2018年1月28日日曜日

読書ツールの選択肢が増えてきた ・ さて今日はどちらにしよう、紙の本? それとも電子ブック? 



あなたは紙の本派? それとも電子書籍派? 

インターネットの普及とともにあらゆる活字分野で電子化が進んでいますが、書籍も例外ではなく出版各社は自社書籍の電子化に懸命のようです。

出版社だけではありません。いまネットにはそれ以外にもおびただしい数の電子ブックがあります。

たとえば青空文庫というサイトですが、ここには海外も含め著作権が切れた作家の作品14,370作品 (2017923現在)が掲載されています。

なんと、これらすべてが無料で読めるのです。

しかも「えあ草子」というアプリを使えば、文学書仕様の縦書きで、おまけに栞つきという読みやすさです。

それゆえに本好きの人々には大好評で、アクセス数は年に940万件(2016年)にも及んでいます。

アプリ「えあ草子」を使えば青空文庫がいっそう読みやすくなる


上述したように、青空文庫には、付随ツールとして「えあ草子」という便利な無料アプリがあります。

このアプリは作家、作品ごとの索引があるのはもちろん、読者の指針になるようにと、全14370作品の中から人気作品500点のランキングが掲載されています。

これは「何から読めばいいのか?」と迷う読者にとっては有り難い指針になります。

ちなみのベスト50(順位・作品名・作家名・アクセス数)を上げてみると次のようになります。


1 こころ  / 夏目 漱石 23733
2 〔雨ニモマケズ〕  / 宮沢 賢治 22003
3 走れメロス  / 太宰 治 12071
4 吾輩は猫である  / 夏目 漱石 11463
5 人間失格  / 太宰 治 11261
6 山月記  / 中島 敦 10401
7 夢十夜  / 夏目 漱石 9092
8 草枕  / 夏目 漱石 9091
9 銀河鉄道の夜  / 宮沢 賢治 8078
10 坊っちゃん  / 夏目 漱石 7512
11 羅生門  / 芥川 竜之介 7381
12 蜘蛛の糸  / 芥川 竜之介 6899
13 注文の多い料理店  / 宮沢 賢治 6228
14 クリスマス・カロル  / ディケンズ チャールズ 6084
15 やまなし  / 宮沢 賢治 6058
16 ドグラ・マグラ  / 夢野 久作 5731
17 檸檬  / 梶井 基次郎 5084
18 手袋を買いに  / 新美 南吉 4612
19 方丈記  / 鴨 長明 4444
20 舞姫  / 森 鴎外 4439
21 学問のすすめ  / 福沢 諭吉 4243
22 『春と修羅』  / 宮沢 賢治 4104
23 よだかの星  / 宮沢 賢治 3750
24 女生徒  / 太宰 治 3555
25 蟹工船  / 小林 多喜二 3235
26 智恵子抄  / 高村 光太郎 3193
27 斜陽  / 太宰 治 3005
28 新生  / 島崎 藤村 2902
29 セメント樽の中の手紙  / 葉山 嘉樹 2876
30 桃太郎  / 芥川 竜之介 2830
31 高瀬舟  / 森 鴎外 2826
32 鼻  / 芥川 竜之介 2786
33 駈込み訴え  / 太宰 治 2670
34 三四郎  / 夏目 漱石 2521
35 一握の砂  / 石川 啄木 2484
36 桜の樹の下には  / 梶井 基次郎 2396
37 月に吠える  / 萩原 朔太郎 2343
38 オツベルと象  / 宮沢 賢治 2272
39 藪の中  / 芥川 竜之介 2242
40 山羊の歌  / 中原 中也 2185
41 変身  / カフカ フランツ 2178
42 桃太郎  / 楠山 正雄 2126
43 人間椅子  / 江戸川 乱歩 2084
44 杜子春  / 芥川 竜之介 2079
45 堕落論  / 坂口 安吾 2077
46 風の又三郎  / 宮沢 賢治 2019
47 痴人の愛  / 谷崎 潤一郎 2018
48 富嶽百景  / 太宰 治 1985
49 蒲団  / 田山 花袋 1985
50 トロッコ  / 芥川 竜之介 1979


今では電子図書館という選択肢もある


電子図書館と聴くと、電子書籍や電子ブックと同じ意味と思う方もいるかもしれません。

でもそうではなく、電子図書館は文字通り電子図書専門の図書館や電子書籍を扱っている図書館のことを指します。

あえて「電子書籍を扱っている図書館」というのは、現在のところ、すべての図書館が電子書籍を扱っているわけではないからです。

残念ながら日本の電子図書館の普及は米国などと比べると非常に遅れており、目下のところ数はそれほど多くはありません。

とはいえ大都市部にはある程度普及していますから、そこを利用すれば紙の本だけでなく電子書籍も読むことができます。

電子図書館の最大のメリットは、わざわざ足を運ばなくても、自宅に居ながらパソコン上で借りて読むことができる点です。

返却も然りで、画面の返却ボタンをクリックするだけで終わるのです。

これだけ便利だと、図書館の利用が一気に増えそうです。

2018年1月24日水曜日

歳を取るほど時が早く過ぎると感じるのは何故なのか?


「人生は加速する」というのは本当か?


作家浅田次郎氏がエッセイの中で書いていることですが

フランスの心理学者ピェール・ジャネという人が「人生は加速する」という学説を唱えています。

それは「人生の一時期における時間の心理的な長さは年齢に反比例する」というものです。

これを具体的に言うと、例えば10歳の少年の1年は人生の10分の1だが、60歳の1年は人生の60分の1しかないから、心理的に短く感じる、というものです。

この説について浅田氏は「わかったような、分からないような」と書いています。

ペェール・ジャネの「ジャネーの法則」とは


ジャネーの法則


ジャネーの法則は、19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネが発案したものを、甥の心理学者ピェール・ジャネが著書において紹介したたもので、「主観的に記憶される年月の長さは、年少者にはより長く、年長者にはより短く評価される」という現象を、心理的に説明したもの。

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いかがでしょうか、上の説明でジャネーの法則は理解できたでしょうか。

おそらく多くの方が、浅田次郎氏同様に、「わかったような、わからないような」というような状態なのではないでしょうか。

60歳の人の1年は10歳の少年の1年の6分の1でしかない


確かに10歳の少年の1年は人生の10分の1で、60歳の人の1年は人生の60分の1であることは間違いなく、これについては誰もが理解できるでしょう。でも問題はその次です。

生きてきた期間に対する1年の値は、10歳の少年に比べると60歳の方が圧倒的に少ないことは分かりますが、1年の量は10歳も60歳も同じであるはずです。

つまりどちらにとっても1年は365日で変わりないのです。

それなのになぜ60歳の方がはやく早く過ぎるのでしょうか。

60歳の方が早く過ぎるというのは万人が認める事実で、10歳の少年とは明らかに異なるのです。

これについてはいったいどのように理解したらいいのでしょうか。

早く過ぎる気がするのは、残り少なく貴重なものだから


ジャネーの法則にあるように、確かに60歳の人の1年は、10歳の少年に比べるとその値は6分の1でしかありません。

つまり60歳は10歳に比べると同じ1年が6倍も少ないのです。これでは短く感じるのも当然です。しかしここでよく考えてください。

ジャネーの法則をよく読んでみると、「年少者にはより長く、年長者にはより短く評価される」という現象を、心理的に説明したもの。とあります。

問題はこの心理的ということです。つまり、10歳と60歳の1年の違いは、あくまで心理的なことであるという点です。

ではなぜ、心理的にこうした違いが生じるのでしょうか。

それは両者の残り時間の差にあるのではないでしょうか。

これについて具体的に書いてみましょう。

例えば平均寿命が70歳とすれば、10歳の少年には残りが60年あります。

一方60歳の人の残りは10年しかありません。

何事もそうですが、希少価値と言われるように、一般的に人は量が少ないものにより大きな価値を見い出すものです。

とすると、残りの多い少年に比べると、残りが少ない60歳の人の方が1年の価値はうんと高いはずです。

価値が高いゆえに大事に思う気持ちも高くなります。そのため失いたくない気持ちが強くなります。

その結果、時の経過ばかりを意識するようになります。

一方少年の方は、残りが多いゆえに、1年をそれ程貴重なものと思わず、時の経過など意識せず忘れてしまっています。

過剰に意識することと忘れてしまうことでは、速く経過するという点で大きな差が生じるのは歴然としています。

要するに、高齢者が時が速く過ぎると感じるのは、「残り少なく貴重なもの」と思う気持ちが強いからなのです。

2018年1月21日日曜日

今は懐かしい ・ 大阪万博(EXPO’70)開催時の職場日誌



大阪万博が再び計画されているが


いま大阪では、再び万博を開催しようと、開催予定の2025年に向けて誘致運動に力が注がれているようです。

早いもので、1970年の大阪万博から、はや半世紀近く経ちます。

今日ご紹介するのは、万博当時、VIPの宿泊先になった会場から遠くない大阪市内のホテルで勤務していた頃の懐かしい記録です。

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1970年3月・わたしの職場日誌


× ×日)

EXPO開幕まであと数日、まわりの空気がにわかに慌ただしくなってきた。

各国のパビリオン関係者もこのところ最後の追い込みに懸命のようだ。

コロンビアから来たロドリゲス氏もその一人。疲れ切った顔で深夜2時ごろ帰ってきた。

聞くところによると、彼の国は万博がオープンして、すぐに最初のナショナルデイをやるということで、政府代表の彼はその準備に日夜謀殺されているそうだ。

「お疲れのようですね」

「いや、まったく疲れた。このところ毎日こんな時間になるのだよ」

やや不機嫌そうな表情で、そう言いながら鍵を受け取るとそそくさと自分の部屋へ向かっていった。

ふと数か月前の、このホテルのopen直前のことを思い出した。

ああ、あの時の我々の状態と同じなんだな。さぞきついでしょう。えらいでしょう。

でもロドリゲスさん、お国のためです。しんどいでしょうが頑張ってください。

Good night. Have a nice sleep


××日)

万博第一日目。夜も更けつつある10時半ごろ、急に辺りがガヤガヤと騒々しく
なった。

オヤッ、お帰りだな。それにしてもこんな時間にゾロゾロと。

ああそうだ。万博は9時半にcloseするのだ。それからホテルへ帰ると、そうか、これでいいのだ。

それにしてもこのラッシュは凄い。前から横から、ひっきりなしに自分のルームナンバーを叫ぶ声が乱れ飛ぶ。

これから当分の間、この時間帯はこうなのだな、と思うと、いささかげんなりする。

客の波が少し途絶えたころ、アメリカ人らしい一人に万博第一日目の様子を訊いてみた。

「どうでしたか、今日のエキスポは?」

「ベリーグッド、ファンタスティック!」

「ああそうですか」

こちらはどれくらい入ったかを訊くつもりだったのだが、いささか拍子抜けの返事、質問の表現が悪かったのだ。

でも帰ってくる人の顔はみな満足気だ。この様子だと、まず初日の万博は順調だったらしい。

それにしても今日は良く客が入ったものだ。

手元に残っている客室はわずか10室余りしかない。

さあ今日のアーニング(売上報告書)の結果が楽しみだ。


××日)

22階の特別室、インペリアルスイートに今日から5日間の予定でクウェートの石油王S氏夫妻の予約が入っている。

このホテルが誇る1泊20万円(現在の!貨幣価値では80~100万円ぐらい)の部屋に5泊も予約があるということは、なんとも嬉しいことだ。

しかも泊まる人がクウェートの石油王とくる。

聞くところによると、この夫婦は万博見物のために飛行機を一機チャーターしてやってきたそうである。

まったく豪華な話ではないか。

さあ天下のお金持ち、S氏夫婦をわれわれスタッフ全員で迎えよう。


××日)

万博が始まって1週間過ぎた。思わぬキャンセルなどがあって、やや空室が出る日もあるが、客室売り上げ状況はまずまず順調である。

それにしても寒い毎日で、3月も終わりというのに、このところ千里丘陵には雪のちらつく日がやたら多い。

これでは暖かい国から来た人には気の毒だ。

チリ―からきたFさんは、ジャパンは毎日chilly(チリ―)だと洒落ている。

そんなに寒いのならちり鍋でもつついたら、とやり返したが、これは通じない。

この人たちのためにも、早く暖かくなってほしいものだ。


××日)

3月も余すところ数日となって、このところ気温も急上昇して、やっと春らしくなってきた。

今日から万博にちなんだ国際映画祭の開幕だ。

世界各刻の映画関係者の予約がワンサと入っている。

そう言えばつい先ほど、世紀の大女優クラウディア・カルディナーレもチェックインしたようだ。

きれいだ。それになんといっても大女優としての貫禄と風格がある。

ああ、EXPOはまだ開幕したばかりだ。180日の大ロングランでまだまだ先は長い。

10階もの夜勤に、はたして身体は耐えうるだろうか。

せいぜい摂生してスタミナ保存に努めなければ。

2018年1月17日水曜日

アラフォーパラサイトシングル300万人の衝撃! ・ アラフォー3人に1人が生涯独身に


パラサイトシングルはよくできた言葉


30代~40代の、いっぱしの年齢になっても、いつまでも自立せず親と同居している独身者のことをパラサイトシングルとは上手く言ったものです。

これは寄生という意味のパラサイトに独身を表すシングルをくっつけたもので、中央大学教授の山田昌弘氏が命名したものです。

造語としても優れている上に、言葉としても時代を反映したみごとな新語と言えます。

インスタ映えとか忖度などのつまらない言葉に流行語大賞を与えるなら、この素晴らしい言葉に造語大賞?でも与えた方がどれほどましでしょうか。

前置きはこの程度にして本論に入ります。

今回のタイトルになっている「アラフォーパラサイトシングル300万人の衝撃・アラフォー3人に1人が生涯独身に」ですが

これは上述の山田氏の最近の著書「底辺の競争」のテーマをもとに付けたものです。

「アラフォーパラサイト300万人」が意味することとは?


山田氏の最近の著書「底辺への競争」によりますと、35歳~44歳の、いわゆるアラフォーと言われる層で親と同居している独身者は300万人に達しています。

これは現在の日本の人口から考えると約40人に1人に当たります。また同世代に占める割合は6分の1になります。

この数が多いかどうかピンと来ない方は過去の数字と比較してみると良いでしょう。

たとえば今から約40年前の1980年には、この世代の親との同居者は同世代の2.2%でしかありませんでした。

それが2012年には16.1%305万人まで急増したのです。

3人に1人のアラフォーが生涯独身に


今回のターゲットになっているのは35~45歳の層ですが、10年後にはこの人たちは45~54歳のアラフィフに達します。

このことは大きな問題を秘めています。なぜなら生涯独身に大いに関係あるからです。

その理由は、生涯独身者の数の予測は、50歳の人を元に測られるからです。

50歳時における独身者の数に一定の率を掛けたものが生涯独身者の予測数になるのです。

つまりアラフォーの独身者の数から、50歳時の独身者が測定され、さらなる計算の結果「3人に一人が生涯独身」という最終的な答えが導き出されるのです。

アラフィフの同窓会が恰好の婚活の場に?


しかしアラフィフの3人に一人が生涯独身というのは驚くべき数字ではありませんか。

これだと「アラフィフに石を投げれば独身者に当たる」とジョークが言えるほどです。

こう書いていてふと思いついたのですが、例えばこの層の同窓会を開いたらどうでしょう。

仮に出席者がを30名だとすると、その内10名が独身者ということになります。

これは考えようによっては絶好の婚活の場になるのではないでしょうか。

もしうまくいって最高の結果が得られたとすると、一挙に5組?ものカップルが成立することになるのですから・・・