2012年12月29日土曜日

海外移転は製造業だけではない ・ アジアに進出する日本企業のコールセンター



いったい日本の製造業はどれだけその生産拠点を海外へ移したのだろうか。


国内産業の空洞化が叫ばれて久しいが、これから先もこうした傾向は続くのだろうか。


だが一部の企業では現地の人件費の高騰や従業員のストなどで早くもメリットが失われ、撤退を考え始めているところもあるという。


これまでは製造業主導で海外移転が進んできたが、最近ではサービス業などにも波及してきているようだ。


皆さんは購入した商品の相談や苦情の申し立てで企業のコールセンターを利用したことはないだろうか。


最近で多いのはパソコンのネット接続やメールなど関する問い合わせでプロバイダーなどへ電話する人はずいぶん増えているようだが、そういったとき電話に出てくるのはコールセンターのオペレーターである。


なにもパソコンに限らないが、電話をかけた人はまさかその電話が海外に繋がっているとは予想もしないだろう。


しかし、最近では海外へコールセンターを移転する企業が増えていて、知らないうちに日本以外の国に転送されているケースは珍しくないのである。


何気なしにかけた皆さんの電話を相手のオペレーターはタイのバンコクや中国の大連で聞いているのである。


まさかと思うかもしれないがこれは事実である。


もちろん皆が皆そうではないが、こうした傾向はこれから先どんどん増えていくと言われている。


こうした海外のコールセンターは日本でこそ2000年代になって始まったばかりだが、この道の先進国である米国ではこんなことはもはや珍しくなく、多くの企業が英語を話す人が多いインドやフィリピンに拠点を置くのが当たり前のようになっている。


ではなぜ企業は海外にコールセンターを置くのだろうか。


それは人件費の問題である。例えば日本で時間当たり1000円ぐらい支払うオペレーターの人件費がタイだと高くても600円ぐらいですむのである。


通話料にしてもインターネットを使えばほとんどかからず、日本におくよりずっと安上がりなのである。


今バンコクには1ヶ所に日本人オペレーターが150人以上もいるセンターがあるという。


こうした人の大半は日本のアウトソーシングや人材派遣の会社が募集をかけ、国内で採用して現地に送るケースが多いのだという。


今は格安運賃の航空会社も多く、たとえ片道の航空運賃を負担してもじゅうぶん採算が取れるという。


応募してタイへ赴任していくオペレーターにしても600円の時間給だと、あらゆるものの物価が格段に安いので日本よりいい生活ができ、その上貯金もできるという。


今国内では若者の就職難が深刻である。


でも職探しを国内だけに限らず、この際海外へも目を向けてみたらどうだろう。ちなみに海外の仕事を探すときはネットのWorld Post という求人サイトを見るといい。


世界中でいろいろな職種の求人が載っており、その量の多さにおそらくあなたは驚くに違いない。



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