2010年10月11日月曜日

消す作業は進化した・いま「erase」から「delete」へ

パソコンと言えばなにかとインターネットの人気ばかりが先行しがちだが、作家をはじめ、こと書くことを本分とするいわゆるライターと呼ばれる職業に従事する人々にとって

インターネットと同じぐらい価値が高いものがマイクロソフトの「ワード」とか「エクセル」など書くためのソフトの存在ではないだろうか。

作家やライターには書き終えた原稿を推敲して手直しする作業が必要になってくる。

その手直しに必ず出てくるのが書き直しという作業である。

手書きのライターにとって、その書き直しのためには修正する箇所の消去が必要であり、そこで出てくるのが消去の為の消しゴムである。

この消しゴムを英語で言うと「eraser」となり、それを厳密に訳すと「こすって消すもの」という意味になる。

早くからタイプライターを使って文章を作る習慣のある欧米のライターと違って、ワープロが出現する前まで、日本のライターは書くことはすべて手書きに頼っていた。

そのため修正と言えば必ずこの消しゴムに出番がまわってきていたのである。

つまり修正箇所をこれでこすって消し、そこへまた新しい文字を書き入れるという作業が延々と行われていたのである。

ところがパソコンであればどうであろう。

修正箇所をマウスで選択し、次に「delete」のキーをクリックするとその箇所は一瞬にして消去されるのである。

つまり「erase」のようにこする作業などは伴わないのである。

これが「erase」と「delete」の一つ目の違いである。

次にゴム製の「eraser」で消すと、いかにうまく消しても完全に消去することはできず、多少なりともその消去跡が残る。

そのため上に書いた文字の美観は幾分損なわれるのが普通である。

その点パソコンだと完全に跡形無く消去できる為、その箇所に書き足した文字の美観を損なうということは少しも無く、はじめに書いたものとまったく同じ外観を保っているのである。

これが二つ目の違いである。

そして三つ目は、「eraser」を使えばこすった後に必ずゴムのかすが出てくる。

その点「delete」だと消した後、何かが出てくるなどと言うことはまったく無い。

以上の3点が「erase」と「delete」の違いなのだが、結果はすべて「delete」優位に傾いている。

いまだに手書きを続け、eraseの作業を継続している人もまだまだ多くいるとは思うが、「消す」という作業ににおいて、時代は大きくdelete優位に傾いてきているようである。

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