財務省「双子の赤字」懸念 4カ月連続経常赤字
10日発表の1月の国際収支速報で経常収支が初めて4カ月連続の赤字となり、今後、日本が国債を安定的に消化できるか懸念が強まっている。
財務省は同日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会で、貿易赤字の拡大を背景に経常収支が年間を通じて赤字に転落する可能性があり、財政赤字との「双子の赤字」に陥ることへの懸念を表明した。
家計の金融総資産から住宅ローンなどの負債をのぞいた純資産と、国・地方の総債務との差が「近年中になくなる見込み」との見解も示した
。高齢化で社会保障費の増加に歯止めがかからず、債務残高が膨らみ続けるなか、こうした事態は国債の国内での消化を難しくしそうだ。
海外投資家の国債の保有割合が増える可能性にも触れた。「その投資動向は市場にも影響する」と指摘した。
同分科会は今後、長期的な日本の財政運営に関する問題点を洗い出し、課題解決に向けた提言をとりまとめたい考えだ。6月にまとめる政府の「骨太の方針」への反映をめざし、5月下旬まで協議を続ける。
今回から新たに分科会の委員を8人増やし、計32人となった。三菱東京UFJ銀行の永易克典会長やBNPパリバ証券の中空麻奈投資調査本部長らが議論に加わる。
日本経済新聞 2014年3月10日
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