1月5日付のブログに「激減したハーバード大学日本人留学生」というタイトルの記事を書いたが、
その時には触れなかったのだが、ハーバードの留学生数でアジア他国の学生数に大きく水をあけられた原因にの一つに、日本の学生に比べて中国と韓国の学生が急速に英語力をつけてきたことがあるのではないだろうか。
留学といえば避けて通れないのはTOEFL(トーフル)のテストである。
「TOEFL」とは英語コミュニケーション能力を試すテストで留学生の適正をはかるのに欠かせないものである。
つまり英語圏の大学で授業を受けるに足る英語力をつけているかどうかを測るテストなのである。
そのテスト結果の近年の数字を眺めてみると、他の2国がどんどんスコアを挙げているのに対して日本の学生の成績はどうも芳しくなく、次第に大きく水をあけられてきているのである。
まず下の数字を見て欲しい。
日本人・中国人・韓国人のTOEFL平均スコア比較
中 国 509点 560点〔+51点〕
韓 国 505点 522点〔+17点〕
国際文化学と英語教育』阿部美哉編国際教育交換協議会日本支部代表部 TOEFL事業部
今から十年前ぐらいの調査でデータとしては決して新しいとは言えないが、実態を測る為の資料としてはじゅうぶんだと思える。
というのもその後の中韓両国の英語教育に対する力の入れ方から考えてもその後日本との実力差が縮まっているとは思えず、むしろ一層拡大しているのではないかと思えるからである。
またこの他の資料として民間の組織である「ベネッセ」と「国際基督教大学」の共同調査による高校生の日中韓3国の英語力調査についての結果報告もある。
以下はその調査レポートである。
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3国のほぼ同じレベルの高校1、2年生計約1万3600人を対象に「読む」「聞く」「書く」の英語力を測ったところ、中国学生は800点満点に432.6点で、最も高い点数を取った。
韓国学生は平均414.1点、日本学生は407.9点だった。
中国学生は3部門でまんべんなく高い成績を取っているが、韓国学生は読み取りと聞き取りには優れているが、作文の実力で遅れをとっている。とりわけ、作文では160点満点に51.5点を取り、日本高校生(84.8点)にも大きく遅れをとった。
こうした結果について調査機関は「韓日高校生のこうした英語力は、ホームステイや海外旅行のとき、実際に英語を使えるレベルのもと」と評価した。一方、英語習得への意欲でも、韓国学生は実際に取った自身の点数とは関係なく、スピーチ・ディベート・ホームページ作りなどで、英語を積極的に活用できると回答し、他国の学生より英語に自信を持っていることが分かった。
インターネット「日中韓3国の英語力比較」より
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こうした二つの調査の事例でわかるように、どう見ても日本の英語力は他の2国に比べて劣っているようである。
こうした現実が先日のブログの「激減したハーバード大学日本人留学生」のように留学生の数で中国、韓国に大きく水を開けられてきている原因になっているのではないだろうか。
現在の日本は先人が残した過去の遺産のおかげで、世界の知の象徴と言われる「ノーベル賞」で、アジアNO.1受賞者数を誇ってはいるが、昨今のこの英語力の差は近い将来においては地位の逆転もじゅうぶん考えられることではないだろうか。
その点は大いに危惧されるところである。
さいわい本年度2011年新学期からいよいよ小学校での英語教育が本格的にスタートすることになっており、これを機に日本の英語学習への機運がいっきに盛り上がってきて欲しいものである。
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