2011年7月15日金曜日

国民年金保険料納付率ついに60%を割る ・ ”国民年金保険料が払えない” 日本人平成貧乏事情


納付率がついに60%を割るという最悪の事態に
 
7月14日付け朝日新聞の記事によれば、国民年金の保険料納付率が初めて60%を割り込んだという。

厚生労働省が13日公表した2010年度分の納付率は59.3%で、前年度より0.7ポイント低下し過去最低を更新した。

収入が少ない非正規労働者が増えたことや、年金制度への不信感が背景にあるとみられる。
 
納付率は、加入者が納めるべき保険料の総額のうち実際に納められた割合で、低所得のため免除や猶予された分は除く。

納付率が下がるのは5年連続。とくに若い世代が低く、20代後半が46.6%、20代前半が49.2%、30代前半が50.9%だった。
 
10年度末の加入者は1938万人で、うち未納者は321万人。ほかに未加入者が9万人いる。

未納分は年金の支給額に反映されないので年金財政にはほとんど影響しないが、老後に低年金や無年金になる人が増える可能性がある。
 
  朝日新聞朝刊(2011年7月14日)
  
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老後も含めて、将来の生活設計のためにもっとも大切と思われる国民年金保険料の納付率が59%という過去最悪の状態にまで落ち込むということは、いったい今の日本に何が起こっているのであろうか。

これは間違いなく日本社会がどんどん貧困化に向かって進んでいることを証明する以外の何ものでもない。

上のグラフでもわかるように、最も若い世代の20代や30代に未納が多いのは、この層に給料の低い非正規労働者が増えたからに他ならない。

でなければ最優先に支払うべきものにこれほどの未納が出るはずがない

要するに収入が低いため払いたくても払えないのである。

上のグラフを見るとおわかりだと思うが、いま日本には35%にも及ぶ非正規社員がいるのである。

これらの人々の給料といえば常勤社員でも正規社員の半分もなく、ましてパートタイマーともなれば実に4分の1以下の低賃金なのである。

これではいかに大切な年金保険料だといえ、優先的に支払いにまわすことは困難であろう。

要するに「ない袖はふれない」のである。

いま政府は、あれこれと若者の雇用対策に知恵を絞っているようである。

しかし、どちらかと言うとテンポラリーな一時しのぎのプランが多く、抜本的な低賃金者救済策はまだ出てきていないようである。

それはなぜか?

はっきり言って現状認識が甘いのではなかろうか。

いいかえれば日本人がここまで貧乏になってきていることを認めていないのである。

考え方に、いまだに金持ち日本の余韻が残っているのである。

私の6月10日のブログ「日本は本当は貧乏なのでは?・そろそろ錯覚から覚めなければいけない」の中でも書いているように、アメリカの高名な経済評論家も言っているではないか。

「残念ながら今後の日本が貧乏な国になっていくことは間違いない」と。

こうしたことをふまえ、いまの政治家はまず現状をはっきりと認識することから始めなくてはならない。

そして「貧乏」という現状からスタートして、これから先、底辺の国民が少しでも豊かになるような施策を講じなければならないのではなかろうか。

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