2011年7月21日木曜日

これは問題ではないか・パソコン利用率がきわめて低く、授業中の居眠りがもっと多い日本の高校生

高校生のインターネット利用率国際比較

この問題は日本青少年研究所が行った日米中韓の高校生を対象にした調査で明らかにされた。調査は昨年9月から11月にかけて実施、4カ国の生徒約6千人から回答を得た。

・なぜ授業中に居眠りが多いのか

同研究所では「日本の高校生はゲームや携帯電話のメールで夜更かししており、授業への集中力が低下する傾向にある」と分析している。

調査では、授業の形態、勉強の仕方や時間、勉学の態度、学校生活への評価などを通して、日本の特徴が示されている。調査概要から日本の高校生に関する部分だけを抜粋してみる。

日本の授業形態では、教科書中心的な授業が好きという者が最も多い。

日本の高校生でもっとも特徴的なのは、授業中のテイク・ノートである。他の諸国の2〜3倍多い。

私語や飲食、メールを打ったりする"内職"は少ないが、授業中の積極的な発言や自主的に調べることなどは4カ国中最も少ない。

・先生への質問が少ない日本の高校生

わからないことがあった場合、日本の高校生は、先生にも聞かず友人に聞くことも比較的少なく、本もネットもあまり見ない。

そのままにしておく、という回答が4カ国中最も多かった。

日本の高校生は、4カ国中最も学校生活を楽しいと答えているが、あまり誇りには感じていない。

生活への張り合いは最も低い。選択科目を増やすことには消極的で、世の中で役に立つ勉強に関しては、4カ国中最低であった。

日本の高校生は、宿題に関してもその他の学習に関しても4カ国中最も勉強時間が短い。

日本は、試験の前にまとめて勉強するという回答が多く、自分で調べよう、他の方法でもやってみよう、実際に応用しよう、という気持ちが最も低くなっている。

子どもの成績に対する父親の関心が日本は際立って低い。

母親の関心も4カ国中日本が最も低い。日本の読書好きと答えた高校生が選んだジャンルで多かったのは、小説、マンガ、ファッション誌で、少なかったのは自然系、サイエンス系、歴史系の読み物だった。

・なぜ日本の高校生はパソコン利用がすくないのか

また、ネット検索をしたり学習したりレポート作成したりといったことにパソコンを使っている高校生の割合は、圧倒的にアメリカが多い。

日本の高校生のパソコン利用率は極めて低い。その代わり、携帯によるネット利用は他国より多い。

この調査結果からうかがえるのは、授業態度は真面目だけど、自主的に勉強することには消極的な高校生となる。

これだけインターネットやパソコンも普及しているにもかかわらず、パソコン利用率が低いのはどうしてか。

親が成績に関心が低いというのは、親は入学や卒業が大事で、学校で何を学ぶのかについて関心がないことの表れなのか。

この結果は日本の高校生1300名程度の回答であり、それが全ての高校生を表しているとは言えないかもしれないが、勉強に対する高校生の意識を反映してはいるだろう。

こういった意識の高校生が大学に入学してきて、大学の勉強の仕方は高校とは違うんだよ、と説明しても理解できないかも知れない。

やはり初年次教育とか導入教育とかいわれているようなものが必要なのかも知れない。

そんなことせずとも、学生自身が考えて行動するのが、大学じゃないのかという声も聞こえてきそうだが。

手取り足取りどこまで面倒をみたらいいのか。その塩梅が難しい。


以上、「日経新聞」及び「社会実情データ図録」より

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