刑務所内にコールセンターや魚の養殖場が
米国の企業が人件費の安い外国の都市にコールセンターを置いているのはよく知られている。
しかしいくら人件費の安い国といっても、ここに電話をかけてくるのは米国本土の人たちだから、英語が上手な国でなければ話にならない。
したがってどこでもいいというわけではなく、英語が公用語になっているインドやフィリピンなどが多いようである。
しかし今回の話は外国ではない。アメリカ国内にも人件費がうんと安いところがまだ残っていたのである。
それは刑務所の中なのである。刑務所内にコールセンターを構えて、女性受刑者にオペレーターを勤めてもらうのである。
これだと人件費が安くつくだけではなく、言葉の上でも完璧である。
このような刑務所ビジネスはなにもコールセンターだけとは限らない。
コロラド州の刑務所にはなんと魚の養殖場があり、年間70万匹も育てているのだという。
そうした魚はもちろん市場に出回っている。
それだけに一部の業者からは、刑務所から安い魚が流れるので、市場価格が下がって商売が上がったりだと、苦情が出ているらしい。
しかしコールセンターと言え、魚の養殖場と言え、こうしたこうしたビジネスを刑務所内でドンドン展開していくというアメリカ人のアイデアと実行力にはいつもながら頭が下がる。
こうした傾向は、いずれは日本にも波及してくるに違いない。それは5年後か、それとも10年後か?
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アメリカで広がる「刑務所ビジネス」
アメリカで刑務所に入っている成人の数は22万人。大人の100人に1人は受刑者だ。
維持・管理費は年間7兆円余。この負担を軽くするため、受刑者を労働力にして収益を上げる刑務所ビジネスが拡大している。
アリゾナ州の刑務所にはコールセンターがあり、女性受刑者がオペレーターとして対応している。
コロラド州の刑務所では魚の養殖で年間70万匹を育てている。併設された工場で加工し、レストランなどに卸しているという。
また、オリジナルのオートバイも扱っており、顧客の注文に応じてデザインしている。
仕組みとしては刑務所の中に民間企業が工場を設置。そこで受刑者が働き、企業は刑務所に最低賃金を支払う。刑務所はお金の一部を報酬として受刑者に渡している。
NHK海外ネットワーク 2013年6月16日放送
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