2010年10月10日日曜日

急激に減少した暴走族グループ・いったい彼らに何が起ったのか?

もう20年以上大通りに面したターミナル駅近くのマンションに住んでいるのでその動向がよく分かるのだが、気がついてみるとここ数年、暴走族がほとんど現れなくなっており、彼らのオートバイの爆音に悩まされることがまったくと言っていいほど無くなっているのである。

つい3〜4年ほど前までは、私のマンションのすぐ近くの駅前ロータリーを中心に、そこから南に延びる駅南大通り一帯はまさに暴走族のメッカと言ってもいいぐらいの土地柄だった。

季節を問わず週末の金曜、土曜ともなれば、決まったように彼らがけたたましい爆音とともに大挙して現れてきて、深夜遅くまで近隣住民の安眠を妨げていた。

その騒音たるや誠に凄まじいもので、普通の神経の持ち主が絶えうる限界をはるかに超えているほどの、まさに地響きを轟かせ、鋭く天を突くような、およそ形容しがたいほどの凄まじい音であったのだ。

したがって我慢しきれない住民は当然のごとくすぐさま110番通報をする。

すると間もなくけたたましいサイレンとともに数台のパトカーがやって来る。

それからがまた大変なのだ。

パトカーVS数十台の暴走族オートバイの凄まじいカーチェイスが展開されるのである。

私は悔しさを込めて眠たい目をこすりながらベランダからその様子をよく観察したものだが、逃げまわる暴走族の巧みな運転術は実に見事なもので、パトカーが追いついて暴走を静止させることは一向になかったようだ。

したがって見ている私などは、パトカーの運転技術に問題があるのではないか、とその当時よく思ったものだ。

そのカーチェイスは延々一時間ぐらいも続き、そのうち
まるでその「遊び」にあきたかのように暴走族が何処かへ姿を消していく。

4〜5年前までは、そうしたけたたましい騒音を伴った光景がほぼ毎週続いていたのである。

それが突如として、このところまったくと言っていいほど姿を見せなくなったのだ。

それ自体は住民にとっては誠に喜ばしいことに違いないのだが、十年以上に及ぶ長い間の関わりの割には、それほど時を経ない間にあっさりと姿を消してしまったそのあまりにも大きな変化に、時としては一抹の惜別の念さえ感じることもあるのである。

暴力団予備軍とも呼ばれ、長い間市民の敵であった彼ら暴走族は、いったいどこへ行ってしまったのだろうか。

その動向についてネットなどで調べてみると、どうやら
ここ数年の間にその構成員とその予備軍の数は激減していて、グループとしても成り立たなくなり、集団の数そのものが最盛期の4分の1以下にまで減ってきたのだという。

その原因はいったい何なんであろうか。

それにはいろいろな説があるのだが、そのひとつは若者にとって昔は高嶺の花であったオートバイが今では比較的手軽に手に入るようになり、それ故に大衆的になったオートバイがもはや憧れの的でなくなったのであり、したがってそれに乗って街中を疾走すること自体をかっこいいと感じられず、それ故暴走族に魅力を感じなくなってしまったのである。

ましてや警察の取締りが一段と強化されている今、それを押してまで志願する若者がいなくなったということなどが有力な説である。

何はともあれ、日本の文明社会が一段階進化して、成長期から成熟期に移行する時代特有の、過激とも言えるひとつの社会現象が消滅しつつあることは誠に喜ばしいことである。

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