英国ハートフォードシャー大学の心理学者リチャード・ワイズマン博士らのユーモアの社会文化的研究の一環で、英国科学振興協会がスポンサーとなり、2001年に70ヵ国から40,000通ものジョークの応募を募り、これに対し、2,000,000人がインターネット上で採点投票を行った。
ウェブサイトの訪問者に自分が好きなジョークをエントリーしてもらい、同時に他のジョークを5段階方式の人気投票にかけた。
この調査の目的は、異なる文化、人種、国や地域の広い範囲で理解されうるジョークを発見することであった。
この結果、ユーモアのセンスは国や地域ではっきりした差異があることが分かった。
イギリス、アイルランド、オーストラリアなどではシャレなどの言葉遊びが、アメリカ、カナダでは他人の愚かな振る舞いが、ヨーロッパの多くの国では現実離れしたホラ話が好まれていた。
第一位
第一位はイングランド、マンチェスターの精神科医ガーパル・ゴゾール氏の作品であった。
二人で狩りに出たニュージャージー州のハンターが森を歩いていたところ、一人が地面に崩れ落ちた。彼は呼吸している様子もなく、白目を剥いていた。もう一人のハンターは慌てて取り出した携帯電話で救急隊に電話をかけ、『友人が死んでしまった!
どうすればいい?』と聞いた。
救急隊のオペレーターはなだめるような冷静な声で返答した。
「落ち着いて。大丈夫。まず、死んでるかどうかを確実に(Make sure he is dead)。」
一瞬の静寂後、バン!
オペレーターの耳に1発の銃声が響いた。
続いて、「確実にしたよ! で、これからどうしたらいい?」というハンターの声が。
("Make sure he is dead."は「死んでいるかどうか確認せよ」と「確実に殺せ」との二様に解釈できる。オペレーターは前者の意味で発言したが、ハンターには倒した獲物の頭にとどめの一発を打ち込む習慣があるため、後者の意味に解釈してしまったものである。)
第二位
第二位はイングランド、ブラックプールのジェフ・アナンダッパ氏 によるもの。
シャーロック・ホームズとワトソン博士がキャンプに出かけた。二人は星空の下、テントを張って眠りについた。
まだ暗い時間に、ホームズがワトソンを起こした。「ワトソン君、上を見て君の推理を聞かせてくれたまえ。」
ワトソンはちょっと考えて答えた。「無数の星が見える。」
「そのことから何が分かるかね、ワトソン君?」
ワトソンは答えた。
「この大宇宙には何百万もの銀河とおそらくは何十億もの惑星がある。占星学的に言えば、土星が獅子座宮に入っている。測時法で言えば、今はだいたい午前3時15分だ。神学的にならば、神は全能で、ぼくたちはちっぽけで取るに足らない存在だ。
気象学的には、たぶん明日はよい天気だろう。」
ホームズ:「バカ! 僕たちのテントが盗まれたんだ!」
ウィキペディア「世界のジョーク」より
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