国は「法的に問題」と言うが、超高齢化社会の日本ではこれが正しい選択なのでは
公営住宅などで孤独死した人の遺品の整理について、一部の地方自治体では正規の手続を省いて廃棄処分をしている。
そうでもしないとどんどん遺品がたまってきて収拾がつかないからである。
超高齢化社会において、高齢者の一人世帯がどんどん増えている現状を考えると、今後こうした孤独死は増加の一途をたどることが予想され、遺品も急激に増加してくることも予想される。
したがって、法的に一抹の不安が残るとは言え、保管の手数や場所のことを考えれば廃棄処分は妥当なのではないだろうか。
これに対して国は問題があると言っているが、この財政難の折に、人手と費用をかけてまで、引き取り手の現れる可能性の極めて低い遺品を管理すると言うのだろうか。
法的にグレーゾーンにある行為だとはいえ、高齢者をめぐるわが国の現状を考えれば、保管するより破棄する方がどれほどスマートなやり方ではないだろうか。これは誰が考えても明らかである。
万一引き取り手が現れたら、そのときは話し合えばすむことではないか。
まさか賠償問題にまで発展することでもないだろう。
以下はこの問題に関する朝日新聞の記事である。
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【東孝司】公営住宅で孤独死した入居者の相続人がいない時に、正規の手続きを経ずに遺品を廃棄している自治体があることが分かった。
朝日新聞が全ての都道府県・政令指定市に取材したところ、9都県市が認めた。手続きにともなう財政負担の重さが理由で、担当者は「グレーゾーンだと分かっているが、やむを得ない」と打ち明ける。
朝日新聞が47都道府県と20指定市に公営住宅の単身入居者の遺品の扱いを取材した。結果、相続人がいなかったり、引き取りを拒否されたりするケースが、67自治体のデータがそろう2009年以降に38自治体で起きていた。
相続人の存在が明らかでない場合、民法は、家主などの申し立てをもとに家庭裁判所が選んだ弁護士や司法書士らによる「相続財産管理人」が相続人の有無などを詳しく調査し、故人の財産を清算すると定めている。
処分後に新たな相続人が名乗り出てトラブルになるのを防ぐためだ。しかし、この手続きを踏んでいたのは、北海道と大阪市だけだった
2月17日(日) 朝日新聞
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