「誠に残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」
米国家経済会議(NEC)前委員長のローレンス・サマーズ米ハーバード大学教授が3月23日、 ニューヨーク市内の講演で断言すると、会場が静まり返った。
米国では、震災後の落ち着いた日本の社会秩序が評価される一方で、経済の先行きが懸念されている。
米国のエコノミストは第2四半期(4〜6月)の日本の国内総生産(GDP)が前年比約3%減るとみているが、減少率の半分、1.5%分が東電「発」によるネガティブ要因。
放射能漏れや停電が都心部の経済活動を妨げ、消費の低迷につながるという見方だ。
誠にショッキングであるが、これは最近発表された米国学者による今後の日本の経済予測である。
だがこういった意見を待たずしても、日本はもはや金持ちどころか世界有数の貧乏国になっているのではないだろうか。
そのことを分かりやすく理解する為にまず上の図表に目を通していただきたい。
これを見るかぎり、日本の政府債務残高GDP比率は世界のどの国より突出して高くなっているではないか。
こんな状態でありながら、なにをもってわが国のことをいまだに金持ちであるなどと言えるのだろうか。
そんなことは無尽蔵に増え続ける国債残高をごまかす為の政府役人の戯言でしかないのである。
騙されてはいけない。今や日本は世界有数の貧乏国へ転落してしまっているのである。
またこういうことも言える。日本の個人金融資産は人口上位1%の126万人が全体の30%の440兆円を保有している。1人平均では3億5000万円。
上場企業のオーナー経営者の自社株保有額は上位500人で計7兆円(1人平均140億円)に上がるという。
この事実が示すとおり日本は今や格差社会がドンドン進んでおり、豊なのはほんの一にぎりの人々だけで、その反面非正規労働者層は益々拡大を続けており、それら多くの貧困層は仕事の質、賃金の額両面とも悪化の一途をたどっているのである。
日本がもはや豊かな国でないことは、日毎ハローワークに群がる多くの人々を見るだけでも、それははっきりしている。
そろそろ私たちも、自国に対する認識をあらためる時期にきているのではなかろうか。
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