2010年10月12日火曜日
NPO法人・ピンからキリまで
このところ目にしたり耳にしたりすることが何かと多い「NPO」と称する組織名だが、その名称のNPOとは「Non Profit Organization」の略で、一般的には「Non Profit」つまり「非営利」の組織のこと指して言うということは今ではよく知られてきている。
このNPOの名称は非営利の事業を通して社会貢献を目指す、いわゆる「社会事業」分野での志し高い組織集団に与えられるもので、言わば非営利事業としてのひとつの「ステータスシンボル」を表す名称であると言っても間違いではないだろう。
しかしそんな高邁な組織の目的を知ってか知らずか、設立希望者は後をたたず、このところ、その上昇率たるや大変なもので、ここ数年間の伸び率を取ってみてもその数値は驚異的である。
いまや全国でその数はなんと「4万」にまで達しており、明確な理由も無いまま不自然なオーバーヒートを続けた結果だとはいえ、この増殖状態は異常であり、また社会事業を推進するこの種の非営利組織が今の日本これほど必要だとも思えない。
いったい何がここまでこの組織設立を駆り立てているのであろうか。
はたして設立希望者は真にこの組織にふさわしい目的を掲げての参加を望んでいるのであろうか。
いや、その急激な増加傾向からみて私には決してそうとは思えない。
つまりその多くはいわゆる便乗組であって、真の目的とは関係なしの何か他の目的をもって単にこの「NPO」の名前の利用を企んでいるのではないだろうか。
この法人を取仕切るのは国や県の官庁なのだが、どうも設立の為の審査が甘いのではあるまいか。
それを証明するデータがインターネットに出ているのでその数値を引用して紹介する。
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NPO申請受理数:41680件
認証数:40112件
不認証数:622件
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この数字が示すように不認証数が622件と申請数のわずか1.5%でしかないのである。
これを甘い審査と言わずして他になんと言えようか。
税金を使って補助金を出してまでその運営を助けているのであれば、申請があってもそれを安易に許可するので無く、設立目的などを厳正な目でチェックするなどして、もっと厳しい審査が必要なのではないだろうか。
また、いまも名前のある4万の組織の中には活動を停止している多くの休眠状態の組織が含まれているという。
したがって今後は、数にしても無尽蔵に増やすべきではなく、それには一定の制限を加えなければいけない。
ごく最近大阪でNPOを装った生活保護費詐欺事件があったが、こうした事件に利用されるほど、今ではNPOの名前自体が軽んじられ、安っぽくなってしまっているのである。
こうした状況を早く食い止めて、本来の目的にふさわしい組織の存在意義を取り戻す為にも、いま日本の「NPO法人」には大きな見直しが必要なのではあるまいか。
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