2011年1月19日水曜日

給料は「貰うもの」ではなく自ら「稼ぎ出すもの」である


Sさん(35歳)の給与明細

おそらく高度急成長時代だと、誰も今回のこのタイトルのようなことは考えてもみることもなく、「給料なんかほっといても入ってくるもので、しかもその額は年とともに自然にドンドン上がっていくものだ」というふうに考えていた人は多かったのではないだろうか。

しかしそんな時代はとっくに去ってしまって、今や空前の就職難時代になってきたのだ。

それ故に給料を貰うどころかそれに必要な就職の糸口さえ掴むことが出来ないような社会になっているのである。

これに関して以前私のいた会社の上司が朝礼で言っていた言葉を思い出す。

「いつまでもあると思うな、親と給料」

今になってこの言葉の意味は実感として実によくわかる。

でもよく考えてみればこれはごく当然のことなのである。

もし「給料は貰うもの」と考えている社員ばかりの会社だと、はたしてその先どうなるであろうか。

結果は明らかで、こうした会社だと好景気にわく時はまだしも、少しでも不況になると業績は一気に悪化してくるのではないだろうか。

つまり「貰う」とか「支給される」とかいう受身精神の社員ばかりだと「稼ぎ出す」という積極性がなく、自分の給料を稼ぎ出すどころか、会社自体の利益をあげることも難しくなり、次第に業績は悪化しそのうち存続さえ危うくなっていくのではないだろうか。

したがって、長期にわたりいつまでも安定した給料を得ていこうと思うなら、まず給料は貰うものでなく、自らが稼ぎ出す物である。というふうに考えを改めるべきではないだろうか。

ある会社で新人の営業社員を前にその会社の社長が話していた。

「どうか皆さんはこの会社に雇われているという考えではなく、場所と設備とノウハウを借りて自分で商売をやっていると考えてください。

そうすれば自分の商売だから当然利益を上げるということに熱心になり、その結果皆さん自信も報われてきて、会社にとっても利益になるのです。

今日から皆さん一人一人は○○商店や△△商店の経営者です」

どうかこの精神を忘れずにご健闘ください」

これは実に的を得た訓話ではないか。

これだと誰も給料は貰うものではなく自ら稼ぎ出すものだとはっきり自覚できるではないか。

そういう自覚に基づいた積極精神を持っている者なら、幾ら不況時代だとは言え、どこの会社でも門戸を開いて喜んで社員として採用してくれるのではないだろうか。

私はかつての会社の上司からこんなことを聞いたことがある。

「営業マンは最低自分の給料の4倍ぐらいは利益を稼がなければいけない。3倍ぐらいだとトントンだ」

それを聞いて以来ずっとそれを守ってきた。

今後もう二度とかつての高度急性長期のような好景気にわくことはなく就職へのハードルはますます高くなっていくに違いない。

しかも多くの会社では直接利益を生み出すことが出来ない間接部門の事務社員を大きく減らす傾向にある。
こうしたことも加えて、就職への間口は年々狭くなっていくばかりである。

こうした厳しい状況下で、これから就職しようという若者はぜひこの「給料は自分で稼ぎ出す」という積極精神を身につけて欲しいものである。

それこそが、会社を長く存続させ「自分の給料」を守る道なのであるから。

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