2012年5月25日金曜日

再稼動が危ぶまれているわが国の「原発」だが、代替エネルギー「地熱発電」ではなぜ世界に大きく遅れをとっているのか?

 
 わが国は世界に知れた天然資源に乏しい国である。だが例外がある。

 それは地震国ならでの「地熱」である。活発な火山帯に属し強度の地震が多発する日本はアメリカ、インドネシアに次いで世界第3位の地熱源を保有する地熱大国なのだ。

 ところが、実際の地熱発電量を設備容量で見ると、日本は現在世界で第8位に甘んじており、こと地熱発電量では人口が僅か30万余のアイスランドにさえも遅れをとっている状態なのだ

 しかも、地熱のタービン技術に関しては、富士電機、三菱重工、東芝などの日本メーカーが、世界市場を席巻しているにもかかわらずだ。
 
 なぜ、これほどの資源に恵まれ、世界最先端の技術も有していながら、これまで日本で地熱発電は進まなかったのか。

 長年、地熱開発研究に携わってきた弘前大学北日本新エネルギー研究所の村岡洋文教授によると、日本で地熱発電が遅れた理由は明らかに国の政策が影響しているという。

 その背景として、景気後退による財政難と同時に、政府による原発推進政策があったとの見方を示す。

 また、日本の地熱源の多くが、開発が禁じられている国立・国定公園内に集中していることも、地熱開発の大きな足かせとなった。

 これらの問題に加えて地熱発電に対して慎重な姿勢を見せる温泉組合も大きなハードルになっているという。

 だが実際には地熱発電の温泉への影響はほとんど皆無と言ってよく、今後、温泉組合側にも利点のある温泉発電の普及などを通して、この問題も次第に解決されていくとの見通しを示す。
 
 世界有数の地熱大国である日本で地熱開発が進めば、太陽光や風力のように天候に左右される他の自然エネルギーと異なり、24時間安定的に供給が可能な自前のエネルギー源を持つことができる。

  村岡氏は日本がその潜在力をフルに活かせば、地熱発電は原発に代わる電源となり得ると言う。

 最後に整理してみると、地熱発電開発が遅れて原因は大きく次の三つになる。

景気後退による財政難と同時に、政府による原発推進政策」優先があった
日本の地熱源の多くが、開発が禁じられている国立・国定公園内に集中している
地熱発電に対して慎重な姿勢を見せる温泉組合も高いハードルになっていた

  インターネット「村岡洋文原発大国から地熱大国へ」参照

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