いままだに続いているテレビの過払い金請求CM
過払い金請求のCMといえば、昨年脱税事件を起こして警察に検挙され、その後テレビ界を追放された坂東英二氏が目に浮かぶ。彼ほどこの種のCMに多く出演していたタレントは他にいないだろう。
その彼も脱税事件以降TV界を完全に干されてしまって今ではその姿を見ることはない。
変わって最近よく目にするのは往年のお笑いコンビ「あのねのね」のメンバーのひとり、原田伸郎氏である。ごく最近もその彼が出演するテレビのCMを見た。
そのCMのスポンサーは大阪に本拠のある法律関係の事務所なのだが、CMの内容について前から気になっている点が一つある。
それは過払い金請求の相談者が事務所を訪れる際の交通費を支給するということである。
CMでもそれをはっきり言っているように、相談者が事務所訪問にかかった交通費を5000円まで支給するというのだ。
しかし考えるまでもなくこれはおかしな話ではないか。困っている過払い金請求の相談にのってあげるのに、なぜ相談者に交通費を払わなければならないのだろうか。
事務所側が仕事に必要な交通費を相談者に請求するのは分かるが、相談者に交通費を払うことなど聞いたことがない。
胡散臭さを感じるのはこの点なのである。つまり交通費まで払って事務所に来てもらうということは、過払い金請求が事務所にとってよほどメリットの大きいいわばおいしいビジネスだからなのではないだろうか。
つまりうまくいけばたっぷりと甘い汁を吸うことができるからなのだろう。だからこそ交通費を払ってまで事務所まで相談に来てほしいのである。
そうすれ利益がたっぷり上がる可能性があるからに違いない。
よく聞く話だが、一般的な過払い金請求では、消費者金融業者から返還された金額のうち、請求者本人より事務所の取り分の方が多いのが珍しくないという。
それどころか返還された過払い金総額を上回る報酬を請求する事務所もあるという。
つまりこのビジネスは人の弱みにつけ込んだ極めてあくどい商法なのである。
こんなに問題のある商法のCMを流すテレビ会社も良くないが、でもいまだにパチンコ業界のCMをドンドン流すような見識の低い民放のテレビ会社に今さらこんな苦言を呈しても始まらないかもしれない。
あるネットのブログ記事によれば、法律事務所などが過払い金請求のCMとテレビでよく放映する理由は次の5点だという。
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法律事務所が過払い金請求に関してTVでCMを流す理由
・2000年代に入り、弁護士・司法書士等の法律事務所の広告が解禁された。
・司法制度改革による弁護士の急増と、司法書士も条件付きで民事訴訟に参入で きるようになったことから、両者の競争が激化した。
・不況の折りTVコマーシャル料が安くなり、従来の地下鉄などの中吊り広告からテレビCMへと進出してきた。
・2006年の最高裁判決で、グレーゾーン金利は違法とされ大きく表面化した。その結果「過払い金返還請求」の手続が促進化され、かつ比較的簡単に済むようになった。
・こうした状況から、法律事務所が儲かるビジネスと認識し始めた。
ブログ「疑念社会に生き抜く」より
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