10月29日の「JT」の中間決算に関する新聞報道によれば、今期の売上高は前年比8%増で3兆2987億円、利益は24%増の800億円であったそうだ。
たとえ値上げ前の駆け込み需要があったとは言え、タバコの有害性が大きく叫ばれている中でのこの好調な業績は驚きである。
思うに駆け込み需要に走った多くの喫煙者は、何パックもまとめ買いするほどいまだにタバコに強い愛着を抱いているのだから、例えストックがなくなったとしても、また値上げされたタバコを買って喫煙を続けるに違いない。
今回の僅か100円の値上げでは、禁煙の為の強い動機づけにはならないと思われるからだ。
したがって次の決算での業績も昨年度に比べ少しのマイナスはあったとしてもそれほど大きく落ち込むことはないだろう。
値上げ価格については、禁煙を促進する為に一時は欧米並みの高い価格を設定すべきだと主張した関係者もいたのだが、結局2兆円以上の税収の魅力には勝てず、売上減少を少なくする為に最小金額の引き上げに落ち着いたのである。
このことはあらためて世界に於ける日本の後進性をはっきり示した一つの例である。
ではいま世界のタバコ価格がどうなのかを見てみよう。
タバコ価格国際比較
国名 銘柄 価格
イギリス ベンソン&ヘッジス 1186円
アメリカ マールボロ 830円
フランス ゴロワーズ 773円
ドイツ ハーベー (HB) 644円
このたびの日本の価格値上げで人気銘柄「マイルドセブン」が410円になってはいるが、欧米と比べるとまだこれだけ大きな開きがあるのである。
さて、本日のブログの終りに、米国タバコ産業の覇者レイノルズ社の幹部が語った言葉を載せておこう。
「タバコだって、あんなものは吸わない。我々はただ売るだけだ。若者や貧しい人、ブラック、そして馬鹿な奴らに買わせるのだ」
(ディビット・ゴーリッツが面談した、レイノルズ社幹部の談話より)
米国タバコ戦略「アクリコ日記」より
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