ついこの2~3年の間に普及が進んできた電子書籍端末が、もう需要に陰りが見え始めているという。
この数年、各メーカーがしのぎを削って開発競争を続けてきた期待の商品のはずなのに
なぜこうも早く寿命が終わろうとしているのだろうか。
ますます加熱するiphoneブームの中にあって、これは不思議な現象である。
この現象は日本国内より、むしろ米国などの先進国で顕著に表れているという。
いったいなぜだろう。素人にはまったく理解できないことである。
以下はこの問題に関する最近の日本経済新聞の記事である。
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縮小する電子書籍端末市場 消滅まであと何年?
アマゾン・ドット・コムの「キンドル・ペーパーホワイト」などの電子書籍端末が日本でも普及し始めた
「昨年の年末商戦で初めて電子書籍端末を買った」「最近、やっと電子書籍端末での読書に慣れてきた」――。
日本ではそんな利用者も多いと思うが、世界的に電子書籍専用端末の市場はすでに縮小に向かっている。電子書籍端末の“寿命”はあと何年か。専門家に意見を聞いた。
「こんなに急速に伸びて、急激に廃れる電子機器は前代未聞」と語るのは、米調査会社IHSアイサプライのジョーダン・セルバーン上級主席アナリストだ。
同社の試算によると、世界の電子書籍端末市場のピークは出荷台数が2320万台となった2011年で、今後は縮小の一途をたどる。
16年の出荷台数予測は710万台と、市場規模はピーク時の3分の1まで縮む。
別の調査会社、米IDCも同様に「11年がピーク」とみるが、縮小のペースはもう少し緩やかになると見積もる。
同社の予測によると、11年の年間出荷台数は2640万台で、17年には34%減の1740万台となる。トム・メイネリ調査ディレクターは、「18年以降も継続的に縮小していく」と予測する。
電子書籍専用端末が縮小する最大の要因は、安価なタブレット(多機能携帯端末)の台頭だ。「電子書籍端末は読書専用。
一方で、タブレットは1台あれば、読書はもちろん電子メールのやり取りやネット検索、動画の鑑賞などができる」とメイネリ氏。
アマゾンの電子書籍端末「キンドル」のイベントの様子=2012年9月6日、サンタモニカ(ロイター)
電子書籍端末とタブレットの価格差は縮まりつつある。少し追加で払うだけで多機能な端末が手に入るのであれば、あえて単機能の電子書籍を選択する必要はない。
例えば、米国で米アマゾン・ドット・コムは自社の電子書籍端末「キンドル・ペーパーホワイト」を119ドルで販売しているが、タブレット「キンドル・ファイアHD」は199ドル。その差はたった80ドルだ。
2013/3/28 日本経済新聞電子版
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