それにしても今夜のエセルは静かだ。

このアパートへ来てしばらくの間は彼女が喘息持ちだとは知らなかった。ましてや深夜に激しく咳き込んで下宿人を悩ますなどとは思ってもみなかった。もしそうだと知っていたのなら、月二百五十ドルの下宿代をもっと値切っていたはずだし、さもなくば、部屋の防音をもっとよくチェックしたはずだ。

 

2013年12月8日日曜日

この新聞記事がおもしろい ・ ”化粧する韓国人男性” 整形大国 韓国男性が目指す道は?


    
 顎ひげのある腕っ節の太い男が、手の平に化粧水を取って両の頬をたたく。「男たちよ、自分だけの強烈な個性を見出そう」。俳優のシン・イルリョンが出演した1980年代の男性化粧品のCMだ。


米国の俳優、 チャールズ・ブロンソンも韓国の化粧品CMに登場し、男性美を演出した。大学を卒業するまで化粧などというものに興味がなかったため、珍しい気持ちでCMに見入ったのを今でも覚えている。


子どものころ、冬になるとかさついた手に「アンティプラミン」(打撲の際に塗る軟膏)や「メンソレータム」を塗るのがせいぜいだったため、「男性が化粧」をするなど夢にも思っていなかった。


 20年前は、男性化粧品といえばカミソリやシャワーの後に塗るスキンローションやミルクローションがすべてだった。化粧品メーカーもシン・イルリョンとチャールズ・ブロンソンを巧みに起用し、「男らしさ」をアピールした。今では男性化粧品の目標は「きれいな男性」となっている。 


肌を白くする美白クリーム、目元と口元のしわをなくすクリーム、寝ている間に肌に張りを与えるナイトクリームやオイルが、男性用として登場したのだ。顔の角質や油、飲酒翌日のむくみを抑えるローションもある。


 ファッションと美容に金をかける男性を「グルーミング族」と呼ぶ。馬引きが馬のたてがみをくしでといたり、猿が毛をむしったりするのを意味する「グルーム」から来た言葉だ。グルーミング族は「容姿も競争力」と信じている。


「相手にもっと深い印象を与えるために化粧する」という。そして何を隠そう世界でトップを行くグルーミング族が、何と韓国人男性なのだ。昨年1年間で化粧品の購入に5600億ウォン(約540億円)を費やし、世界市場の21%を占めた。


 その証拠に空港の免税店に入ってみると、化粧品コーナーでは女性に負けず劣らず男性の姿をよく見掛ける。海外の化粧品メーカーが韓国人男性をターゲットに高麗人参の成分が入った化粧品を開発するほどだ。


軍隊の内務班(宿舎)のロッカーには、もはや日焼け止めは常識で、顔パックや鼻パック、かかとに付けて角質を落とすパッチなども入っているという。ある化粧品メーカーは、待ち伏せ訓練の際に塗る偽装クリームを開発、これが人気商品となった。男性化粧品を買う年齢も年々上昇し、20代、30代、40代の割合がほぼ等しくなってきた。

 米国のCNNが「韓国が世界で最もうまくこなすことベスト10」を発表した。韓流、インターネット、女子ゴルフ、働き虫、爆弾酒(焼酎とビールなどを混ぜた酒)、美容整形手術、そして「韓国人男性の化粧品文化」だった。特に韓国に「化粧する男性」が多いのは、容姿を優先する風潮のせいだろう。


ハンサムであってこそ大企業に就職でき、最高の伴侶に出会え、仕事も事業もうまく行くと思っている。激しい競争社会で生き残るための必死の「あがき」であるわけだ。最近テレビを見ていると、アイラインを濃くした男性芸能人をよく見掛ける。このままでは、色とりどりに化粧してアイシャドーを決め込んだ男性が町中にあふれる日も、そう遠くはないだろう。


池海範(チ・ヘボム)論説委員
朝鮮日報日本語版 2013年12月8日