電車やバスには高齢者が溢れているが・・・
4人に一人が65歳以上という超高齢化社会の今の日本では、当然のことながら乗り物の中でも高齢者に遭遇することが珍しくありません。
電車やバスなどには、いわゆる優先座席と呼ばれる高齢者や障害者などが優先的に座れる席があります。
たいていは車両の前の方の数席分がそれに充てられていることが多いようです。
しかし今のように高齢者が全体の4分の1に達するほど多ければ、優先座席が数席分では足りません。
これでは高齢者と言えども座れない人も多く出てきて、そうした人たちは座席の前や横に立つことになります。
こうなると座っている人はそうした高齢者に席を譲ろうとします。
たいていの人は目の前で不自由そうに立っている高齢者に知らん顔をして座り続けているほど厚かましくないからです。
目の前の高齢者を見れば、すぐ立ち上がって「どうぞ」と席を譲るのがマナーであると考えているのです。
しかしです。高齢者と見れば何が何でも席を譲ろう、とするのも考えもので、よく相手を観察した上での行動が大切です。
でもいったいなぜでしょうか?
高齢者でも席を譲ってほしくない人もいる
高齢者と言っても体力や健康状態はいろいろです。
乗り物の中の高齢者にも、いかにも足腰が弱そうで歩行がおぼつかないような人も見かけます。
当然ながらこうした人には即座に席を譲るのが賢明です。
しかし若い人となんら変わりがないような軽快な足取りで、見るからに壮健そうな人も珍しくありません。
問題になるのは年齢的な条件だけを考慮して、こうした壮健そうに見える人に席を譲ろうとする場合です。
こうした人たちは高齢者と言えども、まだ席を譲ってもらうほど体力は衰えていない、というプライドを持っており、席を譲ってほしくない、と思っているかもしれないのです。
そんな人に席を譲ろうと、どうぞ、と声を掛けたらどうでしょう。
はたしてその人は有難いと思うでしょうか。
感謝するどころか、むしろ要らぬおせっかい、と有難迷惑の気持ちを抱くのではないでしょうか。
席を譲られるのがイヤなのは老人と断定されることだから
高齢者の中には自分はまだまだ心身ともに壮健であり、日頃から若々しくありたいと思っており、周りから年寄り扱いされたくない、と思っている人は少なくありません。
こんな人が乗り物の中で席を譲られると、内心良い気持ちはしないのです。
何故なら自分ではまだ若いと自負しているからです。
それなのに、どうぞと席を譲られるということは、相手が足腰の弱い高齢者と判断してのことだと思うからです。
つまり、周りの人から世間一般の体力のない高齢者と同じように見られることがイヤなのです。
それがプライドを損ね気分を害することに繋がるのです。
その結果、親切がアダになるのです。
このように、せっかくの親切が有難迷惑にならないためにも、高齢者に席を譲ろうとするときは、相手をよく観察した上での行動が大切なのではないでしょうか。
ブログにこんな記事を書くのも、つい最近わたしがそんな経験をしたからです。
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