まず下の数値を見て欲しい。
校名 偏差値 登録同窓生
上位 A校 69 895名
B校 65 612名
C校 63 418名
下位 J校 49 186名
K校 43 145名
L校 40 14名
この表は姫路市の一部の高等学校(普通科)の偏差値と、インターネットの同窓会サイトの登録会員の数を示したものである。
この数値を見れば一目瞭然のごとく、上位の学校も下位の学校も偏差値の数字に登録同窓生の数が規則正しく準じているではないか。
つまり、偏差値が高い学校ほど登録同窓生は多く、逆にそれが低い学校ほど登録同窓生の数も少ないというふうにである。
この登録同窓生というのは、もう随分以前からネットにある「この指とまれ」という人気同窓会サイトに登録された同窓生の会員数である。
この数値について別の言い方をすれば同窓会員が多いということはつまり愛校心が強いということであり、少なければ愛校心が弱いと言えるのではないだろうか。
それゆえに「偏差値ランキング」は即「愛校心ランキングだ」であると言ってもいいのではないだろうか。
世の中の一部の人たちは受験競争に明け暮れる進学校を人間性が育たないなどと、さも悪いものであるかのように言う人があるが、この数値を見たら決してそんなふうには言えないのではないだろうか。
むしろ受験に明け暮れない偏差値の低い学校の方が愛校心が欠如しており人間性も育っていないという数値を表しているのである。
何故こういう結果になるかは言わずと知れたことである。
それは偏差値の高い進学校にはバランス感覚に優れたレベルの高い教師や柔軟な考えができる賢い生徒が多く集まるからであり、いい先生やいい友達に囲まれ次第にいい方向へと感化されていくからなのである。
逆に偏差値の低い学校ではいい教師や友人に恵まれることが少なく、言わば「朱に交わって」しまうため、必然的に悪い方向に流されてしまうのである。
そして結果としていい思い出が作れないまま終わってしまうのである。
こういう見地から考えると進学する高校選びは学力だけでなく、人間性の形成にも大きく関係してくるのであり、決しておろそかにはできない重要な意味をもっているのではないだろうか。
それ故に高校選びこそ、人生における重要課題のひとつであるとも言えるのである。
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